自分が撮影した動画や写真に音楽、エフェクトなどを付けて投稿できるInstagramの「リール」機能。2020年8月にリリースされて以降、新たな機能が追加されたり、長さ15分未満の動画はすべて「リール」として共有されるようになり、進化を続けています。
こういった状況から、Meta社がリールに注力している様子が窺え、今後も機能として発展していくことが予想されます。
Instagramユーザーからも注目を集めているリール。企業としても活用しない手はありません。この記事では、リール作成のコツや投稿方法などについてまとめました。

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リールとは?
リールの特徴:没入感のあるフルスクリーン動画
リールは、スマホでの視聴に適した縦型フルスクリーン動画です。自分が撮影した動画や写真に構成や音楽、エフェクトなどを付けて、Instagramでシェアすることができます。
もともとはフルスクリーン短尺動画としてリリースされましたが、Metaは2022年7月21日、15分未満の動画は全てリール扱いとなると発表しました。また、ストーリーズで使われているインタラクティブなスタンプも導入され、活用の幅が広がっています。
こういった動きにより、情報を多様な形で発信するだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションを深めるツールとしてもますます価値が高まっています。
リールが表示される場所
リールだけが表示される「リールタブ」を中心に、発見タブやプロフィールのリールタブ、フィードなど様々な場所で表示されます。ショップ機能を活用している場合は商品ページへの表示も可能です。
フィード投稿やストーリーズとの違い
フィード投稿:リールは、タップで再生すると全画面で表示され、没入感があるのが特徴です。一方、フィード投稿は画像とともにユーザーネームやコメントなどが表示され、リールよりも画面占有率が低くなります。
ストーリーズ投稿:ストーリーズの最大の特徴は、24時間で消えること。ハイライトにすれば残すことができますが、プロフィール画面からしか確認できなくなります。一方、リールはコンテンツとして残すことができて表示箇所も6箇所と多く、リールを閲覧した人の履歴(足跡)は残らないという違いがあります。
TikTokとの違い
TikTokは、リールと同様のフルスクリーン動画です。リールはTikTokに近いツールとして開発され、リリースされましたが、特徴は異なります。
ユニークで面白い奇抜なものが好まれるTikTokに対して、Instagramリールの場合は洗練された視覚的に美しいものが好まれる傾向があります。これは、Instagramでは理想や憧れといったものが中心的に訴求されますが、TikTokでは共感できる面白さが求められることが理由です。
また、TikTokはフォロワー以外にもコンテンツが表示されやすいため、フォロワーが少なくとも多くのインプレッション(閲覧数)を得ることができます。「これから認知を獲得していきたい」場合にはおすすめです。しかし、米国での規制もあり、企業によっては参入するための承認を得にくい場合もあります。
ほかに、投稿テキストで使用できる文字数が異なります。TikTokは全角140文字、リールは2200文字です。
また、リールの場合は自分以外の他社の動画再生数を確認することができるため、競合他社の投稿を分析することが可能です。TikTokの場合確認できるのは自分の動画再生数のみとなっています。
リール活用のメリット
没入感の高い、縦型フルスクリーン動画
リールは画面全てを占有するフルスクリーン動画として表示されるため、高い没入感があり、Instagramの利用時間の20%を占めるなど、利用時間が長くなる傾向にあります。
Meta社によると、リールはInstagramとFacebookにおいて、現時点で最も成長しているコンテンツフォーマットで、1万人以上のフォロワーがいるアカウントのうち、過去60日間に5つ以上のリールを投稿したアカウントは、リールを全く投稿しなかったアカウントと比較して2.5倍のフォロワーを獲得したというデータも出ています。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2022/06/igfb_reelsbundle/
YouTubeショートやTikTokへ活用できる
Instagramの他にもYouTubeやTikTokを運用しているという場合は、リールで作成した動画コンテンツを転用することもできるでしょう。縦型フルスクリーン動画制作にかかる工数を短縮できるというメリットがあります。
SNSごとにユーザー層が異なるので、どれかひとつに注力するのではなく、複数のプラットフォームを活用しましょう。SNSの特性を活かした運用を行いたい場合は、専門知識や工数が足りないということもあると思います。そうした場合には、コンサルティングや運用代行の利用をご検討ください。
