連載第2回ではFacebook、第3回ではTwitter、前回は、Instagramの投稿コンテンツ作成(ライティング)のコツをご紹介してきました。
最終回の今回は「総集編」として、SNSの種類を問わず参考にしていただける、SNSライティングのコツを「ネタ探し」から「炎上予防策」まで、まとめてご紹介します。
■目次
メリットいろいろ!コンテンツカレンダー
投稿アイデア~下書き~投稿案確定まで、あらゆるフェーズにおけるSNS投稿コンテンツを管理するのにお勧めなのが「コンテンツカレンダー」の作成です。コンテンツカレンダーには、以下のような項目を入力します。
- 投稿日
- 投稿時間
- ターゲット(どんな年代、性別、属性のファンに向けたものか、等)
- 投稿テーマ
- 投稿形式(1枚画像、複数枚画像、動画、投票機能、ストーリーズ、等)
- 投稿原稿(ハッシュタグやURLなども含む)
- 投稿画像(または動画)
- 備考(担当者間で共有しておきたい事柄、自分のための備忘メモなど)
毎月コンテンツカレンダーを作って活用することで、以下のようなメリットが得られます。
- SNS運用担当者が複数いる場合、情報共有やクオリティチェックがしやすい
- あらかじめ投稿スケジュールをしっかり決めて、事前予約などを進めることができるので、(自転車操業ではなく)計画的なSNSアカウント運用が可能になる
- 「必ずSNS投稿すべき日」(例:創立記念日、新商品発売日、自社商品と相性がいい記念日 など)を把握することで、うっかり投稿漏れを防ぐことができる
- 「SNS投稿を避けるべき日(炎上危険日)」(例:過去に大きな災害や事件、戦争などが発生した日。日本人の多くが悲しい記憶を呼び起こされる日)を事前に把握することで、うっかり投稿することによる炎上リスクを減らすことができる
コンテンツカレンダーのフォーマットは自由ですが、ExcelやGoogleスプレッドシートを使うケースが比較的多いようです。
※コムニコオリジナルのコンテンツカレンダー・テンプレートはこちらからダウンロードできますので、よろしければご活用ください。
ファン・フォロワーに喜ばれるコンテンツとは
SNSの投稿コンテンツを考える上で、目指すとよいのは「ファンやフォロワーを楽しませる投稿」「ファンやフォロワーに喜ばれる投稿」です。次に挙げる要素が1つ以上含まれるように意識してみてください。また、以下の要素単独でなく「自社のブランド/商品/サービス/キャンペーン/イベント」等の情報と組み合わせて投稿案をつくるように心がけましょう。
■タイムリーである
―投稿日にあったテーマ(記念日、季節ネタ)や、投稿時間を意識した内容が含まれている
―社会やSNSで話題になっているポジティブなニュースやトレンドが含まれている
■親しみやすい
―キャラクターやかわいい動物(子猫・子犬など)の画像を使っている
―「よい週末を」「あけましておめでとう」などあいさつが含まれている
―キャラクターの口調や親しげな文体で書かれている
■共感できる
―「おいしそう」「かわいい」「懐かしい」「すごい」「かっこいい」「感動した」「驚いた」「知らなかった」などのポジティブな感情を呼び起こす内容が含まれている
■役に立つ
―周囲に教えたくなる内容(豆知識・意外な使い方/食べ方・コツなど)が含まれている
―広めることで社会や周囲の人々の役に立つ内容が含まれている
■参加型である
―気軽に回答したくなるような選択式クイズやアンケートなど「問いかけ」が含まれている
投稿ネタ探し~投稿案作成へ
コンテンツカレンダーを用意したら、以下の流れで投稿案作成を進めてみてはいかがでしょう。
タイミングとしては、投稿予定日の1か月~2カ月前から準備を始めるのがお勧めです。
- 当該月の「必ずSNS投稿すべき日」「SNS投稿を避けるべき日」を記入
- 1.以外でSNS投稿をおこなう日・テーマなどを決める
- 2.で決めたテーマをもとに、ライティングに必要な詳細情報を収集する・投稿用画像(動画)を準備する
- 文字数/ハッシュタグ/そのアカウントのトーン&マナーなどにも気を付けながら、投稿案を作成する
SNS投稿をおこなう日・テーマなどを決める時に、複数名での「編集会議」や「ブレーンストーミング」を行うケースも多いです。効率よく進めるためには、事前にコンテンツカレンダーを共有し会議までに各々がアイデアを考え持ち寄る形式がお勧めです。
