検索やハッシュタグフォローなど、Instagramを利用するユーザーにとって「ハッシュタグ」は求めるコンテンツを見つけるために非常に重要な存在です。投稿の露出を増やすために効果的なハッシュタグを選定し、いかに使うべきか、お悩みのマーケティング担当者も多いでしょう。
この記事では、ハッシュタグについての基本的な知識を中心に、Instagramでのハッシュタグの選び方やハッシュタグをうまく使いこなしている企業事例をご紹介します。
ハッシュタグ(#)とは
ハッシュタグとは、番号記号「#」(ハッシュ)の後ろにキーワードとなる言葉を入れたものです。
ハッシュタグは、SNS上の情報を整理するため、2007年にクリス・メッシーナ氏がTwitter(現X)で提唱したことをきっかけに、主要なSNSで使用されるようになりました。
ハッシュタグには、地名やブランド名のような固有名詞に加えて、モーメントや感情を表すフレーズなど幅広く使われています。多くのSNSでハッシュタグはリンクが付与されており、クリックすると同じハッシュタグを使っている投稿を一覧で表示できるようになっています。
SNSで情報を検索するユーザーが増え、検索キーワードとしても利用されています。
Instagramにおいてハッシュタグは最大30個、文字数上限は、Androidで150文字、iOSで99文字までとなっています。
SNSによって異なるハッシュタグの使い方
ハッシュタグは、多くのSNSで利用できますが、特にInstagram、X(Twitter)での活用が顕著です。しかし、2つのSNSでは若干、ハッシュタグの使われ方のニュアンスが異なります。
X(Twitter)はリアルタイム性の高いSNSであることから、共通のタイミング、同じ時間を過ごしていることを共有するようなハッシュタグが使われる傾向がある一方、Instagramでは撮影対象を明示したり、趣味嗜好や所属コミュニティを表すために使用される傾向があります。
■X(Twitter)でよく使われるハッシュタグ例
テレビ放送で同じ時間を共有する #バルス #音楽の日
関心の高い記念日を投稿する #猫の日 #ツインテールの日
今、起きていることを共有する #地震
ハッシュタグの後ろにオリジナル画像がつくハッシュフラッグ(ブランド絵文字)でお祭り感を演出することも。
■Instagramでよく使われるハッシュタグ例
コンテンツ対象との関連性を明示する #ブランド名 #商品名 #地名
(趣味や所属示すコミュニティハッシュタグ #○○好きさんと繋がりたい #ちーむyymm #○○部)
Instagramでは、フォロワー以外のユーザーにも投稿を見つけてもらいやすい状態にすることが大切です。基本的にハッシュタグは、コンテンツを見つけやすくするひとつの手段として考えておきましょう。そのため検索しやすい、わかりやすいキーワードを設定することが必要です。
なお、「ジャンル認知」「ハッシュタグは3-5個」とするようないわゆる「ハッシュタグハック」はないとMetaは明言しています。
Instagramハッシュタグ選定の考え方
ハッシュタグは、投稿したコンテンツに関連しているかどうかが最も重要です。1つの投稿に付与できるハッシュタグ数は30個までで個数によるアルゴリズムへの影響はありません。「3-5個にすべき」という話もありますが、数を絞り込むことではなく、関連性が高いものを選択することが重要です。
現在はハッシュタグを設定しない場合であっても検索キーワードやおすすめでの露出の可能性がありますが、日本市場においてはコミュニティを示すハッシュタグなどの利用もあります。もちろん、30個全て考え抜いたハッシュタグを用意する必要はありませんので、ぜひ活用しましょう。
ハッシュタグの付け方の考え方として、ハッシュタグボリューム数を目安に大・中・小とバランス良く選定していく方法があります。所在(ブランド名、機種名、メーカー名、地名)とコミュニティ(#○○好きさんと繋がりたい など)を両方記載するなど、ボリューム以外にもテーマごとにハッシュタグを選定するようにします。
