SNSキャンペーンは応募の手軽さから参加ユーザーも多く、ブランドや製品の露出拡大、アカウントのフォロワー獲得に有効な施策として、TwitterやInstagram上で頻繁に行われています。
キャンペーンの作業を効率化するために様々なツールが提供されていますが、Twitterに関しては新APIプラン移行により、一部のツールが停止または縮小される可能性があります。
この記事では、キャンペーン作業が効率化できるツールをいくつかご紹介しています。新API移行の影響など、ツール選びで重視すべきポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

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SNSキャンペーンで発生する業務
SNSキャンペーンは、SNS上で見ない日がないほど、重要なSNS運用の施策のひとつになりました。
一方で、キャンペーンの実施には、以下のような作業が必要であり、多くの工数がかかります。
手間のかかる作業を自動化し、負荷を削減してくれるのがSNSキャンペーンツールです。
- キャンペーン投稿の作成
- 期間中の問い合わせ対応
- 応募者の収集
- 応募者リストの作成
- 応募条件を満たしているかの確認
- 抽選
- 当選者へ送付するDMの作成
- 個人情報の入力フォームの作成
- 当選連絡(※必要に応じて繰上げ当選連絡)
- 個人情報の管理
- 賞品の梱包・発送
- キャンペーン分析・振り返り
新Twitter APIの影響と各社対応
Twitter社は2023年3月30日に新APIを発表しました。すでにさまざまな報道がなされているとおり、活用するためには高額な有料APIを利用する必要が出てきました。そのため、サービス継続には新APIへの移行が必須となり、さまざまな会社が提供するTwitterキャンペーンツールなど支援ツールへ影響が出ています。主な影響は以下の通りです。
- 一部機能の縮小・廃止
- 利用料金の増額
- ツール開発・サービス提供の停止
現時点でも、Twitter Official Data Partner(NTTデータなど)が提供する「データ提供サービス」などを利用し、移行の影響を抑えているツール等も出てきています。今後、Twitter運用支援ツールを選ぶ際には新しいAPIへの対応状況を確認して検討していきましょう。
SNSキャンペーンツール選びのポイント
SNSキャンペーンツールは、さまざまな企業が開発・提供しています。そこで、自社に合ったツールを選ぶためのポイントを7つご紹介します。ぜひ比較検討の際などにご活用ください。なお、キャンペーンツール利用には契約締結が必要な場合も多いため、キャンペーン実施が決まったら早めに問い合わせするようにしておきましょう。
①対応SNSとキャンペーン
開催を予定しているSNSは、Twitter、Instagramのどちらなのか、もしくはその両方なのか。さらに、どういったキャンペーンを実施するのか(インスタントウィンやハッシュタグキャンペーンなどキャンペーンの種類)で、ある程度ツールが絞れます。長期的に考えて、さまざまなSNSやキャンペーンに対応しているツールを選ぶこともよいでしょう。
>>インスタントウィンキャンペーンツールの比較はこちら:すぐに結果がわかる!Twitterインスタントウィンツール12選
②機能面(収集、抽選、分析など)
前の章でご紹介した作業のどの部分をツールで自動化したいのか、導入目的に沿った機能が備わっているかどうかチェックしましょう。例えば、抽選機能ひとつとっても、どのようなフィルタリングが必要となるか、会社やブランドによって異なります。導入後のミスマッチを防ぐためにも、確認しておきたい部分です。③費用面
多くは、初期費用+月額制としています。加えて、同時開催数や、収集数などでオプション料金がかかる場合もあり、トータルの費用は開催するキャンペーンによって変わってきます。想定されるキャンペーンから見積もりを依頼するのもおすすめです。④UI/UX(ツール画面の視認性・直観的な操作性など)
せっかく導入しても使いこなせなければ意味がありません。画面の操作が分かりやすい、配置や分析画面が見やすいといった、使い勝手の良さも重要です。使い勝手の良さは、ほかの社員への引継ぎのしやすさにも関係します。⑤アップデート頻度
SNSは機能の追加や仕様の変更などで定期的にアップデートされるため、運用ツールも、それに合わせてアップデートしていく必要があります。そのツールがSNSの変化にきちんと対応していっているのかどうかを知るためにも、過去のアップデート頻度や内容を確認しておくとよいでしょう。
⑥Twitter新API移行の影響
Twitter対応ツールであれば、新API移行による影響も重要な確認事項です。
