現代のビジネスにおいて欠かせない存在となったソーシャルメディア(SNS)。
特に企業は、情報の発信やブランドイメージの構築、消費者とのコミュニケーションを実現するツールとして、積極的にSNSを活用しています。しかし、気軽にアカウントを作成できる一方、担当者の独断によって不適切な発言をしてしまったり、運用が属人化してしまい思うように成果が出せなかったりと、ガバナンスの欠如による機会損失も起こっています。
この記事では、企業がソーシャルメディアを活用する際のガバナンス欠如によるリスクと対策について解説します。
ソーシャルメディア(SNS)のガバナンスとは
ガバナンス(Governance)とは、英語で「統治」「管理」「支配」などを意味する言葉です。
ビジネスにおいては、コーポレートガバナンス(企業統治)などの言葉で使われ、企業経営が透明・公正かつ迅速な判断において運営されるよう、統制する仕組みのことを指します。
ソーシャルメディアにおけるガバナンスとは、企業がSNSを活用するにあたり、その方針や基準を定め、全社を通して適切に運用が行われる仕組みを構築することです。ガバナンスの強化によって、炎上のリスクを低減し、SNSの効果を高め、ブランド価値を上げていくことが可能になります。
企業も複数アカウント運用が当たり前の時代に
現在、私たちの身近なブランドのほとんどがSNSを活用し、消費者とコミュニケーションを取っています。
実際にソーシャルメディアマーケティングの市場規模はここ数年間拡大を続けており、この先も毎年110%以上で成長し続けると予想されています。
2022年国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査(サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ)
以前は企業単位で開設されていたアカウントも、ジャンルやブランド、目的などにあわせて部署ごとに開設されるようになり、1企業で複数アカウントを持つことも一般的になりました。
アカウントの数が増えると運用を担当するスタッフの数も増え、様々な考えで発信が行われるようになります。多様な発信がブランドの成長に寄与する一方で、ルールのない運用は予期せぬ炎上やブランド毀損につながる恐れもあります。こういったトラブルを避け、SNSを適切に運営していくためにも、企業はSNSアカウントを管理・統制し、ガバナンスを強化していく必要があるのです。
SNS管理体制が整っていないことで予期されるリスク
では、SNSの管理体制が整っていないと、具体的にどういったリスクがあるのでしょうか。想定されるリスクをひとつずつ見ていきましょう。
不適切な発信が行われる恐れがある
アカウントが適切に管理されていない場合、運用が属人化してしまい、企業として発信すべきでないことを投稿されてしまうリスクがあります。
例えば、ユーザーとのコミュニケーションの中で配慮に欠けた発言をしてしまったり、担当者個人の意見を企業アカウントで発信してしまったりして、炎上に発展した事例も少なくありません。また、担当者がプライベートのスマホから投稿を行い、個人のアカウントと間違って投稿してしまう「誤爆」も起こる可能性があります。
アカウントが乗っ取られる危険性がある
パスワードの管理ルールやログイン時の認証ルールを定めていない場合、パスワードが流出し、アカウントが乗っ取られるリスクもあります。アカウントが乗っ取られると、公式になりすまして自社とはまったく関係のない投稿が行われる、フォロワーに不利益を被るようなメッセージを送信されるなど、その被害の大きさは計り知れません。また、アカウントが乗っ取られ、パスワードも変えられてしまった場合、おそらくアカウントを取り返すことは難しいでしょう。
公式アカウントが乱立してしまう
アカウントの管理ルールが定まっていないことで、同じようなアカウントが複数作成されてしまう恐れもあります。アカウントが複数存在すると、ユーザーはどれが公式か迷ってしまい、フォロワーが分散してしまう可能性があります。
よく起こりがちなトラブルとしては、アカウントはあるのにパスワードがわからない、誰が管理しているかわからないという状態に陥ってしまい、アカウントの運用も削除もできなくなってしまうパターンです。こうなってしまうとアカウントを別で立ち上げるしか手はなく、アカウントが乱立する状態になってしまいます。
アカウントが放置されてしまう
アカウントを開設したはいいものの、コンテンツが枯渇し、投稿が止まってしまう事態もひとつのリスクです。SNS運用は他の業務と兼業で担当されることも多いため、他の業務が忙しくなり、手が回らなくなってしまうのは仕方がないことかもしれません。しかし、投稿を楽しみにしているフォロワーのためにも、また、アカウントや事業の成長のためにも、定期的な投稿は行うべきです。何のお知らせもなく投稿が止まってしまったアカウントは、フォロワーの印象も下がってしまい、ブランド毀損につながる恐れがあります。
時間ばかり取られて成果が出ない
もっとも懸念すべきは、「成果が出ない」ことです。
