動画コンテンツが主流となっている昨今、YouTubeの影響力が増してきています。
この記事では、2022年8月に行ったウェビナー「基礎から学べるYouTube活用講座〜成功の秘訣と最新企業事例〜」から内容を一部ご紹介します。
抜粋動画:SNSマーケティングにおけるYouTubeの役割
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YouTubeをとりまくSNSの市場トレンド
まず、SNSを含めたインターネットをとりまく市場の変化をみていきましょう。マスコミ4媒体広告費用を2021年にインターネット広告の費用が初めて上回り、その規模は拡大し続けています。
参考:https://dentsu-ho.com/articles/8090
さらに、総務省が発表したデータからも「メディアの平均利用時間(平日)」を確認してみても、2021年にインターネットの利用時間がテレビを上回っています。
2020年の初旬から猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症の影響によって「おうち時間」が増えた結果、自宅でのインターネット利用時間(SNS利用や動画コンテンツ視聴、ECサイト利用など)が増加したことによってインターネットの広告の重要性が高まりました。
特に、SNSについて利用が加速しています。これは、SNSへ投稿だけではなく、他ユーザーの投稿を見て、いいね!やコメントをする・される、DMで友人やSNS上での相互フォロワーとコミュニケーションを取る、ということが「おうち時間」の楽しみ方のひとつになったことが考えられます。各SNS媒体毎にクオリティの高いコンテンツを楽しめるのも特徴です。
企業がマーケティングにSNSを活用するべき理由
可処分時間の変化
スマートフォンの普及により可処分時間の割合は大きく変化しました。
音楽や映像の視聴はもちろん、ゲームやECサイトでの買い物など、スマートフォンだけで、時間や場所を問わずさまざまなコンテンツにインターネットを介してアクセスすることができます。
特にSNS利用は可処分時間の割合の中でも上位になっています。
参考:スマホ利用時間「1日2〜3時間」が最多、LINE送信は平均10.2回
その中でも豊富な動画コンテンツが楽しめるYouTubeは、コンテンツあたり約5〜10分が一般的なため、他SNSと比較しても平均滞在時間(接触時間)が長いことが特徴として挙げられます。
YouTubeの利用が加速した背景には、スマートフォン回線の5Gの普及や自宅のWi-Fi環境での視聴利用によって、滞りなく動画を楽しめる環境が整備されつつあることも影響しているでしょう。
信頼される情報の発信元の変化
SNSの普及により変化しているのは、企業による広告やプロモーションの影響力です。
マスメディア全盛期はテレビや新聞、ラジオ、雑誌などの広告(ペイドメディア)を見て、商品への興味関心を高め、購入につなげていました。
しかし、SNS普及後は企業による自社製品の宣伝ではなく、家族や友人、SNS上でフォローしているインフルエンサーによる口コミの信頼度が高まってきています。
その背景には、自社の商品のみを薦める企業の広告よりも、身近な友達やSNS上でコミュニケーションをとっているフォロワーによる「忖度ないおすすめ」に価値を感じているからだと考えられます。
購買モデルの変化
身近な人による口コミが購買に影響を与えているという状況そのものを作り出したのがSNSでしょう。SNS普及前後での消費者の購買行動モデルは「AIDMA」から「AISAS」へと変化していったといわれています。SNSを含めたインターネットの普及によって、購買行動の中に「検索」「共有・拡散」というプロセスが組み込まれたことが大きな特徴です。
参考:“Dual AISAS”で考える、もっと売るための戦略
「信頼される情報の発信元」でもお伝えしたように、SNSユーザーによって「共有・拡散」された評価や口コミといった情報が、第三者の購買行動プロセスにおける「認知・注意」「興味・関心」「検索」を喚起させる役割を担うこととなりました。
主なSNSの特徴と使い分け
SNSといっても、各媒体ごとに機能や利用ユーザー層に特徴があります。
例えば、今やメッセージツールとして日本人口の約8割以上が利用しているLINEや、リアルタイム性・匿名性が高く年齢や性別問わず共通の興味関心事でつながれるTwitter、10〜30代を中心に動画や静止画など様々コンテンツを楽しんだりEC機能なども利用できるInstagramなどがあります。
YouTubeの特徴としては、他SNS媒体ではリーチしにくい層のユーザーも多く、30代以上のユーザーへリーチしやすいことが挙げられます。主なSNSの特徴と使い分け、YouTubeのユーザー層についてはウェビナーで詳しく説明しています。
SNSごとの特徴や最新情報については以下の記事もご覧ください。
参考記事:人気ソーシャルメディアのユーザー数まとめ
SNSマーケティングにおけるYouTubeの特徴
YouTubeとは?