2023年3月30日にTwitter社より、新しいAPIプランが公開され、以前のプランは提供停止となる関係で、ツールの機能縮小、利用料金の変更や、ツール自体の提供終了なども発生しています。同じツールを安心して使い続けられるかを知るために、ツールのAPI利用状況はチェックしておきましょう。
⑦サポート体制
サポート体制も、ツールの提供会社やプランによって異なります。最も簡易的なものであればメールのみの問い合わせから、電話やチャットによるリアルタイムの問い合わせに対応しているもの、専属のアカウントマネージャーやコンサルが付くもの、勉強会やほかのユーザーとの交流会が定期的に開かれるものなど、さまざまです。⑧1回のみの利用が可能か
ツール導入には初期費用や最低利用期間が設定されている場合も多く、合わないからといってすぐに辞めることは難しくなります。そこで、本格的な導入をするまえに、トライアル、もしくは、1回のみの利用が可能かもチェックしておくと良さそうです。次の章からは、さまざまな企業が提供しているSNSキャンペーンツールを紹介します。
TwitterとInstagramに対応したキャンペーンツール8選
ATELU(株式会社コムニコ)
https://www.comnico.jp/products/atelu/jp
「ATELU」は、TwitterおよびInstagramに対応するキャンペーンツールです。実施するキャンペーンに合わせて、3通りのプランがあります。
- Twitterキャンペーン:
ハッシュタグの投稿キャンペーンやフォトコンテストなど、応募期間終了後に抽選を行い、DMで当選通知を送付するTwitterキャンペーンに対応したプラン。 - Twitterインスタントウィン:
フォロー&RTやカンバセーションボタンによる応募で、その場で当落が分かるインスタントウィンに対応したプラン。 - Instagramキャンペーン:
コメント書き込みキャンペーンやハッシュタグ投稿キャンペーンなどに対応しているプラン。
「ATELU」の特徴は抽選時に細かな設定が可能なこと。フィルタリングの種類も豊富で、その応募者が過去に実施したキャンペーンで何回当選しているか、懸賞BOTではないかなど、アカウントで定めたルールに沿った当選者設定を行うことができます。応募収集や抽選作業、当選連絡の自動化で、実施にかかる時間を6割削減できたという実績もあるキャンペーンツールです。
また、Twitter Official Data PartnerであるNTTデータ社の「Twitterデータ提供サービス(インテグレーション)」によるデータ提供を受けることで、新API移行の影響を最小限に抑えることができています。
Twitter社の審査を受け、広告APIプログラムにてスタンダードアクセスレベルを取得しているため、広告APIと統合したツールだけが実現できる「シークレットリプライ」機能も備わっています。
キャンつく(株式会社ピクルス)
「キャンつく」は、対応SNSやキャンペーンの種類によってツールが分かれており、「for Twitter」「for リツイート」「for インスタントウィン」「for Instagram」の4種類があります。
- for Twitter:Twitterにおけるハッシュタグキャンペーン
- for リツイート:リツイートキャンペーン
主に、応募データの収集と管理、抽選機能、レポート機能などが利用でき、オプションとして、当選連絡(DM)、ユニークコード送付、個人情報取得フォームの作成などが可能です。 - for インスタントウィン:Twitterのインスタントウィンキャンペーンをサポート
応募データの収集、応募者に「当たり/ハズレ」の結果を自動でツイート、当選者へはフォームURLの自動DM送信を行います。通常版のほか、アカウント条件なしのライト版から選ぶことができます。 - for Instagram:Instagramで写真投稿を利用したコンテストなどのキャンペーン
ハッシュタグやメンション・タグの収集、当選者管理機能、抽選機能、メッセージ送信機能、レポート機能などがあります。ユニークコード送付機能、フォーム機能などはオプションで利用可能です。
オプション機能が豊富なため、開催前にキャンペーンや使用する機能を導入前に明確にしておく必要があります。必要な機能を把握しておくことで費用を抑えることもできるかもしれません。
SmartHash(株式会社 World Wide System)
https://hash.smartpr.jp/
https://insta-comment.smartpr.jp/
「SmartHash」には、InstagramおよびTwitter対応のハッシュタグキャンペーン実施ツールと、Instagram対応のコメントキャンペーンシステムの2種類があります。
- ハッシュタグキャンペーン実施システム:
ハッシュタグやメンションが付いた投稿の自動収集、応募投稿の管理のほか、キャンペーンでユーザーから収集したデータをオウンドメディアに掲載することができます。データを収集する際に、事故や炎上を引き起こしそうな投稿をブロックする検閲機能が付いていることや、Twitterの動画・複数枚投稿の取得に対応するようカスタマイズできることなどが特徴です。 - コメントキャンペーンシステム:
Instagram投稿のコメントキャンペーンの管理を効率化できます。応募・当選回数表示機能、全参加ユーザーのコメント内容がCSVでダウンロードできる機能、ユーザーやキーワードのブロック機能、コメントのお気に入り機能などがあります。
ハッシュタグ収集をしながら、コメントキャンペーンも行うことができるのが特徴です。
タカハッシュ(山陽ファースト株式会社)
https://sanyo-fast.com/takahash/
「タカハッシュ」は、InstagramおよびTwitterに対応したキャンペーンツールです。
- ハッシュタグ投稿キャンペーン
- フォトコンテスト
- ハッシュタグ投票キャンペーン
1アカウントで2つのハッシュタグが利用できるため、参加者を正確に絞れます。写真だけでなく、動画を使った投稿にも対応しています。ハッシュタグ自動収集や応募管理、レポート機能、データのCSVダウンロードなどに加え、ユーザーが投稿した画像を自社サイトやオウンドメディアに表示させた際、目立たせたい投稿があれば優先表示するといった機能もあります。また、キャンペーンLPの雛形も付いているため、LP作成から効率化できます。
Social Insight(株式会社ユーザーローカル)
https://sns.userlocal.jp/functions/campaign/
SNSアカウントの管理や他社比較、SNS上のクチコミ調査などができるツール「Social Insight」の一機能として、キャンペーン実施機能が付いています。
キャンペーン機能は、InstagramおよびTwitterに対応し、リツイートキャンペーン、インスタントウィンなど、さまざまな種類のキャンペーンが実施できます。このツールがサポートするのは、応募者データの収集・抽出、当選者への連絡、参加者レポートの作成。「Social Insight」全体では分析面に強く、キャンペーンの反響調査もできます。
TwoGood(株式会社TwoGood)
「TwoGood」は、InstagramおよびTwitterに対応しているキャンペーンツールで、特定のハッシュタグを含む投稿を収集することをメインとしています。対応キャンペーンは、ハッシュタグキャンペーンです。
特筆すべきは、設定したハッシュタグをつけているユーザーの中から、LIKE数、いいね数、リツイート数が多いユーザーを絞り込み、インフルエンサーを発掘できること。キャンペーンの次に、自社商品・サービスの認知や好意度を高めるための一手にスムーズにつなげることができます。
echoes(アライドアーキテクツ株式会社)
https://service.aainc.co.jp/product/echoes/
https://service.aainc.co.jp/product/echoes-instagram
「echoes」は、対応SNSによって「on Twitter」「on Instagram」の2種類のキャンペーンツールを用意しています。
- on Twitter:Twitterのインスタントウィンキャンペーン用のツールです。
キャンペーンツイート予約投稿、リツイートの収集、抽選、DM送信など、一通りが用意されています。さらに、広告APIと連携しており、Twitterカードを活用した抽選結果リプライや、画像や動画などのメディア管理など、幅広い機能が利用できます。
自動リプライが不要な場合は廉価版プランの「echoes Light」も選べます。
料金プランは、回数制限のない月額プランと、キャンペーン運用までを任せられるカスタムプランがあります。ツールだけでなく、コンサルティングサービスが付随していることもポイントです。 - on Instagram:Instagramのインスタントウィンキャンペーン用のツールです。
「on Twitter」と同様に、回数制限のない月額プランと、キャンペーン運用までを任せられるカスタムプランがあります。
OWNLY(スマートシェア株式会社)
http://www.ownly.jp/sns_campaign
「OWNLY」はTwitterおよびInstagramに対応するキャンペーンツールです。投稿キャンペーンやリツイートキャンペーン、インスタントウィンキャンペーンなど様々な種類のキャンペーンが実施できます。キャンペーンだけでなく、UGCの収集にも活用することができるツールです。
