Threads(スレッズ)とは?基本の使い方と企業活用事例10選
Meta Instagramチームが開発・リリースした「Threads(スレッズ)」。X(Twitter)に代わるSNSとして注目され、企業アカウントの開設も増えています。
この記事では、Threadsとはなにかを解説し、基本的な使い方や企業アカウント事例を紹介します。
Threadsの特徴や機能が知りたい方、企業のThreads活用事例が知りたい方に向けて、「Threads媒体概要・企業アカウント事例」を無料公開しています。業界別にThreadsの運用が参考になる企業事例をピックアップしているので、ぜひダウンロードしてください。
※この記事では、Threadsについて2024年7月30日時点の内容をまとめています。
Threadsとは?
Threads(スレッズ)は、Meta Instagramチームが開発したテキスト共有アプリです。
日本では、2023年7月6日から利用できるようになりました。オープンな会話やテキストの公開をするためのアプリとして開発されており、Instagramアカウントを使用してログインします。
Threadsのビジョンは、「Instagram が最も優れているものを取り入れてテキストに拡張し、アイデアを表現するためのポジティブでクリエイティブなスペースを作成すること」。
InstagramとThreadsの使い分けについて、InstagramのCEOであるアダム・モッセーリ氏は「画像や動画はInstagram、テキストはThreads(特に、公の場で会話したい場合)」と考えを表明しています。
API制限など、様々な問題を抱えるX(Twitter)に代わるSNSとして注目を集めました。なお、近日中にオープン・ソーシャルネットワーキング・プロトコル「ActivityPub」に対応する予定です。対応されると、同じくActivityPubをサポートしているMastodonやWordPress等の他のプラットフォームを利用している人と相互にやりとりができるようになります。この、プラットフォーム間でフォローなどの交流ができる新しいソーシャルメディアネットワークを「フェディバース」といいます。
関連記事:スレッズどう使う?1周年記念イベント開催レポート-Threads 1st Anniversary Master Class Report-
Threadsのユーザー数
- 1.75億人以上(2024年7月4日時点)
Threadsは、サービス提供開始からわずか5日で利用者数が1億人を突破し、アプリとして史上最速ペースで成長を続けています。サービス提供から1億人を突破するまで、これまでの最短記録は「chatGPT」で2ヶ月、「TikTok」で9ヶ月となっていました。
なお、Threadsは100カ国で提供されており、これはEUを除いた全世界の数値となっています。プライバシー面への懸念からEUではリリースされていません。
参考:https://www.instagram.com/p/Cuh6BYqSTd5/
Threadsのロゴ
ロゴの由来は「@」であり、ユーザーネームや個人、声を表しています。ロゴは「@」を1本の切れ目のない線で表しており、「スレッドが始まった時に見られるループからインスパイヤしたデザイン」です。
書体はInstagram独自の「Instagram Sans」。真円と正方形の中間の形を書体全体に使っています。
参考:https://www.threads.net/t/CuaOfqML2R5/
Threadsで使える機能
2024年6月18日時点で使える機能をまとめました。それぞれを組み合わせて利用することも可能です。
- 500文字までのテキスト投稿(スレッドの開始)
- 動画や画像コンテンツ共有
- スレッド返信によるユーザー同士の会話
- メンション
- リンク投稿(OGP表示あり)
- 再投稿(Xのリポストのような機能)
- 引用(Xの引用リポストのような機能)
- Instagram フィード投稿、ストーリーズ、リンクコピーなどのシェア
- アカウントの公開範囲(公開/非公開)
- スレッドごとのリプライ可能範囲設定(全ての人/フォローしている人/メンションしている人)
- 投稿テキストの翻訳機能
- 音声クリップを投稿できる「ボイススレッド」
- 投稿後のテキスト編集(投稿後5分以内のみ)
- タイアップ投稿
- GIFスタンプ機能
- 投票機能
- 投稿アクティビティ機能(いいね!/再投稿/引用した人を表示)
- キーワード検索機能
- トピックのタグ付け機能
「キーワード検索機能」は、これまで英語とスペイン語のみで利用が可能でしたが、2023年11月末頃から、Threadsを利用できる全ての国に導入し、
「トピックのタグ付け機能」は、2023年12月7日(米国時間)に導入したと発表されました。投稿の内容に関連するトピックを追加することで、
Threadsで新しく投稿を作成する際、#
Instagramのハッシュタグとは異なり、投稿にタグ付けできるトピックはひとつだけです。
Threadsで使えない機能
2024年6月18日時点では、以下の機能は利用できません。
- 広告
- Instagramのようなハッシュタグ
- 分析(インサイト)
- 投稿時の画像トリミング
- ダイレクトメッセージ(DM)
Threadsで今後実装予定の機能
2024年6月18日に、マーク・ザッカーバーグ氏が「ThreadsのAPIが間も無く多くのユーザーに提供される予定」と自身のThreadsで投稿しました。ツールを活用して分析などもできるようになる可能性があります。
参考:https://www.threads.net/@zuck/post/C8WQyIVOd8t