単純に投稿数の多いハッシュタグを選べば良いわけではなく、投稿数の多い人気ハッシュタグの場合は競合となる人気コンテンツも多くなります。そのため、ボリュームに合わせてバランスよくつけていくことをおすすめします。

■小テーマ・スモールハッシュタグ
「#社名」「#ブランド名」「#商品名」など投稿写真に関する企業アカウント独自のハッシュタグです。社名やブランド名、キャンペーン用のタグを入れましょう。
ハッシュタグのボリューム目安は、最大数千ほどです。
■中テーマ・ミドルハッシュタグ
投稿写真に関する「#商材・カテゴリー」などを選びましょう。投稿を目にしたユーザーにこの投稿が何なのかをしっかりと伝えることが目的です。ハッシュタグのボリューム目安は1万〜10万ほどです。
■大テーマ・ビッグハッシュタグ
投稿に関連する、世間的に広く認知されている単語や言葉を選びましょう。「#固有名詞」の他に「#insta〇〇」「#〇〇好きさんと繋がりたい」「#〇〇部」などInstagram内で流行しているハッシュタグを選ぶとより表示されやすくなります。ハッシュタグのボリューム目安は、100万以上です。
企業が投稿を届けたいユーザー層に向けたハッシュタグと、ユーザーが興味を持って検索するハッシュタグが一致すれば、投稿を見つけてもらいやすく、エンゲージメントも高まる傾向にあります。
また、ハッシュタグは大・中・小テーマに沿って付けるほか、時節やタイムリーな話題に合わせたハッシュタグを加えることも効果的です。ハッシュタグの投稿数(人気度)はInstagramの検索窓から調べることができます。
試しに検索窓に「アメリカ」と入れてみると、タグ検索の結果に投稿数が表示されます。
投稿数が多い、人気のハッシュタグは、多くのユーザーの目に触れるチャンスがある一方で、大量の投稿に埋もれてしまうこともあります。前述の大・中・小のハッシュタグをバランスよく取り入れるようにしましょう。
検索結果のトップに投稿が表示されると、投稿はより見つけてもらいやすくなります。トップ投稿入りを目指す場合は、投稿数が1万件以上20万以下のハッシュタグを選ぶのがよいでしょう。
例えば、「#アメリカ」(投稿数243万件)のみで投稿するよりも「#アメリカ」(投稿数3.3万件)と国旗絵文字も加えて投稿した方がトップ投稿に表示される可能性が高いと考えられます。
Instagramハッシュタグを見つける方法
投稿に関するキーワードを入力するとハッシュタグをピックアップできるツール(ハッシュタグレコメンドツール)もありますから、ハッシュタグ選びに困ったときに利用してみるのも良いでしょう。
ハシュレコ:https://hashreco-ai.slooooth.com/
SNS管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」では、AIによって投稿文に最適なハッシュタグを自動生成する機能があります。企業アカウントなどで多くの投稿を管理する場合はこうしたツールを活用することも検討してみてください。>>資料請求・無料トライアル:ハッシュタグ生成機能も使えるSNS運用管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」
Instagramハッシュタグ設定の注意点・チェックポイント
Instagramのハッシュタグを設定する際に、よくあるミスから注意点をまとめました。ハッシュは全角でも表示されることがありますが、有効に機能させるために半角での使用を推奨します。
もしも、投稿後に「ハッシュタグが機能していない」ことに気づいたら、編集から修正しておきましょう。
■Instagramハッシュタグ設定の注意点
- 特殊記号、句読点、スペースが含まれていないか
- 「#」が全角になっていないか(半角で使用)
- 「♯(シャープ)」になっていないか
- ハッシュタグの文字数制限を超えていないか(Instagramハッシュタグの文字数上限は、Androidで150文字、iOSで99文字まで)
Instagramのハッシュタグは3-5個がいい?