なんとなくアカウントを開設し、なんとなく情報発信をしていては、時間ばかり取られて成果を出すことはできません。SNS活用を成功させるには、アカウントの目的や目標値(KGI・KPIなど)を適切に定め、計画的に運用していくことが重要です。
また、同じ社内に成果が出ているアカウントがあっても、管理体制が整っていないと、そのノウハウが共有される機会もなくなってしまいます。分散しているノウハウを集約し、全体へフィードバックしていくことで、全社的な成果を上げることが可能になります。
こういったリスクの対策として、企業はSNS活用に関するガイドラインを定めることや、適切な管理体制を整えていく必要があります。次の章では、具体的にどういった対策を取るべきかを解説します。
SNSのガバナンス強化のために企業が行うべきこと
ガバナンスの強化は、SNS活用の成果を最大限に引き出し、リスクを最小限に抑えるために不可欠です。具体的には、以下のような対策を行うことを推奨します。
全SNSアカウントを管轄する部署を立ち上げる
まずは、担当部署を決めることです。
新たにチームを立ち上げるか担当組織を決めるなどして、SNSに関して責任を持つ部署を定めましょう。SNSは広報部門やデジタルマーケティング部門などで活用されていることが多いので、そういった部門の担当者にて組織することが多いようです。
企業としてのルール(ガイドライン)を定める
管轄部署が決まったら、ルール作りを行います。具体的には、以下のような事項を定めておくと良いでしょう。
- 企業としてのSNS活用方針
- 公式アカウント運用時の留意事項
- アカウント新規開設時のルール
- アカウント停止時のルール
- 運用体制のルール
- ログイン方法やパスワード管理のルール
上記はあくまで例であり、定めるべきルールは業種や企業の体制によっても異なります。
前項の体制構築やルールの策定は専門の代理店に相談することもできますので、困った時はSNSマーケティングに詳しい代理店へ相談してみましょう。
>> SNSに関するご相談は SNSマーケティングの総合代理店「株式会社コムニコ」へ!
アカウントをモニタリング(監視・統制)する
ルールを決めたあとは、適切に運用が行われているかどうかをモニタリングします。ガバナンスの強化にあたっては、このモニタリングを無理なく継続できる体制を整えることが、もっとも重要であると言えるでしょう。主に行うべきことは、「投稿のモニタリング」と「成果のモニタリング」です。
投稿のモニタリングでは、主に以下のような確認を行います。
- 不適切な発信が行われないよう、公開前にチェックする
- 投稿後は、過剰なリアクションがついていないかをチェックする
- 投稿が定期的に行われているかをチェックする
管理するアカウントが多くなると、すべての投稿を管理部署のみで事前確認することは困難になるため、実運用を行っているチーム内でチェックできる体制を整えておくことも重要です。その際、承認者はどういった点を確認すべきかなど、細かくルールを定めておくと良いでしょう。
また、後述するような承認フローを持ったツールを導入することもおすすめです。「原則としてツール経由以外の投稿を禁止する」ようなルールを定めておけば、プライベートのアカウントと間違って投稿してしまう、いわゆる「誤爆」も防ぐことができます。
成果のモニタリングでは、以下のような確認や対応を行います。
- 週次や月次でインサイトやアナリティクス、または担当者から提出されるレポートを確認
- 伸びているアカウントがあれば、そのノウハウを社内に共有
- 伸びていないアカウントがあれば、フィードバックを行う
- SNSの最新情報やトレンドを担当者へシェアする
週次や月次で数字を確認し、伸び悩んでいるアカウントにはアドバイスを行うようにしましょう。管理しているアカウントで成果が出ているアカウントがあれば、そのノウハウを社内に共有することで、全社的なスキルアップが期待できます。また、そうやって事例をシェアすることで運用担当者のモチベーションも上がり、SNS活用の活性化にもつながるでしょう。
なお、こういった大規模なモニタリングを行う場合は、SNS管理ツールを導入することで大幅に手間を削減できます。次の章では、モニタリングに便利なツールと、実際の導入事例をご紹介します。
複数アカウントをモニタリングできるSNS管理ツール
株式会社コムニコが提供する「コムニコ マーケティングスイート」は、投稿の予約や管理、アカウントの分析等に対応したSNS管理ツールです。これまでに4,000アカウント以上の導入実績があり、中小から大手まで様々な企業にご活用いただいています。対応プラットフォームは、Instagram、X(Twitter)、Facebookの3媒体です。
実際にどのような使い方ができるのか、ガバナンス強化を目的としてコムニコ マーケティングスイートをご導入いただいている、某大手企業様の事例をご紹介します。
業種・社名 | 非公開 |
SNSアカウント数 (マーケティングスイートへの 登録数) |
約240アカウント --- 内訳 --- Instagram:60アカウント X(Twitter):110アカウント Facebook:70アカウント |
マーケティングスイート利用者数 | 約800人 |