Threads辞書-Threadsで使われる用語
Threads公式がInstagramで発表した用語集を日本語訳と共にまとめました。
呼び方 | words | 意味 | 用例 |
スレッズ | Threads | アプリ名 |
新SNS「スレッズ」が熱い。 |
スレッド | thread |
議論を表す言葉 |
@mosseriは、良いスレッドを開始しました。 |
ポスト | post |
①[名詞]個々の投稿を表す |
①彼らの最新ポストを見ました? |
リプライ | reply | 誰かの投稿に返信すること | 私にリプライしましたか? "Did you reply to me?" |
リポスト | repost |
誰かの投稿を自分のプロフィールに再投稿すること |
@zuckさんの写真をリポストしました。 "I reposted @zuck’s photo." |
クオート | quote |
誰かの投稿を引用して、自分の考えとともに投稿すること |
@mosseri をクオートしました。 "I quoted @mosseri." |
参考:https://www.instagram.com/p/CuXjJeqOQF-/
Threadsの利用条件
Threadsは、Instagramチームが開発したInstagramアプリとされています。そのため、Threadsを利用するためにはInstagramのアカウントが必要です。そのため、13歳以上など、Instagramが利用できる人であればアプリをダウンロードさえすれば利用可能となるでしょう。
アカウントIDや名前とユーザーネームなどはInstagramアカウントがそのまま引き継がれます。
Threadsで使用される可能性がある個人情報データ
- Instagramのログイン情報
- InstagramアカウントID
- Instagramでの名前とユーザーネーム
- Instagramのプロフィール情報(プロフィール写真、自己紹介、リンクなど)
- Instagramフォロワー
- Instagramでフォローしているアカウント
- Instagramでの年齢 など
なお、プロフィールやフォロワー・フォローしているアカウントについては、利用開始時に引き継ぐかどうか選択することができます。
個人情報の収集項目が多く、セキュリティ上不安という声もありますが、Instagramをすでに活用している場合は個人情報収集に同意済みとなっていますから、Instagramアカウントがある場合は利用を検討してもよいでしょう。
Threadsの利用方法
では、さっそくThreadsを使い始めてみましょう!
- Threadsアプリをダウンロードします。
iPhoneの場合はApp Storeから、Androidの場合はGoogle Playストアを利用しましょう。 - アプリを開き、下部にある[Instagramでログイン]をタップすると、Instagramアプリでログインしているアカウントが表示されます。
-Instagramアプリにログインしていない場合は、下部の[Instagramでログイン]をタップして、Instagramアカウントにログインしてください。ログインすると、Threadsアプリに戻ります。
-複数のInstagramアカウントを所有していて、別のアカウントでログインしたい場合は、下部の[アカウントを切り替える]をタップして別のアカウントを選択します。アカウントがリストに表示されない場合は、[他のInstagramアカウントにログイン]をタップして、Instagramアカウントにログインします。 - プロフィールをカスタマイズします。
自己紹介やリンクはInstagramからインポートでき、後から変更することも可能です。インポートすると、プロフィールアイコンや自己紹介、リンクが自動的に挿入されます。
なお、アカウントIDやユーザーネームはThreads上では変更できず、Instagtam上で変更する必要があります。 - プライバシー設定を選択します。
2つのプライバシー設定から選択できます。
-公開プロフィール
Threads利用者以外を含むすべての人があなたのコンテンツを見てシェアやアクションを実行できます。
-非公開プロフィール(鍵アカウント)
あなたのコンテンツを見てアクションを実行できるのは、承認済みのフォロワーのみです。 - Threadsのしくみが表示されます。
取得データの活用方法や他のプラットフォームとやり取りができる新しいソーシャルネットワークを使用できるようになることが記載されています。表示されている内容を確認してから利用するようにしましょう。
補足事項
- Threadsで別のプロフィール写真、自己紹介、リンクを選択しても、Instagramのプロフィール写真、自己紹介、リンクに影響はありません。ただし、アカウントIDやユーザーネームはInstagramと同じでなければなりません。
- Threadsで自分がフォローしているプロフィールや自分をフォローしているプロフィールによって、Instagramでフォロー中の人やフォロワーに影響が出ることはありません。
- Threadsでいつでも自分のプロフィールを編集できます。ユーザーネームや個人情報など、その他の情報を変更するには、Instagramでプロフィールを編集します。
なお、Threadsのプロフィール文は150文字(12行)までとなっています。 - Instagramアカウントが認証済みの場合、Instagramのプロフィール写真のみを変更できます。認証バッジは、Threadsのプロフィール情報とともに表示されます。
Threadsのビジネス活用-企業はどう活用すべき?