「OWNLY」では絞り込み機能を活用することで、当選者の抽選の他にもグルーピングが可能となっています。
Twitterに対応したキャンペーンツール5選
Belugaキャンペーン(ユニークビジョン株式会社)
https://bc.uniquevision.co.jp/
「Beluga」は、Twitterキャンペーンに対応したツールです。特定ツイートのリツイートやいいね、特定ハッシュタグのツイートに自動返信するインスタントリプライや、インスタントウィンキャンペーンなどができます。また、特定ツイートのリツイートやいいね、特定ハッシュタグのツイートに時間を指定して返信したり、時間を指定して定期的に返信したりできることもユニークです。
参加状況の確認や参加者リストのダウンロード、参加条件の複数設定、キーワードによる返信の出し分け設定、返信内容の確率設定などができます。インスタントウィンのみで利用できる機能としては、フォローチェックや当選者へのDM配信、単純なアタリ・ハズレだけでなく重複当選など複雑な当選設定などもできるようになっています。
また、AIを活用して不正を行うアカウントを判別する機能や、過去のキャンペーン実績から不正アカウントを抽出し、ブラックリストとして登録する機能があるのが特徴です。
RTWIN(株式会社NONAME Produce)
https://n2p.co.jp/service/snscampaign/rtwin/
「RTWIN」は、Twitterのインスタントウィンキャンペーンに対応したツールです。カンバセーションカードを利用したインスタントウィンキャンペーンや、フォロー&リツイートでゲームに参加、その結果に対して抽選を行うという2段階式のインスタントウィンキャンペーンなど、少々複雑なキャンペーン形式にも対応していることが特徴です。
投稿、参加確認、抽選、DM配信まで自動で実施できます。そのほか、当選確率のリアルタイム変更、シリアルコード添付、レポートの機能もオプションで利用可能です。
giftee(株式会社ギフティ)
https://giftee.biz/purposes/twitter/
「giftee」は、インスタントウィンキャンペーンツールです。抽選からデジタルギフトの付与まで一気通貫で実施できるのが特徴です。デジタルギフトとして、500種類以上の中からターゲットユーザーに合った賞品を選択可能です。
キャンペーンの応募条件は、「アカウントフォロー」「リツイート」「ハッシュタグ投稿」から自由に組み合わせができます。オプションをつけることで、当選商品を複数個設定したり、フォロー&リツイートに加えてアンケートへの回答を応募条件に設定したりすることもできます。
■停止予定のキャンペーンツール
boite(テテマーチ株式会社) ※2023年4月28日にサービス終了
「boite」は、Twitterに対応したインスタントウィンキャンペーンツールです。キャンペーン参加者の属性分析や、参加ユーザーの新規既存分析、獲得したフォロワーの定着率分析など、多角的にキャンペーンの効果を振り返ることができます。
また、企業の投稿に対するリアクションや、指定のハッシュタグを付けた投稿をしたユーザーに対してポイントを付与し、そのポイント数に応じて対象商品を変えるといったスキームが実施できるところがユニークです。DM内でチャットボットを活用したコミュニケーションも可能となっています。
抽選ったー ※2023年4月28日にサービス終了
https://lottritter.o-kami.com/
抽選ったーは無料で使える抽選ツールです。フリープランでは抽出件数が5,000件までに制限されているため、規模の小さいキャンペーンで抽選のみ自動化したい場合に適しています。
抽選キャンペーンへの応募総数が5,000件を超える場合には、機能制限が無い有料プランがおすすめです。
おわりに
ツールを導入することで、作業負担を軽減できるだけでなく、その分の時間を効果測定や分析、キャンペーン企画の立案などに充てられるようになります。また、工数削減により、人為的なミスを防ぐことにもつながります。自動化できる部分はツールに任せて、効率的にキャンペーンを実施しましょう。
おすすめするのは、自社開発のTwitterとInstagramに対応したSNSキャンペーン効率化ツール「ATELU」。大手企業様を中心に、年間1,879回のキャンペーンを実施し、98%の企業さまに継続いただいております(2021年実績)。ぜひ、ご検討ください。
※記事内で紹介したツールは機能の追加や変更が行われている可能性があります。最新の情報については、各社に直接お問い合わせください。

SNS運用コンサルタントとして様々な企業のSNSマーケティングを支援してきました。現在はマーケティングプランナーとして「We Love Social」の編集やセミナーの企画を担当しています。