「その月に予定されている国内外イベント」や「その月の記念日」などは、検索して効率よくネタを集めましょう。
ネタ探しにお勧めのサイト/アプリをいくつかご紹介しておきます。
・Twitterモーメントカレンダー
・内閣府「『国民の祝日』について
・PR CALENDARアプリ
入念な校正・校閲で炎上予防
「原稿案ができた!」とうれしくなってそのまま投稿する…というのは炎上リスクがありますので避けましょう。(実際、企業の公式SNSアカウントの投稿がきっかけでの「炎上」は毎月のように発生しています)お勧めなのは、慎重すぎるくらいのWチェック(校正・校閲)です。できれば、ライティングした人とは別のメンバー、可能なら年齢や性別などの属性が異なるメンバーにチェックしてもらいましょう。
以下に、簡易版チェックリストを載せましたので参考になさってください。
◆チェックリスト(表現編/校正)◆
□誤字・脱字・衍字(余り字)のチェック
□外国語のスペルチェック
□機種(環境)依存文字のチェック
□固有名詞のチェック
□URLのチェック
◆チェックリスト(内容編/校閲)◆
□正しいか(間違っていないか、だまされていないか)
日付、人名、地名、固有名詞など
フェイクニュースではないか
□法令順守しているか
「著作権」「商標権」「肖像権」「薬機法」「景品表示法」など
□誤読される可能性が低いか
例:「週末」(→金曜のこと?土日のこと?金土のこと?)
□不快に感じさせないか
差別的表現、センシティブな表現
□炎上しやすいトピックを含んでいないか
SNSエキスパート協会が定めている「炎上さしすせそ」を含んでいないか
さ:災害・差別
し:思想・宗教
す:スパム・スポーツ・スキャンダル
せ:政治・セクシャル(含LGBT)
そ:操作ミス(誤投稿/誤爆)
Wチェックは、いわば「最後の砦」です。できれば投稿案は紙にプリントアウトし、落ち着いた環境でおこないましょう。まずは一文字一文字をチェック(校正)。次に「厳しい読者になったつもりで」内容をじっくりチェック(校閲)しましょう。
投稿案確定!いよいよ世に向けて発信
厳しいWチェックをクリアしたら、「投稿案」を確定させ、投稿予約/投稿をおこないましょう。
この時も、ミスは許されません。「アカウントを間違えていないか」「投稿予約日時を間違えていないか」Wチェックしてもらうことがお勧めです。
まとめ
「プロが教えるSNSライティングのコツ」最終回は、総集編として「コンテンツカレンダー作り」「ネタ探し~ライティング」「Wチェック」まで、SNSライティングのお勧めの進め方を駆け足でご紹介しました。SNS運用担当者のみなさんのご参考になれば幸いです。
最後までご愛読いただき、誠にありがとうございました!
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東京大学 文学部卒。中学高校教諭第一免許状(国語)取得。
外資系IT企業にて、技術者向け研修や資格試験の立上げ、教材作成、講師育成、講義などを担当。その後はマーケティング、パートナービジネス部門などを歴任。
2013年にコムニコに入社。数多くの企業のSNSマーケティングを支援することで得た豊富な知見とノウハウを積極的に発信し、SNSマーケティングの正しい知識の啓蒙や業界発展に努めている。
2016年11月、一般社団法人SNSエキスパート協会代表理事に就任し、「SNSエキスパート検定」講座/試験の実施を通して、SNSマーケティングの正しい知識を持つ人材育成にも努めている。
<著書>
『ファンを獲得! Facebook投稿ノウハウ』(翔泳社・共著)
<メディア掲載・寄稿実績>
フジテレビ「ノンストップ!」内コーナー「井戸端Q~SNS炎上~」
ZDNet Japan 連載「ざっくりわかるSNSマーケティング入門」
ZDNet Japan 連載「ざっくり解決!SNS担当者お悩み相談室」
ZDNet Japan 連載「炎上から会社を、社員を守る! SNSリスクマネジメント講座」
Web担当者Forum「SNS運用に役立つ投稿事例&プロが教える企画・アイデアの作り方」
Web担当者Forum「ステップ・バイ・ステップで始める! 企業のInstagramマーケティング」