すでに活用を開始している企業も多く、Instagramアカウントがあればすぐに開始できるので、Instagramを活用している企業はThreadsも利用してみると良いでしょう。
現在実装されている機能から、基本的にはX(Twitter)と同様の使い方ができそうです。
以下に現状の活用例をまとめます。
- オウンドメディアなどへ遷移させる
リンク投稿では、OGPが表示されるため、メディアアカウントでの活用がすでに行われている。 - 複数枚の画像を用いたカルーセル投稿
正方形画像を用いると横スクロールでつながった画像のように見せることが可能。 - 呼びかけ投稿やアクションを促す投稿でユーザーとコミュニケーションを図る
「試しにコメントしてください」「〜ならいいね」はX(Twitter)などでも高エンゲージメントとなっていた。 - Threads上で新たなユーザーに見つけてもらい、Instagramへ誘導させる
フォロー外のユーザー投稿がタイムラインに流れてくるため、新しく出会い、Instagram上で商品詳細やサービスの詳細を見てもらうことができる。Instagramをメディア欄やアルバムのように活用する。 - 他媒体キャンペーン投稿へ遷移させる
リンク投稿を活用してX(Twitter)やWebへの遷移を促すことができる。 - 偽アカウント防止のためにアカウントを取得する
企業アカウントの中には、今後なりすましなどの偽アカウント発生を防ぐためにアカウントを取得した例も。
Threadsの商用利用
Threadsの利用規約内にある禁止事項として「商業目的でThreadsサービスを活用すること」という記載があり、企業公式アカウントの活用が難しいのではないか、という憶測も飛び交いました。
この件について、We Love Social編集部がMeta広報に確認したところ、「クリエイターから企業、個人アカウントまで、すべてのInstagramアカウントで利用いただけます」との回答がありました。Threadsは、ビジネスで活用する企業アカウントも活用できるアプリです。
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他ニュースサイトによると、問い合わせた結果、規約の翻訳ミスであることがわかった、との報道もあります。正しくは詐欺など商用目的で悪用することを禁止するものだとしています。
参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2307/06/news135.html
Threads広告
Threadsでは、広告メニューが利用できません。しかし、Instagramのアカウントデータを元にしたSNSであるため、今後広告配信が可能になれば、Facebook広告のような精密なターゲティングが可能となると考えられます。
Meta CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は「Threadsが10億人に確実に届けられると確認が取れた後に収益化について考える」と投稿しています。そのため、広告配信が可能となるまでにはもう少し時間がかかりそうです。
この件は、「ザックは、Threadの全ユーザーに広告を投下する時をよだれを垂らして待っている」とThreadsに投稿した投資家のスレッドへのリプライによって明らかになりました。
参考:https://www.threads.net/t/CuW5-eWL34x/
Threadsアカウント削除方法
以下の手順でThreadsアカウントを削除することができます。
- 「設定」を開く
- 「アカウント」>「プロフィールを利用解除または削除」を選択
- 「プロフィールを削除」を選択
Threadsプロフィールの削除リクエストは、30日の期限前にキャンセルできます。キャンセルするには、Threadsプロフィールに再度ログインする必要があります。
参考:https://help.instagram.com/313703828012423
一時的にThreadsの利用を中止する方法
アカウント削除ではなく、一時的に利用停止することもできます。ただし、一時的な利用解除方法で、利用解除できる頻度は週1回までとなっています。
- 「設定」を開く
- 「アカウント」>「プロフィールを利用解除または削除」を選択
- 「プロフィールを利用解除」を選択
参考:https://help.instagram.com/558007373138554
Threadsの企業活用事例
ここからは、Threadsに公式アカウントを開設し、運用を開始した企業の事例をいくつかご紹介します。
■エレコム株式会社
ネットワーク機器をはじめとしたサプライ製品の開発・販売を行っているエレコム株式会社。
SNSごとに運用担当者が異なるようで、「Threadsは現状Twitterの中の人がやっています。そのため、インスタの感じとはだいぶ違う感じになりますがご了承ください😂」と投稿しています。
