Threads(スレッズ)2周年記念!最新動向や今後の戦略は?Meta開催イベントレポート
Metaが運営するテキスト共有アプリ「Threads(スレッズ)」が、2025年7月に2周年を迎えました。
同月、それを記念してメディア向けのイベントが開催され、Metaの担当者からThreadsの最新動向や今後の戦略の紹介、そして3名のゲストによるトークが行われましたので、その模様をレポートします。
ゲストトークには、Threadsをサービス開始初期から使用しているクリエイターとして、イラストレーターのうのき氏、アパレル企業の社員であるバヤコ氏、スポーツインフルエンサー/モデルのさゆぴんこと木下紗由莉氏が登壇。2年を経て感じるThreadsの変化や活用方法について語りました。
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そもそも、Threads(スレッズ)とは?現在の利用状況
Threads(スレッズ)は、Metaが2023年7月6日にローンチしたテキスト共有アプリです。「建設的で意味のある会話を安心して楽しめる、新たなテキストベースのプラットフォーム」というコンセプトで開発されました。
Threadsのグローバルでの月間アクティブアカウント数は3.5億超。(2025年3月時点)
1年目だけでなく2年目も順調にアカウント数を伸ばしており、1年前と比較して倍以上に増加しています。
日本におけるアカウント数は明らかにされていませんが、日本では特に活発に使われており、Threadsの成長戦略の中でみても日本は非常に重要なマーケットの一つとして捉えられています。
Instagramとの差別化が進むThreads、コミュニケーションのための利用が盛ん
Threadsを利用するには、Instagramのアカウントが必要です。
そのため、ThreadsはInstagramの延長線上にあるアプリであるという印象を持っている人が多くいます。しかし、最近のThreadsは、少しずつ独立したアプリに近づきつつあるようです。
たとえば、Threadsを毎日のように活発に利用しているユーザーの3分の1は、ThreadsとInstagramでフォローしているアカウントの大半が異なっていることが分かっています。同じユーザーであっても、ThreadsとInstagramを使い分けて、異なるコンテンツを楽しんでいるわけです。これは、Instagramの延長線上というよりも、Threadsならではの楽しみ方を見つけていると言うことができます。
また、投稿する場合においても、同じユーザーがThreadsとInstagramで異なる内容を投稿しているケースが多く見られています。
Threadsならではの特徴とは?コメントを活用
Threadsならではの利用傾向の特徴は、Threads全体の閲覧数のうち、50%を返信の閲覧数が占めていること。これは、ユーザー同士の交流や会話のやりとりが活発であることを示しています。
Threadsは、コンセプトにも「建設的で意味のある会話を安心して楽しめる」とあるように、一方的に発言するのではなく誰かの発言に対して返信がつき、そこから会話のキャッチボールが生まれるプラットフォームであると言えます。
Metaの開発方針としても、こうした会話のやり取りを通じて、さまざまな興味関心や視点を持つ人たちが交流する場所にしていきたいと考えているそうです。
また、ユーザー数の拡大に応じて興味関心を軸としたコミュニティの幅も広がり、現在、コミュニティはスポーツや音楽、エンターテインメント、ファッション、お笑いなど、多岐にわたっています。
Threadsはリアルタイム性の高いプラットフォームであるため、スポーツファンが注目する試合や大会、有名な音楽アーティストの公演や音楽フェスなどのイベントが開催されたタイミングに、プラットフォーム全体の会話量やエンゲージメントが増加する傾向も見られています。
日本では、特に音楽やエンタメに関するコンテンツが注目を集めているとのこと。人気の音楽アーティストの番組出演やライブ配信、ライブのチケット抽選発表などが行われると、そのアーティストに関連するワードが話題のトピックに登場します。近年盛り上がりを見せる、いわゆる「推し活」に利用しているユーザーが多く、同じアーティストのファン同士の交流も盛んです。
Threadsに追加された新機能
Threadsは、ユーザーのフィードバックを積極的に受け入れながら、新しい機能の開発を進めています。たとえば、最近では次のような機能が新しく追加されました。
①ネタバレ防止機能
Threadsでは、エンタメに関する投稿が人気であることから、話題のテレビや映画などについての投稿を行う際に、まだ見ていない人がストーリーやオチをうっかり知ってしまわない(ネタバレしない)ように、文章や画像をぼかして投稿できる機能が実装されました。
②メッセージ機能