YouTubeとは、インターネット上の動画共有プラットフォームです。アップロードされた動画を見るだけではなく、自分で動画を制作してアップロードすることもできます。2021年5月時点で日本のYouTube月間利用者数は6,900万人を超え 、その存在は「人々の日常に欠かせないもの」になりつつあります。参考:YouTubeチャンネルの作り方!企業がビジネスに活用する方法や事例を紹介
企業がYouTubeを活用するべき理由
YouTubeと他SNSとの違い
TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSと比較した際の違いは大きく分けて3つあります。
1つ目は、YouTubeの利用率の高さ。LINEを除く他SNSと比較した際に年齢・性別問わず全年代でYouTubeの利用があり、ユーザー層の幅広さを考えるとマスメディアに近い媒体となりつつあります。
2つ目は、投稿タイミングに関係なく企画内容次第で、視聴され続ける可能性があること。
投稿したコンテンツがタイムライン上で流れていくフロー型のSNSとは異なり、投稿した動画コンテンツが蓄積されていくストック型のメディアであるYouTube。投稿直後のタイミングで動画が視聴される以外に、半年や1年、数年後でもコンテンツの企画内容に需要があれば、再生され続けるのが特徴です。
3つ目は、情報量が多く、1本の動画コンテンツで認知からファン化まで担えること。
ほかのSNSでは数秒でスキップされることも多い中で、YouTubeの平均的な視聴時間は5分程度。動画によっては10分を超えるものもあるため、触れる情報量が多いのが特徴です。そのため1本の動画コンテンツでも商品やサービス認知から興味関心の促進、購買までつなげられる可能性を秘めています。
売上に貢献したYouTube活用事例:ACTUS
ここからは、実際にYouTubeを活用して売上に繋がった事例をご紹介します。
高級家具ショップの販売を軸に日本全国に店舗を展開し、ECを活用した販売も行っているACTUS。YouTube施策では、3つの段階に沿って運用支援を行い、それぞれの施策を上流、中級、下流として説明します。
上流:YouTubeの役割設定
上流部分では課題を踏まえた上でYouTube活用の目的を「接客のDX化」と定め、以下の3点に注力したYouTube施策概要を固めていきました。<
- オンライン上ならではの接客体験を構築
- 自社資産である紙やWEB媒体の動画化
- 毎週1本の動画投稿で接触機会の創出からファン化、囲い込みを促進
中流:コンテンツ企画戦略
ポイントは、すでにYouTube上に存在する企画をベースに、真似することなく自社のブランディングを崩さずにアレンジした企画案に仕上げていくことです。
下流:動画制作ルール
下流の工程として、YouTube用動画を制作するルールを策定が必要となります。
他にもたくさん気を付けることはありますが、こうした目的設定や企画戦略、運用のルール設定を初期段階で設計した上ではじめて効果の期待できるYouTube施策を行うことができます。
ACTUS様のYouTubeチャンネルの具体的な動画コンテンツとしては、「ルームツアー」「アイテム紹介」「ランキング」のカテゴリを設定・配信しています。
今回はその中から「アイテム紹介」の動画をご紹介します。YouTubeでの定番企画であるアイテム紹介を同社独自の企画「蘊蓄(ウンチク)物語」という形で、社員さんのこだわりを語ってもらうという内容で動画の企画・制作・配信を行いました。
参考:【おすすめ照明レビュー】アクタスで人気上位のテーブルライトを一気に紹介します! | ACTUS
ACTUS様のYouTubeマーケティングの効果
YouTube施策を通じての効果については、顕在層をはじめ潜在層までリーチを広げることができたり、店舗動画を見た方の来店数増や商品紹介動画の配信翌日には紹介した商品がEC・店舗共に完売するといった結果も出ています。
このように継続した動画配信を通じてファン化の促進、LTV向上へつなげることで、最終的には来店数や売上アップに貢献しているそうです
YouTube活用事例:日本酒メーカー 日本盛様
今回、売上貢献の事例としてウェビナーではご紹介できなかった日本酒メーカーの日本盛様のYouTube施策についても以下に施策概要をまとめていますので、ぜひご覧ください。
参考事例:商品特性にマッチしたインフルエンサーの起用で認知を拡大!生活者の行動・心理を動かすSNS企画を支援
まとめ
今回ウェビナーの紹介記事として、SNSマーケティングの市場トレンドや各SNS媒体の特徴など基本的な知識を踏まえ、YouTubeマーケティングの考え方や具体的な事例をご紹介をさせて頂きました。
ウェビナー本編では、今回ご紹介したACTUS様のより詳細なYouTubeチャンネルの戦略設計、コンテンツ企画の考え方についても紹介しています。さらに終盤部分では視聴者のみなさまからの質問への回答コーナーもありますので、アーカイブ動画もぜひご覧ください。
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2017年に株式会社コムニコへ入社し、新規の企画提案営業を経て現在はアカウントプランナーとしてSNSマーケティング支援に携わる。 業界業種問わず、BtoC・BtoB企業の課題解決に向けてSNSアカウントの運用からキャンペーン、広告など幅広く運用支援を行っている。