Instagramインサイトは、投稿への反応やリーチ数、フォロワーの属性データなどが確認できる分析ツールで、プロアカウントのユーザーであれば誰でも無料で使用できます。確認できるのはアカウント全般のインサイト、フィード、ストーリーズ、リール、ライブ動画の情報。
本記事では、インサイトの項目やインサイトの見方について解説していきます。

はじめに
Instagramのインサイトを使用するには、アカウントが「プロアカウント」である必要があります。
プロアカウントへの切り替え方法は、以下の記事で説明しています。まだ切り替えが完了していない方は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
>>Instagramの企業アカウント開設方法まとめ
「Instagramインサイトについてまとまった資料がほしい」「手元においていつでも確認できるようにしたい」という方は、【Instagramインサイト徹底ガイド】のeBookをぜひダウンロードください。インサイトの見方、項目が示す数値の意味、注意点など、インサイトについて詳しく解説しています。
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アカウント全般のインサイト(インサイト概要)

まずは、アカウント全般のインサイトを見てみましょう。
スマホアプリ版のプロフィールページにアクセスするとプロフィール文の下の並びに「インサイト」ボタンがあるので、そちらをタップしてインサイトを表示します。インサイトの表示がない場合は、プロアカウントへの切り替えが完了していないことが考えられます。また、PCブラウザ版ではインサイトは表示できません。
■リーチしたアカウント数
この数は、指定期間に自分のフィード投稿やストーリーズ、リールなどを1回以上閲覧したユニークアカウントの合計数となっており、タップすると詳細ページが表示されます。
- リーチしたオーディエンス
広告を含め、コンテンツを1回以上見たユニークアカウントの数が表示されます。同一アカウントが複数のコンテンツを見た場合のインプレッションとは異なります。
ここでは、広告、上位の国、上位の都市、性別、年齢層などを確認することができます。2022年4月現在、この指標は推定値かつ開発中となっています。 - フォロワーとフォロワー以外
コンテンツを見た人がフォロワーかフォロワー以外かを見ることができます。 - コンテンツのリーチ
リール動画や投稿、ストーリーズといったコンテンツによるリーチ数の差をフォロワー/フォロワー以外で確認することができます。 - トップ投稿・トップストーリーズ・トップリール・人気のIGTV・人気のライブ動画
指定期間に投稿されたコンテンツのうち、パフォーマンスの高い投稿を表示することができます。 - インプレッション
何回コンテンツを見られたかという数。リーチはアカウント数なので、インプレッション>リーチとなるのが通常です。 - プロフィールのアクティビティ
ユーザーがプロフィールに対して行ったアクションの数。プロフィールへのアクセス、ウェブサイトのタップ数、ビジネス住所のタップ数、電話するボタンのタップ数、メールを送信ボタンのタップ数、テキストボタンのタップ数が表示できます。
リーチ分析でわかること・できること
- ペルソナやターゲットとしている層と合っているか
国や都市、年齢、性別の推定値を確認し、ターゲットとズレていないか確認することができます。 - エンゲージメントを増やす施策
インサイトから確認できる「フォロワーとフォロワー以外」からフォロワーの数値が実際のフォロワー数よりも圧倒的に少ない場合はフォロワーが投稿に関心を示していないため、コンテンツの改善が必要です。どういったコンテンツが反応されるか「トップ投稿」で分析しましょう。 - フォロワーを増やす施策
フォロワー以外へのリーチが少ない場合はフォロワー以外にコンテンツが届いておらず新規フォロワーが増えにくくなります。ハッシュタグや位置情報タグが適切に選定されているか検討してみましょう。
関連記事:Instagramのハッシュタグ選定で必要な考え方と活用事例
関連記事:Instagramのスポット・地図情報を設定する方法
■アクションを実行したアカウント