メッセージ機能とは、ダイレクトメール(DM)の機能のこと。もともとThreadsにはDMの機能がなかったため、Threadsのユーザーとコンタクトを取りたい場合もInstagramのDMを使用する必要がありました。しかし、ようやくThreadsにもDMの機能が付与され、Threads上でメッセージのやりとりができるようになりました。
現時点では1対1のやりとりしかできませんが、今後もフィードバックをもとに少しずつアップデートされていく予定となっています。
③カスタムフィルター機能
これは、特定のキーワードや絵文字を指定しておくと、それを含むコンテンツやコメントが非表示になるという機能です。
これまでもフィルター機能はありましたが、設定できるワードはInstagramと共通で、Instagramでワードを設定するとThreadsにも反映されるという形でした。しかし、アップデートによって、InstagramとThreadsで別々のワードを設定できるようになりました。
さらにThreadsでは、フィルターを複数作成して、好きなときにオンオフができるようになりました。また、フィルターを適用する対象を決めることができたりと、より詳細な設定ができるようになっています。言われたら気分を害するようなコメントだけでなく、ネタバレの投稿を避けるといったことにも便利に活用できます。
Metaの取り組み:コミュニティのサポート活動
Metaは、興味関心を軸に集まるコミュニティが、より盛り上がるようなサポートも行っています。
2025年5月には、国内最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」とのコラボ企画として、Threadsを活用したキャンペーン「スレッズで推しPOP」を実施しました。これは、「MUSIC AWARDS JAPAN 2025」にノミネートされた作品への思いをThreadsに投稿することで、ファン同士がお互いにつながったり、好きなアーティストを他のユーザーに布教したりして、アワードを一緒に楽しもうということを目的としています。
他にも、たとえば2025年7月下旬に開催の音楽フェス「Fuji Rock Festival」に出演するアーティストのNight Tempoさんが、6月に開催された「Fuji Rock Festival プレイベント」に合わせて、Threads上でファンからの質問に答えるという企画を実施。ファンとアーティストが直接交流できる機会を提供することで、フェス本番への盛り上がりを醸成しました。
Metaが今後、Threadsで注力する3つの柱
Threadsは、今後開発に注力していくポイントとして、大きく3本の柱を掲げています。
それは、「パーソナライゼーション」と「コミュニティ」と「クリエイター」です。
現段階ではまだ検討段階とのことですが、具体的に以下のような機能の開発を考えているそうです。
◼︎パーソナライゼーション
ユーザー一人ひとりの興味関心に沿って表示をパーソナライズし、そのユーザーが見たいと思う投稿をいつでも簡単に発見できるようにすることを目指しています。
具体的には、検索機能の強化や、フィードに表示する投稿のアルゴリズムの改良、自分で好きなテーマを決めてフィードを形成することができるカスタムフィードなどの導入が検討されています。すでに、ディープラーニング技術を用いた大規模言語モデル(LLM)を活用してユーザーにおすすめする投稿の質を上げたり、話題になっているテーマに関する投稿の表示内容を改善・拡大したりといった取り組みが行われています。
◼︎コミュニティ
興味関心などを軸につながるコミュニティは、Threadsにおいて非常に重要な役割を担っています。そのため、コミュニティを通じてユーザー同士が交流したり、自分の視点を気軽にシェアしたりできるようにする機能の開発は、Threadsの注力エリアとして重視されています。
具体的には、フィード上にコミュニティランキングを導入して、同じコミュニティ内の人たちが見ている投稿を発見しやすくしたり、コミュニティ形成に貢献している人たちがもっと可視化できるようバッジのようなものを表示したり、コミュニティ内だけで使える絵文字を選べるようにしたり、LLMを活用してコミュニティ内の会話を要約できるようにしたりといったことが検討されています。
◼︎クリエイター
クリエイターは、Instagramと同様に注力していく分野として重視されています。
具体的には、クリエイターが新しいオーディエンスを見つけて存在感を高められるようにする取り組みや、投稿やアカウントのパフォーマンスが見られるインサイト機能のアップデート、クリエイターが自分自身のアイデアや考えを自分らしく表現できるツールの強化などを行っていくとしています。
クリエイターのThreads活用法
イベント後半では、3名のゲストによるトークが行われました。Threadsサービス開始初期から活用してきているクリエイターの方々が登壇しました。
- イラストレーター うのき氏
- アンドエスティ社員 バヤコ氏
- スポーツインフルエンサー/モデル 木下紗由莉(さゆぴん)氏
