日々、SNS上で発信されているユーザーの声。ダイレクトに企業に届けられることのないユーザーの発言は、いわば「生の声」と考えることができます。このようなSNSにあふれる生の声をもとに分析を行うこと、つまりソーシャルリスニングを行うことで、企業や製品の現状把握、あるいは今後の方針を決定するための情報収集が可能になります。
では、このソーシャルリスニングを行うためには、どうすればよいのでしょうか?その答えがエゴサーチです!具体的な利点をまとめてみましょう。
企業がエゴサーチを行う具体的な利点とは?
- 事業や製品についての声を拾える
まず1つ目は、企業に直接届けられることのないような「ユーザーの些細な悩みや企業・商品に対する希望」を読み取ることです。これらの情報を基にユーザーの声を製品などに反映し、今後の方針を決定するのに役立ちます。 - 企業に関する声を聞ける
2つ目は、現状における企業の評判をリアルタイムに把握することが可能になります。これによって現状における企業のイメージを知り、将来的な対策を立てることができます。 - アクティブサポートが可能になる
アクティブサポートとは、企業の公式アカウントがリプライなどで「声をかけられて応答する」のではなく「企業からユーザーに声をかける」行為を指します。このアクティブサポートが、ファンを増やすための重要なカギとなるのです。
さてここで、3つのワードが出てきましたね。それぞれどのような定義なのか、あらためて、整理しましょう。
インターネット上で、自分の本名やハンドルネーム運営しているサイト名、ブログ名などを検索し、自分自身や運営しているサイトの評価を確認すること。個人や企業に関係なく利用される。
SNSマーケティングの一つ。「傾聴」とも訳される。2008年に出版された「グランズウェル」などで提唱される。SNS上でユーザーの発言を分析し、顧客のプロフィールのチェック、企業・製品に対する評判を把握、批判的な声を早期発見等に応用できる。
SNSでも主にTwitterを活用したカスタマーサポートの一つ。「Twitterアクティブサポート入門」によると、ユーザーの疑問や不安、時には不満を企業自らが能動的な直接会話をすることで問題解決を図る方法。メールや電話等で「問合せがあってから対応」する点が従来と異なる。
いかがでしょうか?微妙にニュアンスがことなりますが、ソーシャルリスニングやアクティブサポートをおこなうためには、エゴサーチが必要ということがわかると思います。次に企業の事例をチェックしてみましょう。
アクティブサポートを利用し、ファンとの関係を深めている事例
アスクルお客様サービスデスク
@blendystickstar アスクルです。申し訳ございません。交換させていただきたいのですが、既にご対応させていただいておりますでしょうか?
— アスクルお客様サービスデスク (@askul_cr) 2015年2月3日
「アスクルで注文したクッキーが割れていた」という、ともすればファンを失うことにもつながりかねないツイートに対し、「交換させていただきたいのですが、…」と声をかけています。今後における注意点を発見するだけでなく、丁寧な対応をすることでイメージダウンを防ぎ、場合によっては評価が上がることも考えられます。
東急ハンズ
@kikuhimereka その出口じゃないよ~
— 東急ハンズ (@TokyuHands) 2016年9月6日
「ハンズどこだー!」という、写真付きのツイートに対し、「その出口じゃないよ~」と反応しています。突然案内図を送るなどといった無機質な対応ではなく、一度「そっちじゃないよ」と親しみをもって声をかけ、その後に案内を行うことで、高い好感度を得ている事例です。
このようにアクティブサポートが成功すると、いわゆる「神対応」と呼ばれることもあり、ファンを増やすことにもつながります。
マイクロソフトサポート
@sirosakiho こんにちは、マイクロソフトサポートです。Creators Updateを適用されたのでしょうか?こちらのページに、Creators Updateの新機能などの情報をまとめてあるので、参考にどうぞ→ https://t.co/JYms5g08KJ ^NTY
— マイクロソフトサポート (@MSHelpsJP) 2017年4月12日
@sirosakiho こんにちは、昨日はありがとうございました。その後ご不明点等はありませんか?突然で恐縮ですが、弊社ではツイッターサポートへのアンケートを行っております。よろしければお声をお聞かせ下さい→ https://t.co/eeQfWzQL7f ^NNY
— マイクロソフトサポート (@MSHelpsJP) 2017年4月13日
windows10のアップロード提供時期に「とりあえずアップロードをしてみた」というユーザーへわかりやすくアップデートができるように参考ページをサポートしています。ツイートへのヘルプサポートだけでなく、喜んでいるユーザーへ、その後の商品の気遣いと共にさらにアンケートで「ユーザーの声」を聞いています。
商品の話題の時期とユーザーへのサポートタイミングがとてもよく、気持ちよくアンケートへ答えれるような一連の対応ですね。
エゴサーチをするには、意外と手間が必要!
TwitterなどのSNSで企業名・店舗名・自社の商品名・事業名などを入力して検索を行うことでもできますが、検索キーワードを変え、定期的にチェックを行い、必要な情報と不必要な情報を取捨選択し…と、膨大な時間と手間が必要になります。そこで企業でソーシャルリスニングを実施する場合、ツールを活用することがおすすめです。いくつかピックアップしてみましょう。
Hootsuite
言わずと知れた、ソーシャルメディアの管理ツールです。Twittterなどをキーワードベースで一覧化できるので、タイムライン上でチェックが出来る点が便利です。
sprinklr
グローバル企業など、世界中のソーシャルメディアのアカウントから画像やキーワードまで多機能を一括管理ができるツールです。レポートやグラフなどはもちろん、ソーシャルリスニングをしやすくするために、管理画面を自由にカスタマイズが可能です。
comnico Marketing Suite
ソーシャルメディアアカウントの投稿管理や効果測定にかける作業を大幅に軽減することができるクラウドツールです。最近ではTwitterエゴサーチ取得機能が追加され、簡単にポジティブキーワードやネガティブキーワードの削除などの登録ができ、効率的にユーザーの声を収集することができます。さらに投稿のいいね、リツイート、返信ができるのが特徴です。
まとめ
SNS上のユーザーの声を分析する「ソーシャルリスニング」を行う上で、エゴサーチは無くてはならない大切なステップ。つまり、エゴサーチをすることは、愛される企業への重要なヒントということですね。
これまでとは一味違うアプローチで、愛される企業を目指してみませんか?

2017年度新卒入社しました!コンテンツプランナーとしてクライアントSNSアカウントの原稿作成や企画作りに従事しています!よろしくお願いします。