運用体制 |
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<各事業部側での活用>
実運用を担当している事業部側では、投稿機能と分析機能を活用。
社内ルールとして、コムニコ マーケティングスイートを介さない投稿の公開は原則禁止となっているため、ツール上で投稿を作成し承認・公開まで行っている。投稿予約の際は最大3段階の承認フローを設定でき、スマートフォンから投稿の作成・承認を行うことも可能。
また、フォロワー数の確認や投稿の分析には自社分析機能を使用。事業部ごとに異なる指標を追っているため、アカウントの目標に合わせて分析画面をカスタマイズできる「サマリー」を使用し、必要な数字がすぐ確認できるように設定している。
<管理部門側での活用>
アカウントを横断で確認できる「全アカウント一括分析」を主に活用。
週次または月次で全アカウントのデータ一覧を確認し、投稿の頻度が少ないアカウントはないか、成果の落ちているアカウントはないかを確認。投稿頻度が下がっているアカウントがあれば、状況の確認やフィードバックを行う。
また、一括分析の「投稿」機能を使って反応の良い投稿を見つけ、社内にシェアする活動も行っている。このタブではツールに登録されている全アカウントの投稿を抽出し、反応の多い順やリーチの多い順などで自由に並べ替えることができるため、簡単に好事例を探し出すことができる。
その他、コムニコのカスタマーサクセス担当と連携し、SNSの最新情報やコムニコが実施しているセミナー情報などを共有し、各担当者へシェア。会社全体のSNSスキル向上をはかっている。
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以上のように、コムニコ マーケティングスイートを導入することで投稿と成果を適切にモニタリングできるようになります。
コムニコ マーケティングスイートのおすすめポイント
大規模なアカウント管理にコムニコ マーケティングスイートをおすすめする理由は、機能以外にもあります。
UIがわかりやすい
事例でご紹介した企業様のように数百名規模でツールを利用する場合、ツールの「使いやすさ」はとても重要なポイントです。運用担当者の中には、SNSを使い慣れていない人、ツールの利用が苦手な人などもいることが予想されます。誰にとってもわかりやすく、操作性の高いツールを選ぶことで、その後のフォローアップの手間も大きく変わってきます。「使いやすさ」は、管理の規模が大きく、ツール利用者が増えるほど、重視すべきポイントになるでしょう。
サポートが充実している
コムニコが提供するプロダクトにはすべてチャットサポートが備わっており、使い方や不具合に関する質問はすぐにチャット上で回答を得ることができます。特にツール利用者が多い場合、管轄部署が窓口となって質問対応を行うと、それだけで業務がパンクしてしまう可能性もあります。利用者から直接プロダクト側へチャットで質問ができる環境なので、そういった手間もありません。
また、カスタマーサクセスチームによるサポートもあり、運用に関するアドバイスやSNSに関する最新情報の提供なども行っています。
セキュリティ面でも安心
コムニコ マーケティングスイートは4,000アカウント以上の導入実績(2023年9月時点)があり、セキュリティ面に厳しい金融機関・官公庁・大手上場企業などでも導入されています。ご依頼に応じて、セキュリティ要件の確認などにも対応しています。
エンタープライズプランがある
20アカウント以上管理する企業様向けには「エンタープライズプラン」をご用意しており、通常よりもアカウントあたりの料金が割安でお使いいただけます。エンタープライズプランの詳細については、こちらからお問い合わせください。(お問い合わせ欄に「エンタープライズプランの詳細を希望」とご記入いただくとスムーズです)
まとめ
SNSが普及し、企業のSNS活用も一般的になりましたが、企業アカウントとしてのノウハウを持っている人は、実はそれほど多くはありません。社員個人の判断にまかせたSNS運用は、炎上の可能性やブランド毀損のリスクを伴います。
ブランドや事業部ごとに立ち上げられたSNSアカウントを適切に管理していくことは、企業にとってこれからますます重要な課題になっていくでしょう。
SNSのガバナンスを強化するには、管轄部署を立ち上げ、ガイドラインを作り、適切に運用されているかを監視・統制していくことが重要です。ガイドラインや体制作りにお悩みの場合は、実績豊富なSNSマーケティング専門の代理店である株式会社コムニコへご相談ください。お悩みに合わせて、最適な支援をご提案いたします。
モニタリングにおけるアカウントの管理に手間がかかりすぎている、という場合は、コムニコ マーケティングスイートのようなSNS管理ツールの導入も検討しましょう。アカウントを一括で管理でき、大幅に手間を削減できるはずです。
2011年、株式会社コムニコへ入社。セールス・コンサルタントとして、業種・業界問わず多くの案件を担当。2019年よりマーケティング領域も兼任し、コンサルタントとしての経験を活かした運用担当者目線のマーケティングを行っている。