企業がSNSアカウントを運用する上で、出来るだけ避けたい「炎上」。今回はSNSを運用している担当者がおさえておきたい炎上の原因と対策についてまとめたいと思います。
炎上の3つの原因とは?
はじめに、炎上の原因から見てみましょう。大きく分けて、以下の3つの原因が考えられます。
1.従業員のSNS活用が原因
従業員による犯罪や迷惑行為を個人のFacebookアカウントやTwitterに投稿したり機密情報、顧客情報を個人アカウント上でつぶやくといったような行動があげられます。意図的かどうかにかかわらず、間違った情報を発信してしまうような、デマの発信も炎上につながる場合があります。自分がデマの発信元となることはもちろん、シェアやリツイートによる拡散だけでも炎上のリスクがあります。他者への暴言や極端に偏った政治的発言、差別的発言なども同様です。
これらの炎上は、従業員だけでなく、内定者の場合でも起こり得る可能性があります。
2.企業のSNS活用が原因
企業のSNS活用を大きく分けると、3つに分けられます。
1つは、SNS上でやらせやステルスマーケティングなど、批判されやすい活動を行ったことで起こる炎上があります。2つ目は、クレームなどが企業のSNSアカウントに投稿された時に、運用者側が誤った返信や対応をしてしまうことで炎上するケースがあります。3つ目は、投稿した内容が特定の視点(差別、政治、性的など)から批判されて炎上することがあります。
3.企業のビジネス活動そのものが原因
企業のSNS上の活動の話ではなく、オフラインの企業の活動が、SNSに飛び火した形を指しています。例えば、店舗で期待を大きく下回った対応などをした、通販で購入した商品が予定通り届かなかったといったことがSNS上で投稿されて炎上する、といったケースです。
こうしてみると、企業がSNSを運用しているかどうかにかかわらず、炎上が起こる可能性がある、ということがわかると思います。
炎上は起こる可能性があるもの。では予防と対策は?
さて、炎上が起こる原因を見てもわかる通り、FacebookページやTwitterをはじめとしたSNSのアカウントをどんなに慎重に運営していても、炎上は起こる可能性があります。それでは、対策はどのように考えればよいでしょうか。次に予防と対策について紹介します。
1.ルールを策定し、炎上の予防を
初めに、従業員や運用担当者向けのマニュアルを策定します。ここでは従業員や運用担当者が守るべきルールなどをまとめたものを指します。サンプルは「担当者のためのスタートアップガイド2017」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
2.策定したルールを定着させる
次に、研修・Eラーニングなどの各種キットを用意し、策定したルールが定着するようにしていきましょう。
3.起こってしまった場合の早期発見・早期鎮静化
炎上が起こってしまったときに慌てないように対処できる仕組み作りをしておく必要があります。例えば、エスカレーションフローの決定や監視サービスの導入による運用が考えられます。
Twitterでは、企業名、アカウント名、サービス名などの言及のボリュームを定期的にチェックしておくと、炎上の早期発見につながります。急激に言及が増える場合、Twitter上で話題になっているということですから、その原因を特定し、対応の有無を検討します。
参考までに弊社の「ユーザー投稿・コメントモニタリング (有人監視)」の事例を紹介します。
ガイドラインの策定や研修は数か月に1度ぐらいのペースで更新可能ですが、早期発見や監視は常に張り付いておかなければならないことを考えると、担当者が疲弊してしまう可能性もあります。
監視サービス導入は早期発見だけでなく、負担軽減としても力を発揮しますので、ぜひ活用することをお勧めします。
SNSの炎上原因と対策まとめ
炎上についてシンプルにまとめると、以下2つに集約されます。
1.炎上は注意しても起こる可能性があることを理解しよう
2.予め社内ルールを整備しよう
SNSをやっている、やっていないにかかわらず炎上は起こり得るものですが、予防策をつくり、ルールを定着化させることでスムーズな運営ができるよう心掛けていきましょう。
SNSの運用における、適切な担当分けや運用フローはとてもわかりにくいものですね。効率的な体制作りやスピーディーな運用フローに行き着くために模索している方も多いと思います。ここでは、さまざまなアカウント実績を持つコムニコが理想の体制図を紹介しているので、どうぞ参考にしてみてください。

株式会社深谷歩事務所代表取締役。ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援を行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、講演活動、動画制作も行う。またフェレット用品を扱うオンラインショップ「Ferretoys」も運営。
著書
『自社のブランド力を上げる! オウンドメディア制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さなお店のLINE@集客・販促ガイド』(翔泳社)
『SNS活用→集客のオキテ』(ソシム)
『小さな会社のFacebookページ制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さな会社のFacebookページ集客・販促ガイド』(翔泳社)