https://www.threads.net/@elecomjp
■アイラップ【公式】
袋状のラップ「アイラップ」の公式アカウントは、さまざまな投稿テストを実施。X(Twitter)キャンペーンへのリンクやYouTubeでの説明動画へのリンクなどの投稿もおこなっています。
https://www.threads.net/@i_wrap_official
■Mori Art Museum 森美術館
東京・六本木にある現代アートの美術館である森美術館は、展覧会情報を投稿。
https://www.threads.net/@moriartmuseum
■モデルプレス(オフィシャル)
日本最大級の女性向けエンタメ&ライフスタイルニュースサイト「モデルプレス」の公式アカウントでは、記事内容を引用した投稿。縦型画像を使用した投稿も実施しています。
https://www.threads.net/@modelpress
■Spotify
音楽共有アプリのSpotifyの公式アカウントです。「MIC CHECK 🎤」とウィットに富んだ初回投稿をしています。
https://www.threads.net/@spotify
■マクセル / maxell
電池や光学部品メーカーであるマクセルの公式アカウントです。ビジネスでの活路を開くべく、Threadsを「試験運用中」として様々な投稿テストを実施しています。
https://www.threads.net/@maxelljp
■ブルーシールアイスクリーム|沖縄(公式)
沖縄のアイスクリームメーカーである、ブルーシールアイスクリームでは、呼びかけ投稿を行い、積極的な活用を進めようとしています。「どなたか優しき方、再投稿か引用してみてくれませんでしょうか🥺」と呼びかけるなど、新機能を使って見たいユーザーへ訴えかけています。
https://www.threads.net/@blueseal_icecream
■LINEMO/ラインモ
ソフトバンクのオンライン専用ブランド「LINEMO(ラインモ)」の公式アカウント。「LINEMOも早速始めてみました! よかったらフォローお願いします💚🙈」として活用をスタートしています。
https://www.threads.net/@linemo__official
■KORG INC.
電子楽器メーカーのKORGの公式アカウントです。なりすましなどを行う偽アカウントが発生することを防ぐためにアカウント開設した、と投稿しています。KORGの楽器を使用しているユーザー投稿を再投稿し、交流をはかろうとしています。
https://www.threads.net/@korg_inc
■TAKUNABE |本格鍋お取り寄せ専門店
本格鍋お取り寄せ専門店 TAKUNABEの公式アカウントでは、Threads開設記念キャンペーンやコラボキャンペーンを実施しています。アカウントのフォロー&投稿の再投稿(または引用)にて応募ができ、当選者にはInstagramのDMで結果が届く仕組みです。その他ユーザー投稿への返信やインスタライブの告知を行っています。
https://www.threads.net/@takunabe_com
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Threadsの特徴や機能が知りたい方、企業のThreads活用事例が知りたい方に向けて、「Threads媒体概要・企業アカウント事例」を無料公開しています。業界別にThreadsの運用が参考になる企業事例をピックアップしているので、ぜひダウンロードしてください。
まとめ
Metaからリリースされた「Threads」について解説しました。Instagramの良さとX(Twitter)などテキスト共有のSNSの良さをあわせ持ったSNSといえます。
Metaによると、今後も新機能がリリースされていくと発表されています。ThreadsがActivityPubプロトコルと互換性を持つための取り組みや、フィードに表示するおすすめコンテンツの改善、トピックやトレンドをリアルタイムでフォローできるような検索機能など、利用者が自分の興味関心に近い投稿やクリエイターを発見しやすくなる新機能など、まだまだ発展していくでしょう。
すでに企業の公式アカウントの運用も出てきており、今後の活用が期待されます。
ThreadsなどのSNS運用について、「これから活用したいが、どのように実施していくべきか悩んでいる」という場合は、コムニコへご相談ください。日本のSNS黎明期である2008年に創業し、2,200件以上の運用実績(2024年3月時点)があります。
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2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。