Instagramは2025年8月7日、新機能として「Instagramマップ」を米国や日本で正式にリリースしました。
これによって、ユーザーは自分がどこで何をしているかをリアルタイムで友達に知らせたり、逆にフォローしている友達の居場所を地図上で知ったりできるようになりました。
この機能を企業が利用するとしたら、どのような用途があるのか。また、利用の際はどのようなリスクが考えられるのか。企業のSNS担当者に向けて、Instagramマップの活用方法や注意点、一般ユーザーの使い方などをまとめました。
新機能「Instagramマップ」とは?
Instagramは、以前から日本を含む一部の国でテストを行っていた「Instagramマップ」を正式にリリースしました。
Instagramマップとは、マップ上で位置情報のシェアをオンにすると、自分が選んだ相手と直近でアクティブだった場所を共有することができるという機能です。また、自身のアカウント上のInstagramマップには、フォローしている友達の位置情報や、友達が位置情報のタグをつけてシェアしたコンテンツが表示されます。
テスト運用時にも話題に
この機能自体は、「フレンドマップ」として、日本では2024年8月頃からテスト運用が開始されたようです。さらに、2025年4月にはテスト対象のユーザーが拡大。それを受けて、ユーザー間で大きく話題になりました。
We Love Social編集部でも、この機能について解説記事を投稿しました。
🆕 Instagram:位置情報のシェア機能まとめ⚡️
— We Love Social|コムニコ (@WLS_comnico) April 11, 2025
✅友達がどこにいるかわかる機能
✅これまでMessengerで利用されてきた「位置情報のシェア」機能をInstagramに拡大した機能と推測される… pic.twitter.com/fOp2gR1pnU
その際に多く聞かれたのは、「自分の位置情報が共有されてしまうのではないか」「自宅の場所がバレるのでは」といった不安や懸念の声。それに対し、位置情報の共有をオフにする方法なども、X(Twitter)などのSNSで拡散されました。
>>We Love Socialを運営する株式会社コムニコとは?Instagram運用代行・支援などサービス資料をダウンロード
位置情報がシェアされる仕組み、状況は?
位置情報シェアをオンにしていると、Instagramアプリを開くたびに自分がいる場所についての位置情報が更新されます。アプリをバックグラウンドで使用している場合は、アプリ画面に戻るたびに更新されます。アプリを開かなければ、24時間後に位置情報は消えます。
Instagramマップでは、初期設定で位置情報のシェアはオフになっており、自らオンにしない限り自分の位置情報が他人に共有されることはありません。また、一度オンにしたとしても、またいつでもオフにすることができるようになっています。
位置情報をシェアする相手は、ユーザーが自分で設定することができます。自分がフォローバックしているフォロワーか親しい友達、またはシェアしたい友達を指定(アカウントを指定)することも可能です。誰ともシェアしたくない場合は「非公開」を選択します。特定の場所にいる場合に位置情報のシェアを自動的にオフにしたり、特定のアカウントに対して位置情報を非表示にすることもできるようになっています。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2025/08/new-instagram-features-help-you-connect/
Instagramマップはビジネスに使える?
Instagramマップで位置情報をシェアするということは、表示面が増えるということでもあります。現在のところ、利用しているユーザーが限定的であることから、注目を集めるチャンスにもなります。自社の投稿やアカウントがフォロワーの目に触れる機会が増えるわけです。
それを踏まえて、ビジネスにおいては次のような活用ができると考えられます。
- 店舗が営業していることを知らせる
- イベントの開催を知らせる
- ファンとのエンゲージメントを高める
店舗の営業を知らせる
店舗で運営しているアカウントや実店舗を持っている企業であれば、店舗の営業時間に位置情報をオンにすることで、フォロワーにその店舗が営業中であることを知らせるといった使い方ができます。
また、位置情報を付けた上でその日のおすすめ商品を紹介するコンテンツなどを投稿し、来店の促進に活かすことも可能です。マップを介することで、ユーザーにはよりリアルタイム性の高い情報が共有されているという印象を与えることができます。
Instagramのメインユーザー層である若年層は、Instagram上で気になるお店や行きたいお店を探すという人が多くいます。上記のようにマップを使用することで、そうした人々へのアピールの場として有効活用できそうです。
イベントの開催を知らせる
実店舗を持っている企業はもちろん、実店舗を持たない企業であっても、リアルの場でのイベント開催時に位置情報をオンにすることで、その場所でイベントを開催しているということをお知らせできます。あわせて、位置情報を付けた上でイベントを開催していることが分かる投稿を行い、イベントの雰囲気や詳細も伝えれば、ユーザーの興味喚起や来場促進にもつなげられるでしょう。
ファンとのエンゲージメントを高める
インフルエンサーや企業のエバンジェリスト、アーティストなどが運営しているアカウントであれば、イベント出演時などに位置情報をオンにすることで、ファンに活動の様子を伝えることができます。リアルタイムの活動を伝えることで、「イベントに行ってみよう」「この人がこれだけ頑張っている、私も頑張ろう」といったファンの気持ちを呼び起こし、さらに親しみを持ってもらえたり、エンゲージメントを高めたりすることもできそうです。
一方で、最新の位置情報が共有されてしまうことによる注意点もあり、一般的にはストーリーズの位置情報タグで十分な場合も多いと考えます。以下の注意点も確認した上で活用するようにしましょう。
Instagramマップ活用の注意点
最も注意したいのは、意図していないときに位置情報のシェアをオンにしたままにしてしまうこと。
Instagramマップの位置情報はかなり精度が高く、かつ、ほぼリアルタイムで共有されます。そのため、位置情報のシェアをオフにすることを忘れて移動や帰宅をしてしまうと、リアルタイムの移動先や自宅の場所、生活圏などが筒抜けになってしまいます。そのためビジネスアカウントの場合は、基本的に位置情報はオフにすることを推奨します。
必要なときだけオンにする、営業や仕事を終えて移動する際は位置情報のオンオフを確認する習慣をつけるといった対策を行いましょう。
位置情報をシェアできる相手は?