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リールのアルゴリズム
作ったリールを多くのユーザーへリーチさせるためにはどんなことに気をつければよいでしょうか。リールのアルゴリズムについて、注力すべき点を解説します。
- 完全視聴率
動画投稿であるリールは、最後まで見られた動画か、そうでないかによってユーザーに好まれる投稿かどうかが別れます。そのため、音楽に合わせた動画の切り替え(トランジション)を使い、視聴者を飽きさせない工夫が必要です。続きを見させるために、動画内へ文字入れするのも良いでしょう。そもそも短い動画にすることも、ひとつの手法です。 - いいね、コメント、シェア
通常のフィード投稿においても同様ですが、他のユーザーからの反応があったかどうかが重要です。誰に向けたどんな動画コンテンツであるか、ということに注力してリールを作成するようにしましょう。 - 新たなコンテンツ創出
リールでは、さまざまな音源やエフェクトを利用することができます。動画を見た他のユーザーが、同じ音源やエフェクトを利用してコンテンツ創出したかどうかは重要なシグナルとなります。 - 過去のインタラクション
投稿者と閲覧者との間になんらかのコミュニケーションが行われていた場合は優先的に表示されるようになります。ここでいうコミュニケーションとは、フォローやいいね、コメント、ダイレクトメッセージなどを指します。Instagramにおいてリールは、新規フォロワー獲得のための大切なコンテンツですが、既存のフォロワーとのコミュニケーションも大切にしたほうがよいということがいえるでしょう。
おすすめしたいリール作成のコツ
①冒頭〜3秒で興味を引く
動画冒頭で「この動画はどんな動画か」を示して興味を持たせなければスキップされてしまうため、冒頭から3秒までに、その動画の主旨が分かる内容や、閲覧者に驚きを与える内容を盛り込み、興味を引くようにしましょう。
②人気の音源を利用する
音源タイトルをタップすると、同じ音源を使っているリールがまとめて表示されます。同じ音源を使いたいと考える人が「ほかにどんな動画が上がっているか」を確認するために閲覧することも多いので、人気の音源を利用することで、多くの人に投稿を見てもらいやすくなります。
ただし、ビジネスアカウントの場合は商用利用可能な音源を利用するようにしましょう。
③早い展開の動画を作成する
リールの場合は、短尺の動画が好まれます。間延びした投稿や単調で変化がない動画は飽きられてしまいがちです。最後まで閲覧してもらうためにも、テンポよく展開していくような動画を意識して作成しましょう。
わかりやすくするためにテロップをつけることもおすすめです。
④ストーリーズとフィードでシェア
リールの長所のひとつは、表示箇所が多いこと。投稿したリールは、ストーリーズとフィードでシェアし、どのような入口から入ってきたユーザーにも届けられるようにしましょう。
リールに使える動画作成アプリ
Instagramに備わっている機能だけでもリールの動画編集はできます。しかし、複数の動画や画像を集めて一つの動画にまとめることや不要部分のカット、狙ったタイミングでの文字表示など、標準機能だけでは作成しづらい部分もいくつかあります。
編集のバリエーションを増やしたい場合は、以下のような動画作成アプリを活用することも考えてみましょう。
・Cap Cut
TikTokの運営会社が提供しているアプリです。テロップの自動作成が便利。また、動画のつくり方を教えてくれるチュートリアルが充実しているので、つくりたい動画のイメージがあるけれどつくり方が分からないという場合にも助けてくれます。
・In Shot
操作方法が直感的でわかりやすいと人気のアプリです。無料で使える範囲が広いことも好評を博しています。
・VLLO(ブロ)
動画の不要部分のカットが簡単にできます。また、音楽の種類や文字の種類が豊富なことも喜ばれています。
・iMovie
Apple社が提供している動画編集アプリ。iOSやmacOSのデバイスを持っている人であれば使えます。使いやすいと評判で、追加できる画像の数に上限がないことが好評です。
・Adobe Premiere Rush
Adobeが提供している、InstagramをはじめとするSNS用の動画編集ソフト。動画の縦横比の調整に加えて、フレーム内での動画の回転やカラーの調整などで、人目を引く動画作成に役立ちます。
リール動画の投稿方法
■アプリから作成する
まずは、Instagramアプリからリール動画を作成してみましょう。リール動画は、以下の手順で作成できます。
①リール作成画面の表示
フィード画面で左から右にスワイプすると、ストーリーズ投稿画面へ遷移します。画面下のタブを左右にスワイプしてリールを選択しましょう。
②BGMの選択
リストから好きなBGMを選び、曲中の動画に合わせたい箇所を指定します。
③リール動画の撮影
画面下部中央のボタンをタップして、動画を撮影します。
④リール動画の加工・編集