海外のInstagram公式ブログが元となった「ハッシュタグは3-5個が良い」というウワサについて、Instagram公式セミナーでは個数によるアルゴリズムへの影響を否定。選定が難しい場合はハッシュタグ数が少なくてもかまいませんが、「日本のInstagram利用者はハッシュタグ利用が諸外国に比べて多い」という発言もあり、国内ユーザーをターゲットにする場合はこれまで同様、関連性の高いハッシュタグを可能な限りつけておくべきでしょう。
なお、ブランドや企業独自のオリジナルハッシュタグ(ブランドハッシュタグ)を作り、ユーザーに利用してもらうことで、ハッシュタグを定番化させ、ファンコミュニティを活性化させている企業もあります。オリジナルハッシュタグを広めるためには、投稿のリポストやハッシュタグ投稿キャンペーンなどを企画してみると良いでしょう。
オリジナルハッシュタグ(ブランドハッシュタグ)の活用
オリジナルハッシュタグ(ブランドハッシュタグ)とは、独自の用語を使ったそのブランドだけのハッシュタグです。自然発生的に生まれることもありますが、公式アカウントが使うことでそのファンたちに広がるのが一般的です。
キャンペーン投稿が元となって、ブランドとして認知されて使用されるようになったハッシュタグもあり、多くのUGCを創出しています。ものによっては年間1万件以上投稿が増える可能性もあるため、キャンペーンなどを起点にオリジナルハッシュタグのブランド化を進めてみるとよいかもしれません。ハッシュタグを活用したフォトコンテストやUGC活用のためのハッシュタグ収集を行いたい場合は、「ATELU」などのキャンペーンツールを導入すると便利です。
オリジナルハッシュタグ事例:
#Galaxyカメラ部(投稿21.3万件)
#Galaxyカメラ部 のハッシュタグは21.3万件あり、Galaxyで撮影した写真が確認できます。#ララ嫁 (投稿9万件)
結婚式場のララシャンスで結婚式をあげる花嫁を「ララ嫁」と呼び、そのハッシュタグで写真を投稿しています。全国展開しているため、様々なエリアの式場の様子がわかります。「#ララ嫁さんと繋がりたい」も1.6万件以上投稿されています。#みてみて一条(投稿5万件)
一条工務店の物件写真が#みてみて一条 のハッシュタグで投稿されています。一条工務店で施工した自宅のお気に入りポイント、こだわり設備などが投稿されています。#anaタビキブン(投稿15.8万件)
ANAでは #anaタビキブンのハッシュタグで旅の思い出を募集しており、公式アカウントで紹介しています。様々な旅の思い出がシェアされています。ハッシュタグ流入の効果測定
ハッシュタグからの流入効果を測るためには、Instagramをプロアカウントにして、投稿インサイトを表示してみましょう。投稿に対してリーチしたアカウントの数やフォロワー/フォロワー以外の数を把握することができます。Instagramの投稿インサイトでリーチなどのデータが表示されていない場合は、データが不足していて利用できない状態です。
リーチとは、該当の投稿を最低1回見たユニークユーザーの数を指しています。インプレッションは表示された回数です。ハッシュタグ経由でのインプレッションが多く、フォロワー以外に拡散している場合はハッシュタグをうまく活用できていると考えられます。いろいろなハッシュタグを試して反応を見てみましょう。
Instagramインサイトについては以下記事をご覧ください。分析・解析方法を解説しています。
よくある質問①:Instagramでハッシュタグを繰り返し使うのはNG?
さまざまなうわさのひとつとして、「ハッシュタグを繰り返し使うとペナルティが課される」というものがあります。これはInstagram公式セミナーで明確に否定されており、繰り返し同じハッシュタグを使っても問題ありません。
Instagramは、「ハッシュタグの量は関係なく、あくまで利用者が検索しやすくなるためのもの」として関連性の高いハッシュタグの利用を推奨しています。
企業アカウントの場合は、企業名やブランド名といったものは、全ての投稿に入れて何度も利用してよいでしょう。ファンコミュニケーションのために、オリジナルハッシュタグを活用することもおすすめです。
よくある質問②:コメント欄にハッシュタグをまとめていいの?