自分のフィード投稿やストーリーズ、リールに対するいいね!やコメント、シェアなど、アクションしたアカウントの合計を表示します。詳細ページでは、アクションを実行したオーディエンスやコンテンツでのインタラクションを確認できます。
- アクションを実行したオーディエンス
コンテンツに対してアクションを実行したアカウントのオーディエンス(上位の国、都市、性別、年齢層、フォロワー/フォロワー以外)を確認することができます。データが利用できない場合は指標を表示して確認できません。 - コンテンツでのインタラクション
投稿でのインタラクション(いいね!、コメント数、保存数、シェア数)、ストーリーズでのインタラクション(返信、シェア数)、リール動画でのインタラクション(いいね!、コメント数、保存数、シェア数)、動画でのインタラクション(いいね!、コメント数、保存数、シェア数)、ライブ動画(コメント数、シェア数)でのインタラクションの合計数です。広告等で宣伝されたコンテンツでのインタラクションも全て含みます。
インタラクション分析でわかること・できること
インタラクション数が増えると、コンテンツの評価が高まり、リーチが増える可能性があります。また、コンテンツにアクションしてくれたフォロワーとのシグナルが溜まり、その後の投稿のリーチを高めてくれます。どんなコンテンツがインタラクションが高いのかを把握しておくことは、リーチの拡大やフォロワーとの関係構築に役立ちます。
■合計フォロワー
フォロワーの合計数を表示しています。詳細ページでは、フォロワーが100人以上いる場合に、指定期間でのフォロワーの増減や、フォロワーのエリアや年齢性別、アクティブな時間や曜日が確認できます。
フォロワー分析でわかること・できること
どんな投稿や施策を打ったときにフォロワーが増加・減少したのか分析をしておくことで、フォロワーの増加に役立てることができます。施策ごとの分析も必要ですが、アカウントを俯瞰してみたときに何が最も貢献しているのか、定期的に分析を行いましょう。
インスタグラムインサイトを確認する際の注意点
Instagramインサイトは利用しやすく、手軽に分析できるのが利点ですが、トップ投稿やインタラクション、フォロワーの増減をまとめて確認しづらいのが難点です。また、Instagramインサイトでは90日以上遡ったデータを確認することはできません。データをダウンロードして分析することにも不向きです。
日ごとの変化を分析したい場合や、より詳しい分析を行いたい場合は、「コムニコ マーケティングスイート」などの分析ツール導入を検討してみましょう。コムニコ マーケティングスイートについては、後半の章でも詳しく解説していますので、そちらもご覧ください。
インサイト-あなたがシェアしたコンテンツ
プロフィールから「インサイト」をタップした際に「インサイト概要」の下には「あなたがシェアしたコンテンツ」が表示されます。ここでは、指定期間に投稿したコンテンツを一覧で確認することができます。コンテンツごとの詳細では、過去2年間の投稿インサイトが確認できますが、選択項目にある期間しか設定できず、任意の期間をカスタムして設定することはできません。注意しましょう。
■投稿
指定期間(昨日〜過去2年)の自分の投稿が表示されます。詳細ページを開くと、投稿データの一覧が表示されます。画面上部では、投稿タイプや表示項目、期間を切り替えるフィルターの選択ができます。
■ストーリーズ
フィード投稿と同じように、指定期間にストーリーズに投稿したコンテンツが表示されます。詳細ページでは、ストーリーズに投稿したデータの一覧が表示されます。画面上部では、表示項目や期間を切り替えるフィルターの選択ができます。
■リール
指定期間に公開したリールが表示されます。詳細ページでは、リールに公開した動画の一覧が表示されます。画面上部では、フィードやストーリーズと同様に表示項目や期間を切り替えるフィルターの選択ができます。
■ライブ動画
指定期間に配信したライブ動画が表示されます。詳細ページでは、ライブ配信中のコメント数・リーチ・ピークの同時視聴者数・ライブ配信中のインタラクションといった指標順に並べ替えることができます。
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フィード投稿のインサイト
投稿からインサイトを表示するには、投稿の左下の「インサイトを見る」をタップします。
投稿インサイトから確認できるアイコンとその内容は以下の通りです。
- ハートマーク(いいね!)