画面上部あるいは画面左下のボタンから、好きな加工や編集を施します。編集を終えたら、画面右下の「次へ」を押下します。
⑤リールカバー画像の選択
「カバーを編集」から、動画中あるいは自分の画像フォルダから、カバー画像を選択します。
■作成済み動画を投稿する
アプリから投稿
前項目の手順で編集を終えた動画は、「シェア」から投稿できます。
クリエイタースタジオから投稿
今年6月から、Meta社が提供するFacebook・Instagram用のコンテンツ管理ツール「クリエイタースタジオ」からも投稿できるようになりました。
①Instagramのクリエイタースタジオを開き、左上の「投稿を作成」から、作成画面に遷移します。
②投稿したい動画を設定し、キャプションや投稿先のアカウントなどを設定します。設定を終えたら、右下の「公開する」を押下し、投稿を完了してください。
企業のリール活用事例
参考までに、企業のリール活用の事例をご紹介します。
■BOSS
こちらは、ギターやベースといった楽器のエフェクターを提供しているブランド。商品カラーと背景カラーがおしゃれに組み合わさっています。初心者には区別がつきづらいのですが、エフェクターのスイッチを入れたことによって音がどう変わるのかを、背景のわずかな変化とともに動画で示せています。
■北欧、暮らしの道具店
画面の上部で動画を、下部で静止画を表示しています。静止画で料理の完成図を示すことで、何をつくっている動画なのかがわかりやすくなっています。同様の動画は、YouTubeショートにも活用しています。
■my twilight🌙
商品のバッグから次々に物を取り出していくことで、中にどれだけ物が入るかをわかりやすく解説しています。商品を紹介したい場合、ショッピングにタグ付けすることで、商品ページからも動画が見られるようにできます。
■資生堂プロフェッショナル
画面の上下で、商品のヘアオイルを使用した場合とそうでない場合の違いをコメディタッチで見せています。出演者にインフルエンサーを起用したことで、自社アカウントのフォロワー以外にもうまく訴求しています。
■デリッシュキッチン-料理・献立・レシピ
縦横比1:1の動画の印象が強いレシピサービスですが、リールにあわせて縦横比を調整し、文字も再配置して没入感を強めています。動画上の文字は最小限にとどめ、本文で詳しいつくり方の紹介や、アプリへの誘導を行っています。
■ドミノ・ピザ 公式
バレンタイン限定で発売した、ハート形のペパロニピザならぬ「ラブロニピザ」。実際に神社に持ち込んで良縁祈願してもらうというユニークなイベントを、リール動画にしました。大掛かりなエンタメ要素の強い演出が面白い事例です。
■松屋フーズ
インスタグラマーが投稿しているかのようなバルーンアートで、肉の日(29日)をシンプルにお祝いした動画。ほんの数秒で音楽もありませんが、カラフルでかわいらしく、動くスタンプのように言いたいことが端的に伝わります。
■FDA - Fuji Dream Airlines【公式】
こちらは、リールを採用活動に活用しています。カジュアルになりすぎず、でも音楽やテンポ感もあいまって楽しい雰囲気が伝わるオフィスツアー動画に仕上がっています。
■B.LEAGUE(Bリーグ)
冒頭でこれから何が起きるのかという期待感が上がるようになっています。バスケをあまり見慣れない人にも、それがスーパープレーであることが伝わります。
■チーバくんダンスチャレンジ
流行りの音源を使って、テンポの良い楽しい動画構成になっています。普段からリール動画に注目している人により刺さりそうな内容です。
リール投稿でできないこと
プロフィールグリッドへ非表示すると再表示できない
リール動画をプロフィール画面のコンテンツ一覧に表示したくない場合は、投稿時にプロフィールグリッドへ投稿しない設定にするか、投稿後であれば「プロフィールグリッドから削除」という機能で非表示にすることができます。ただし、あとから表示に切り替えることはできないので、投稿前にあらかじめ表示するかどうかを決めておきましょう。
再生回数やいいね・コメントは非公開にできない
投稿についた再生回数やいいね、コメントは非公開にできません。常にすべてのユーザーが見られるようになっています。
まとめ
Meta社が力を入れているInstagramリール。2022年8月には、リールの紹介サイトが新たに公開されました。
表示箇所も多く、フィード投稿やストーリーズ、TikTokとも異なる特徴を持つこの機能を活用しない手はありません。素材や編集によって、表現できる幅が広いのも魅力的です。リール特有の没入感の高さで、ユーザーを自社の世界観に引き込んでいきましょう!
Instagramを含むSNSの運用でお困りのときは、ぜひコムニコにご相談ください。
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児童雑誌・書籍をメインに4年間の編集執筆活動した後、コムニコ入社。SNS企画運用・コンテンツ制作を行う。趣味はドラムとよさこい。