基本的に位置情報をシェアできる相手は、相互フォロー(相手も自分もフォローしている状態)のアカウントに限られます。
フォロー外に共有したい場合は、Instagramマップ機能のほかにも位置情報タグを含むコンテンツを利用しましょう。
相互フォローではなくても、リール動画、フィードおよびストーリーズ投稿など、位置情報タグを含むコンテンツは位置情報を確認できます。ただし、これはリアルタイムで位置情報共有できるわけではありません。
なお、Instagramに掲載される店舗などの位置情報タグはFacebookから変更できます。詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:Instagramの位置情報を変更するには?スポット・地図情報はFacebookから変更しよう
Instagramマップの設定方法
Instagramマップの位置情報シェアは、初期設定ではオフになっています。位置情報のシェアは、次の手順でオンにすることができます。
- フィードの右上にあるアイコンから、メッセージ(DM)の受信箱を開きます。
- 受信箱上部にある地球儀のアイコンをタップします。
- 右上にある設定のアイコンをタップし、位置情報をシェアする相手を選択します。(デバイスで位置情報のアクセス許可が有効になっていない場合は、アクセス許可を有効にする必要があります)
- ページ下部にある更新ボタンをタップして、変更を保存します。
設定のアイコン部分に、青い矢印が表示されているときは、選択した共有範囲に位置情報をシェアしていることを示しています。赤い点が表示されているときは、位置情報をシェアしていないことを示しています。
参考:https://help.instagram.com/402343555458995/
Metaが想定している一般ユーザーの活用法
Instagramマップは、基本的には一般の個人ユーザーの利用を想定してリリースされた機能だと考えられます。
Instagramのメインユーザーは、10~20代の若年層。こうした世代は、アカウントを非公開に設定し、リアルの場で友人関係にある人たちと少数でつながって、仲間内で投稿をシェアしたりコミュニケーションをとったりするといった利用方法が一般的です。未成年がアカウントを新規作成した場合は、デフォルトの設定が非公開になっていることからも、そうした傾向がうかがえます。
位置情報についても、そうした親しい友人たちとのシェアを促すことで、より親密なコミュニケーションに役立ててもらいたいという意図があることが考えられます。また、若年層はリアルタイムで友人たちが何をしているかを察したいという傾向もあり、そうした人たちのコミュニケーションを支援するための仕組みとも言えそうです。
同時に公開された機能として、再投稿(リポスト)機能や友達タブがあることからもMetaは、コミュニケーションを軸としたSNSとしての立ち位置を改めて示したとも考えられます。
参考記事:おすすめで推しを広げる「リポスト・再投稿機能」「友達タブ」が開始|2025年8月7日から
参考:https://about.fb.com/ja/news/2025/08/new-instagram-features-help-you-connect/
ユーザーとのコミュニケーションを積み重ねることで、Instagramのアルゴリズム上で優位に働き、より多くのユーザーに投稿が届きやすくなります。コミュニケーション施策については、We Love Socialを運営する株式会社コムニコでも支援しています。詳しくはお問い合わせください。
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まとめ
2025年8月7日にリリースされた「Instagramマップ」。企業の活用用途は限定的ですが、Instagramユーザーとの新しいタッチポイントとして、イベント開催時や店舗営業中の情報共有などに利用できそうです。
ただし、位置情報のオフを忘れて移動すると、移動先や自宅の場所も共有されてしまうなどリスクもあるため、扱いには十分に注意する必要があります。
同日には、Instagramマップの他にも、公開アカウントが投稿したコンテンツを再投稿できる機能や、友達が楽しんでいるリール動画をまとめて表示する「友達」タブの機能もリリースされました。このようにアップデートを続けるInstagram。企業のSNS担当者やデジタルマーケティング担当者も、新しく追加された機能がどのようなもので、どのように活用できるのかを常に注視して、認識をアップデートし続けたいところです。
We Love Socialでは、今後もこうしたニュースやアップデート情報をわかりやすく伝えていきます。
We Love Socialを運営するコムニコでは、SNS黎明期から企業のSNS運用を支援してきました。今回の変更についても、どう活用し成果につなげていくか提案してまいります。
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フリーランス編集者として大手出版社の雑誌・書籍を担当後、コムニコへ。SNSコンテンツクリエイターとして、高知県観光のSNS支援では9ヶ月でフォロワーを約15倍に拡大など、さまざまな業種のアカウント支援を担当。「We Love Social」では、編集長として100以上の記事を執筆し、メディアを月間最大37万PVに成長させた。本質的な信頼を育む「ラバブルマーケティング」を実践する、SNSエキスパート協会認定講師(SNSエキスパート検定上級資格保有)。