- 吹き出しマーク(コメント)
- 紙飛行機マーク(シェア)
- しおりマーク(保存済み):投稿を保存したユニークアカウント数
■概要
- リーチしたアカウント数
この投稿を最低1回見たユニークアカウントの数を表示します。 - アクションを実行したアカウント
- プロフィールのアクティビティ
※データが利用できない場合は「--」が表示されます。
■リーチ
- リーチしたアカウント数:投稿を閲覧したユニークアカウント数。フォロワー/フォロワー以外の割合を円グラフで確認することができます。
- インプレッション数:投稿が表示された数。
- ハッシュタグ:ハッシュタグを検索した時に表示された数
- ホーム:ホームボタンを表示した時に表示された数
- プロフィール:プロフィールを表示した時に表示された数
- その他:発見タブ等、上記以外の場所で表示された数
■投稿でのインタラクション
- 「いいね!」の数
- 保存数
- コメント数
- シェア数
■プロフィールのアクティビティ
- プロフィールへのアクセス
- フォロー数
- [電話する][メールを送信]などのボタンのタップ数
投稿ごとのインサイトは、直近の投稿結果を確認する際に役立ちます。主に確認したい箇所は、投稿への反応数やリーチ(普段より多いか少ないか)、インプレッションの経路です。
特にインプレッションの経路は必ずチェックしておくようにしましょう。「ホーム」でのインプレッションが多ければフォロワーに、「ハッシュタグ」のインプレッションが多ければフォロワー外のユーザーによく見られているということになります。
ストーリーズのインサイト
ストーリーズ画面の左下に既読人数が表示されます。画面を上にスワイプアップするか、既読人数をタップすると、詳細なインサイトが確認できます。
上部にある目のアイコンの横には、ストーリーズの閲覧数が表示されます。また、目のアイコンをタップすると、ストーリーズを閲覧したアカウントの一覧が表示されます。この閲覧数と閲覧したアカウント一覧は、24時間を経過すると表示されなくなります。誰に見られたか記録を残しておきたい場合は、24時間経過前にスクリーンショットなどを撮るようにしましょう。
グラフのアイコンをタップすると、ストーリーズで実行されたアクションなどの詳細が見られます。詳細ページ内の項目は以下の通りです。
■概要
- リーチしたアカウント数
この投稿を最低1回見たユニークアカウントの数を表示します。 - アクションを実行したアカウント
- プロフィールのアクティビティ
■リーチ
- リーチしたアカウント数
- インプレッション
■ストーリーズでのインタラクション
- シェア数
- 返信
■ナビゲーション
- 次の写真や動画を見るためにタップされた回数
- ストーリーズからの移動数
- 次のストーリーズ
- 前の写真や動画を見るためにタップされた回数
■プロフィールのアクティビティ
- プロフィールへのアクセス
- フォロー数
- [電話する][メールを送信]などのボタンのタップ数
ストーリーズは基本的に24時間で消えるため、公開中はこまめにストーリーズインサイトで数値をチェックしておきましょう。ストーリーズのインサイトのログは残らないため、どんな人が見てくれているのかを定期的に確認しておくことをおすすめします。
なお、ストーリーズの公開終了から30日経つとインサイト内のストーリーズ一覧ではコンテンツが削除されますが、「アーカイブ」からストーリーズを表示して上にスワイプすると、1週間以内であればインタラクションや発見の数値を確認ができます。
リール動画のインサイト
2022年7月、Instagram上で投稿された15分未満の動画は、すべてリール扱いになることが発表されました。
リールのインサイトは、リール動画上にある3点リーダー「…」をタップし、「インサイト」をタップすると表示されます。
リール動画のインサイトから確認できるアイコンとその内容は以下の通りです。
- 三角マーク(再生数):リール動画が再生開始された回数
- ハートマーク(いいね!)