中でも、うのき氏はThreadsのフォロワーが10万人を突破するなど、注目を集めています。そうしたクリエイターが、普段どのようにThreadsを自身の活動に生かしているのか、Threadsの2年間の変化をどう感じているかなどについて話しました。
クリエイターそれぞれのThreads活用法
うのき氏は、毎日2時間に1回の頻度で投稿を行う、ヘビーThreadsユーザー。
絵日記感覚で、思いついたことや日々のできごとをイラストと文章で投稿しています。Instagramでは育児をテーマとするアニメーションやマンガを投稿することが多い一方、Threadsでは育児も含めた幅広いテーマで投稿を行っていることに加え、テキストで伝える分量も多いことから、よりフォロワーに自分の内面を深く知ってもらえている実感があるそうです。
バヤコ氏は、Instagramでは本業であるファッション関連の投稿や配信をメインで行っていますが、Threadsでは心のうちを明かしたり、そのとき起きたできごとを書いたりと、大きく使い分けています。
また、Instagramでは洋服のビジュアルや顔を見せることを重視していますが、Threadsはテキストのみの投稿で、フォロワーを楽しませる内容や書き方の工夫も行っています。
さゆぴん氏は、Instagramにはスポーツ関連の動画をメインに投稿している一方、Threadsでは自身の内面を積極的に見せるようにしているとのこと。
もともとSNSで自分の内面を出すことにとても抵抗があったそうですが、濃いファンをつくりたいとの思いからそうした投稿を行い、ファンの共感を呼んでいます。
クリエイターが感じるThreadsの特徴
先述したように、Threadsは返信の閲覧数が50%を占めています。それに表されるように、クリエイターの皆さんの投稿にも返信(コメント)が多く、そこからやり取りが発生することも多いようです。コメント内でユーザー同士が教え合うコミュニケーションもあり、疑問に応える前に解決している場合もあると言います。
また、見たくないコメントにはフィルターをかけて非表示にできることも好評で、X(Twitter)と比較しても、より会話やコミュニケーションが楽しめるツールだと語られていました。なお、コメントキーワードやアカウントのフィルタリング機能はこれまでInstagramと同じものが使用されていましたが、InstagramとThreadsで分けて使用できるようになります。
2年間でのThreadsの変化
2年間でThreadsのユーザーが増えたことから、情報収集がしやすくなったと、うのき氏。好きな格闘技の試合結果や、地元の情報をThreadsでよく検索しているそうです。
自身がイベントを開催する際にも、「Threadsを見て知りました」という方が増えていると語り、「認知」への強さを感じているようです。
さゆぴん氏は、Threadsでは幅広いジャンルの情報を目にする機会が多く、自身がこれまで触れてこなかった話題やトピックを知るいい機会になっていると語りました。バヤコ氏もそれに頷き、「フォローしていなくても、自分が知りたいと思う情報が流れてくる、自分が興味を持つ範囲が広がる新しい発見があるのが楽しい」と笑顔を見せました。
まとめ
2周年を迎え、順調にアカウント数を伸ばすThreads。
特に日本人は、テキスト中心のSNSを好む傾向にあり、Threads自体も日本市場を重視していると話していることから、今後も国内でのThreadsの利用拡大が期待されます。
また、Threadsの機能開発は、ユーザーのフィードバックを非常に参考にしているとのこと。現時点でもコミュニケーションが楽しい、居心地の良いSNSと評判ですが、今後ますます利用しやすくなっていくと考えられます。
ThreadsはInstagramのアカウントがあれば、簡単に利用を開始できます。自社で運営しているInstagramのアカウントがあるのであればThreadsも活用し、フォロワーにより多面的なアプローチを行ってみてはいかがでしょうか。
リソースが足りないという場合や、InstagramとあわせてThreadsも運用してみたいけれどノウハウがないという場合は、株式会社コムニコにご相談ください。
コムニコでは、ThreadsやInstagramの運用代行、広告配信、キャンペーンの実施、インフルエンサーの起用など、企業のSNS運用課題を様々な形でご支援をしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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フリーランス編集者として大手出版社の雑誌・書籍を担当後、コムニコへ。SNSコンテンツクリエイターとして、高知県観光のSNS支援では9ヶ月でフォロワーを約15倍に拡大など、さまざまな業種のアカウント支援を担当。「We Love Social」では、編集長として100以上の記事を執筆し、メディアを月間最大37万PVに成長させた。本質的な信頼を育む「ラバブルマーケティング」を実践する、SNSエキスパート協会認定講師(SNSエキスパート検定上級資格保有)。