Instagramの公式ブログ内では、ハッシュタグをコメントではなくキャプションに記載することを推奨しています。それによって検索結果から投稿を見つけやすくするといったことが書かれていますが、現在のところは、コメント欄にハッシュタグをまとめることによるアルゴリズム上の不利益は観測されていません。
その中で、あえてコメント欄にハッシュタグをまとめる理由は、投稿内容をシンプルに見せるため。
企業によっては、ハッシュタグを投稿のキャプション(本文)に記載せず、コメント欄に記載するという運用を行っているところもあります。他社の投稿を見て不思議に思ったことがある人もいるかもしれませんが、実はハッシュタグをコメント欄に記載してもその効果は変わりません。最大30個までという制限も同じです。
ハッシュタグの編集や削除をしたいときも、キャプションに記載した場合は投稿そのものを編集する必要が生じますが、コメント欄にまとめた場合は、前のコメントを削除して新しいコメントを追加するという操作になります。
投稿前にチーム内で内容チェックを行うといった運用をしている企業などであれば、コメント欄の操作だけでハッシュタグ編集ができた方が都合が良いということも考えられます。
「コムニコ マーケティングスイート」では、画像やキャプションの投稿と同時に、最初のコメントも同時公開することができます。最初のコメントにはテンプレートを設定することもできるため、「#社名」や「#ブランド名」、「#商材・カテゴリー」など、自社の投稿に必ず付与するハッシュタグを設定しておけば、投稿作成の効率化やミスの防止にもつながります。ハッシュタグの他に、コメントを促すメッセージなどをいれた活用もできそうです。
Instagramハッシュタグを上手く使っている企業成功事例
■北欧、暮らしの道具店
北欧デザインの生活雑貨をメインに、シンプルなデザインのキッチンウェア、日用品、ファッションなどを取り扱うショップのアカウントです。大テーマから小テーマまでをバランス良く、日本語だけでなく英語も使い上手く用いています。
■Samsung Japan公式アカウント
「#withGalaxy」で投稿を促しつつ、Galaxy端末で撮影した写真コンテストの受賞作品を紹介しています。このほかにもこれまで「#GalaxyMagic」「#Galaxyカメラ部」などさまざまなオリジナルハッシュタグを活用しています。
■東京女子部 Produced by OZmall
東京女子部 Produced by OZmallは、みんなが体験した素敵な場所やコトをシェアするお出かけ好き女子のためのコミュニティで、一般のユーザーの投稿のうち「#東京女子部」のハッシュタグがついた投稿を編集部がピックアップして投稿しています。ハッシュタグを作って、ユーザーのコミュニティを形成している事例です。
■文具 文房具 手帳 和気文具
創業1926年の老舗文房具店 和気文具では、文具の活用方法を実例とともに紹介しています。特に手帳や筆記具での表現について力を入れています。大テーマから中テーマ、小テーマまで、ひとつの投稿にハッシュタグをまんべんなく網羅しています。
まとめ:コンテンツと関連性の高いハッシュタグを選び、効果を最大化しよう!
投稿した写真に関連したハッシュタグをテーマ別にバランスよく付けることで、露出が増え、たくさんのユーザーを投稿に誘導できるようになります。関連性の高いハッシュタグをつけて効果を最大化していきましょう。
工夫を凝らしたオリジナルハッシュタグ(ブランドハッシュタグ)を育てることもブランディングを考える上では重要です。キャンペーンなども活用し、いろいろなハッシュタグにトライしていきましょう。
企業アカウントの場合は特に、SNS運用管理ツールの「コムニコ マーケティングスイート」の利用がおすすめです。
AIを活用したハッシュタグ生成で悩む時間を減らせますし、他担当者のチェックを承認フローの形で設定することができ、ダブルチェックやプレビュー表示もできて便利です。効率化を進め、成果に集中したい場合は利用を検討してみましょう。
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2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。