ソーシャルメディアポリシー・ガイドライン作成のポイントと企業事例
TwitterやInstagramといったソーシャルメディアはいまや日常に欠かせないものとなっています。ソーシャルメディアの国内利用率は40%を越え、企業がマーケティング活動に利用することも少なくありません。ソーシャルメディアでの言及が発端になって、批判的に拡散される「炎上」によって、株価や会社のブランディングへの影響を及ぼす場合も出てきました。
この記事では、作成するポイントや企業の事例を紹介します。炎上を抑制する1つの対応策として、ソーシャルメディアポリシーやコミュニティガイドラインを活用していきましょう。
ソーシャルメディアポリシー・コミュニティガイドラインとは?
ポリシーやガイドラインには、社外向けと社内向けがあります。
■社外向け:「ソーシャルメディアポリシー」「コミュニティガイドライン」
明確に区分けされているわけではありませんが、大きく分けて社外向けに出されるものとしては「ソーシャルメディアポリシー(ガイドライン)」と「コミュニティガイドライン」の2つがあります。どちらも自社サイトなどで外部に公開することが一般的です。ポリシーやガイドラインという形でソーシャルメディア運用の方針を理解してもらい、誤解を防ぐ狙いがあります。
「ソーシャルメディアポリシー(ガイドライン)」とは、企業や従業員がソーシャルメディアを利用する際の指針やルールを解説したものです。公式アカウントの運用方法や発信内容、返信の対応などについて、公式アカウントのスタンスや心構えをまとめています。
「コミュニティガイドライン」とは、ソーシャルメディア上で自社に関わるすべての事柄に関して、免責事項や注意事項、削除方針などを記載したものを指し、媒体ごとに設定します。
■社内向け:「ガイドライン」「マニュアル」
社内向けのガイドライン(社内マニュアル)は、従業員や会社関係者向けに、ソーシャルメディアを個人で利用する場合の発信内容や姿勢、注意点をまとめたものです。
個人利用のためのポリシーであるため、必ずしも外部に公開する必要はありませんが、企業によっては公開しているところもあります。
事前に作成する目的
ポリシーやガイドラインを作成する目的は主に2つあります。リスク対策のひとつとして、欠かせないものになっています。
■炎上などトラブルを避ける
近年、企業のマーケティングとソーシャルメディアは切っても切り離せないものとなっています。たとえ公式アカウントを運用していないという企業であっても、従業員や会社関係者にひとりも個人アカウントを持っている人がいないという企業はないでしょう。また、ソーシャルメディア上で、第三者が自社に対する内容を言及する場合もあります。
ソーシャルメディアとの関わりを避けて通れない以上、常にどこかで炎上する可能性は否めません。ソーシャルメディアのアカウントがひとつもないと情報がうまく伝わらないことも増え、炎上リスクともなり得ます。
そのため、アカウント開設と同時にソーシャルメディアポリシーを作成し、企業としてのスタンスや何かが起きたときの対応方法を明示しておくことが重要です。企業の利益や信用を守り、トラブルを回避できるようにする第一歩となります。
■投稿を標準化して質を担保する
ソーシャルメディアを管理するチームはあっても、実際に運用している担当者は1人、ないしは数人という場合が多いようです。それゆえに、投稿内容やトーン&マナー、顧客への対応などは、属人化しやすくなります。炎上の火種となりうるクレームなどがあった場合、担当者の早計な判断で大炎上につながることも増えています。
そこで、ポリシーという形でソーシャルメディアの運用ルールを決めて仕組み化し、担当者やケースにかかわらず投稿内容や対応のクオリティが担保できるようにすることが大切です。
こうしたリスクマネジメントも含めたSNS運用の知識は、社団法人SNSエキスパート協会が提供する「SNSエキスパート検定」で体系的に学ぶことができます。初級では基礎的な知識、上級では実践的なスキルまで身に付けられるようになっています。
コカ・コーラシステム:指針となる価値基準を明記