- 吹き出しマーク(コメント)
- 紙飛行機マーク(シェア)
- しおりマーク(保存済み):投稿を保存したユニークアカウント数
■リーチ
- リーチしたアカウント数
このリール動画を閲覧したユニークアカウント数 - 再生数
リール動画が再生開始された回数。1ミリ秒以上の再生が行われた場合にカウントされ、リプレイは除外されます。
■コンテンツでのインタラクション
- 「いいね!」の数
- 保存数
- コメント数
- シェア数
ライブ動画のインサイト
2021年5月、ライブ動画のインサイトが追加されました。
ライブ配信後、IGTVとしてアーカイブを残さず動画を破棄してもインサイトデータは保存されます。
インサイト概要からは過去30日までのライブ動画しか表示されませんが、ストーリーズと同じように、「アーカイブ」から「ライブアーカイブ」を選択すると、過去30日以上のライブ動画も閲覧数などが確認できます。
ツールを活用して、インサイト分析を効率化しよう
ここまでInstagramインサイトで閲覧できるデータについて説明してきましたが、Instagramインサイトは、スマートフォンやタブレット端末のアプリからしか確認ができず、データのCSVダウンロードもできません。
このため、社内で運用の結果を報告しなければならないSNS運用担当者にとっては、他のSNSと比較してもレポートの作成が難しいSNSであると言えます。そこで、インサイトデータをPCから確認でき、数値も見やすく整理ができるツール「コムニコ マーケティングスイート」をご紹介します。
コムニコ マーケティングスイートは、SNSアカウント(Facebook、Twitter、Instagram)の投稿管理や効果測定を効率化するクラウドツールです。Instagramインサイトについては、主に以下の項目が集計できます。
※コムニコ マーケティングスイートでInstagram分析を使用するには、Facebookページに連携したInstagramアカウント(プロアカウント)である必要があります。
フィード投稿やストーリーズ投稿ごとのデータ
投稿ごとに、リーチやインプレッションなどのデータが確認できます。ストーリーズの一覧データは、コムニコ マーケティングスイートでは1年間保存されます。
フォロワーデータ
フォロワー数の推移や増減数、フォロワーの属性などの情報を確認できます。Instagramインサイトよりも見やすくまとめられ、数値がCSVでダウンロードできます。グラフで簡単に確認ができるため、期間を指定して、グラフをダウンロードして資料作成に役立てられます。
カスタムサマリー
自社のKPIに合わせてサマリーをカスタマイズできます。表示方法も、集計値・グラフ・表などから選択可能。見るべき項目や目標値の設定で、日々の数値のチェックを簡単にし、リアルタイムで進捗を把握しながら毎日の運用に役立てましょう。
そのほか、アクション数やリーチ数の推移なども詳細に確認できます。コムニコ マーケティングスイートの「投稿管理」機能ページや以下の記事でさらに詳しく解説していますので、興味があればぜひご覧ください。
関連記事 >> Instagram分析ツールを導入して、アカウント運用を効率化しよう
ツールを活用して、競合アカウントを分析しよう
自社の分析だけでなく、ベンチマークしているアカウントも分析することで、運用のヒントが見つかることもあります。「コムニコ マーケティングスイート」の「競合アカウント分析」機能では、ベンチマークアカウントのフォロワー数推移や反応数など、様々な数値をチェックできます。
フォロワー数の比較
競合アカウントを複数登録しておくと、フォロワー数を横並びで比較することができます。それぞれのフォロワー数の増減を追うことができるため、フォロワー数が増えたタイミングや、減ったタイミングで各アカウントが何をしていたか、調べることができます。
反応の良い投稿・悪い投稿の傾向把握
競合比較では、競合アカウントの反応が良かった投稿「BEST5」および反応が良くなかった投稿「WORST5」がランキング形式で表示されます。これによって、どんな投稿が人気なのか、逆にどんな投稿は人気ではないのか、傾向を把握することができます。
そのほか、競合アカウントの投稿を一覧で表示させる機能もあります。自社分析と同じように、反応数の多い順やリツイートの多い順に並べ替えることも可能です。
自社のポジション把握
同業界のアカウントの中で、自社のSNSアカウントはどのくらいのポジションにいるのか、X軸、Y軸の位置、円の大きさで比較することができます。
ポジショニングマップを使用すると、より多面的な視点で自社のポジション把握が可能になります。
Y軸、X軸、円の大きさ、に設定できる指標は以下のものです。
- 投稿数
- 反応率
- 反応数
- コメント
- いいね!
- フォロワー数(累計)
- フォロワー数(増減)
まとめ:インサイトのデータを活用して、反応の良い投稿をしよう
Instagramのインサイトは、いろいろな場所で異なるデータを閲覧できるので、どこでどんな情報が確認できるのかを押さえておきましょう。データを俯瞰的に見てみると、いいね!は少なくても、保存が多い画像など、投稿の特性がみつかるかもしれません。
もちろん、全部のデータを毎日見る必要はなく、定期的にKPIとして決めた数値を追えばよいでしょう。Instagramでのユーザーエンゲージメントを高めるために、ぜひインサイトを使いこなしてください。
また、InstagramだけでなくSNSアカウント(Facebook・Twitter・Instagram)での投稿管理や効果測定にかける作業を大幅に軽減するクラウドツール「コムニコ マーケティングスイート」をぜひご活用くださいね。

2011年入社。セールス・コンサルタントとして、業種・業界問わず多くの案件を担当。2019年よりマーケティング領域も兼任し、コンサルタントとしての経験を活かした運用担当者目線のマーケティングを行っている。