コカ・コーラシステムとは、日本コカ・コーラ株式会社と、製品の製造・販売を行うボトラー社や関連会社などを合わせたものです。「各種ポリシー」として、「プライバシー/データ保護」と「ソーシャルメディア」を公開しており、そのうち、ソーシャルメディアに関するものは2つあります。ガイドラインやメディア運用の指針がしっかりと示されているのが特徴です。
- アルコールに関するSNSコミュニティガイドライン
- 責任あるデジタル・メディア指針
シックス・アパート:積極的な発信をうながすためのガイドライン
シックス・アパート株式会社では、社員や契約社員(アルバイト)、業務委託者などを対象にソーシャルメディアガイドラインを定めています。
同社では、関係者による個人での発信を推奨していることもあり、積極的な活用をうながすためのガイドラインでもあります。
例えば、個人のアカウントに同社の関係者と明記するかどうかは個人の判断ですが、明記する場合は、支障がない範囲で所属を正しく伝えること、会社としての正式な発言ではないことなどを定めています。同社のソーシャルメディアポリシーは、クリエイティブ・コモンズの「表示—継承の条件」(クレジットの表記、リミックス・改変した場合はその部分を同じ条件で頒布する)でクレジットのソースコードとあわせて公開されています。
シャープ:炎上やトラブルを避けるガイドラインの見本
公式Twitterアカウントの運用成功事例として有名な「@SHARP_JP」の運営に関して、アカウントの運用方針やほかのユーザーによるコメントなどの対応方針等を対外的に明示したものです。炎上やトラブルを避けるためのガイドラインの典型例とも言える内容となっています。
このガイドラインは、以下のような項目によって成り立っています。一般のユーザーが読むことを前提に、比較的分かりやすい文章で、簡潔に書かれていることがポイントです。
- 運営について
- 返信およびお問い合わせへの対応について
- フォローについて
- ご注意いただきたい事項について
- 禁止事項について
- 準拠法・裁判管轄について
- お問い合せについて
参考:シャープ 公式Twitterアカウント コミュニティ・ガイドライン
東海大学:手元においていつでも見られるエディトリアルデザイン
東海大学では、学生向けのソーシャルメディアガイドラインを、Webサイトにまとめています。「サークルでの活用」など、大学生ならではの活用を元に具体的に書かれています。
Webサイト内に書かれているソーシャルメディア活用ガイドラインのうち、個人での利用について読みやすくA4用紙2枚分にまとめられています。
両面印刷をして、3つ折にするとパンフレットのようになるようなエディトリアルデザインになっているのが特徴です。入学時などに資料として配布するといったことも考慮しているのかもしれません。困ったときの連絡先がすぐに見つけられるようになっています。
まとめ:ソーシャルメディアポリシー・ガイドラインを用意しよう
この記事では、ソーシャルメディアポリシーには、社外向けと社内向けがあることを解説し、実際の企業・団体事例を一部紹介しました。
ソーシャルメディアの利用に対する企業のスタンスや従業員への注意事項を明記することで、企業の利益や信用を守ることに役立ちます。特に、自社に非がない場合でも炎上リスクと隣り合わせとなっている昨今では、ソーシャルメディアポリシーやガイドラインを作成しておくことが求められます。
事例を見てわかるように、どのソーシャルメディアガイドラインも利用を禁止、抑圧するものではなく、むしろ積極的に活用するための行動指針や注意点を整理してまとめています。
We Love Socialを運営する株式会社コムニコでは、ソーシャルメディアポリシー・ガイドライン作成のサポートも行っています。大手企業を中心に1,800件以上のSNS運用支援実績(2023年3月時点)から、SNS運用にまつわるお悩みを解決してきました。
ソーシャルメディアポリシー・ガイドラインの作成をお考えの方は、「SNS運用支援についてのお問い合わせ」からお問い合わせください。
2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。