Twitter API有料化!ツールやサービスへの影響は?
Twitterが発表した新たなAPIプラン体系。これにより、これまでAPIを利用して提供されていたツールやサービスが終了になるなどの影響が出ています。そのため、企業Twitter担当者の中には、「有料化すると何が変わるのか?」「今まで使っていたツールは継続して使えるのか?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
そこでこの記事では、Twitter APIと有料化による影響についてわかりやすく解説します。SNS運用に伴い、ツールを活用している、また活用したいと考えている運用担当の方は、ぜひ参考にしてください。
※ただし、Twitter APIや関連ページの仕様は随時アップデートされており、本記事は最新かつ完全な内容を保証するものではありません。
そのため、公式サイトや公式アカウントの情報、各ツール提供会社のアナウンスを必ず確認してください。
参考:https://developer.twitter.com/en
参考:https://twitter.com/TwitterDev
Twitter APIとは?
Twitter APIとは、外部のアプリケーションがTwitter上の機能やデータを利用できるようにする仕組みを指しています。Twitterのサイトやアプリを利用せずとも、外部のアプリケーションを通じて、ツイートを投稿する、タイムラインを取得する、いいねする、リツイートするなどの操作を行うことができます。
Tiwtter APIを利用しているツールとしては、次のようなものがあります。
- Twitter運用管理ツール:Twitterの予約投稿や投稿の承認などができるツール
- Twitterキャンペーン支援ツール:キャンペーン参加ツイートを収集、当選者にDM送信ができるツール
- トレンド分析ツール:Twitter上のトレンドや反応を分析するツール
- Twitterログイン:Twitterのログイン情報を使って他サービスにログインできるサービス
- Twitter bot:自動的に投稿・収集などを行うbotツール
Twitter API有料化で今後どうなる?
Twitter APIの有料化により、どのような変化が起こっているのか。これまでの告知内容をまとめて解説します。
Twitter APIの新しいプランとは
2023年2月2日に、Twitterは無償提供していたこれまでのTwitter APIのサポートを行わなくなることと、有料プランを用意することを発表しました。
Starting February 9, we will no longer support free access to the Twitter API, both v2 and v1.1. A paid basic tier will be available instead 🧵
— Twitter Dev (@TwitterDev) February 2, 2023
その理由について、X社のイーロン・マスク氏は「現在、無料APIはbot詐欺師や意見操作者によって悪用されています。検証プロセスやコストがかからないため、簡単に10万個のbotを立ち上げて悪事を働くことができます。IDの検証が必要であり、月額約100ドルのAPIアクセス料金を支払えば、状況を大幅に改善できます。」とツイートしました。
Yeah, free API is being abused badly right now by bot scammers & opinion manipulators. There’s no verification process or cost, so easy to spin up 100k bots to do bad things.
— Elon Musk (@elonmusk) February 2, 2023
Just ~$100/month for API access with ID verification will clean things up greatly.
つまり、APIを有料化することでbotを悪用するコストを高めてbotを排除し、Twitterの品質を向上させる狙いがあるようです。
そしてTwitterは2023年3月30日に、新しいTwitter APIの提供を開始し、無料で使える「Freeプラン」、ホビーユーザー向けの「Basicプラン」、法人や大規模な商用利用向けの「Enterpriseプラン」を発表しました。※5月26日にビジネスを拡大するスタートアップ向けの「Proプラン」を発表。
政府や公営機関の気象警報や緊急通知にはAPIを無料化
Twitterは、5月3日に「認証済みの政府や公共サービスによる気象警報、交通情報、緊急通知は、APIを無料で使用することができます」とツイートしました。
One of the most important use cases for the Twitter API has always been public utility. Verified gov or publicly owned services who tweet weather alerts, transport updates and emergency notifications may use the API, for these critical purposes, for free.
— Twitter Dev (@TwitterDev) May 2, 2023
Twitter APIの仕様変更による影響
無料プランが提供されているものの、機能が大幅に制限されているため、実質Twitter APIが有料化したことになります。また、商業向けに提供されているEnterpriseプランやProプランは利用費用がかかるため、このプランに移行できる売上規模を持っていない企業や、新しいプランのレート制限内で提供できないツール、これまで無償提供されていた個人ユーザー向けツールは、サービス終了となると考えられます。
中でも、ツイート検索や分析データの収集件数に大幅な制限がかかったことで、各社のサービスやツールにも影響が出ています。
Twitter API有料化によって影響を受けた主要サービス・ツール
こうした状況でサービス終了や一部機能縮小が余儀なくされています。ここで、すでに発表されているサービスやツールをご紹介します。
feather:画面のカスタマイズ機能などを持つクライアントアプリ
featherは一般ユーザー向けのTwitterクライアントアプリです。開発者は、「利用規約に違反してしまう」「 Basicプランではfeatherの機能の実現が難しい」という理由からサービスの停止を予告。4月5日に利用不能になりサービスを終了しました。
終了のお知らせ:https://twitter.com/feather_ios/status/1643404120072810496
TwTimez:ツイートのランキングサービス
TwitterのRT数などで人気ランキングを発表するサービスでしたが、Twitter APIの仕様変更で更新が難しくなり、4月1日に更新を終了しました。
終了のお知らせ:https://twitter.com/TwTimez/status/1641980394437480450
SINIS for Twitter:Twitter運用者が作った分析サービス
テテマーチ株式会社が2022年11月にリリースしたTwitter分析ツール「SINIS for Twitter」。APIの変更に伴い、4月28日でサービスを停止しました。
サービス停止のお知らせ:https://twitter.com/owashi017/status/1647785093795303425
抽選ったー:無料で使える抽選ツール
抽選ったーはTwitter上でのプレゼント企画で使える抽選ツールです。サービスの継続を検討していたものの、障害の発生などにより4月5日にサービスを停止することを決めました。
重要なお知らせ:https://twitter.com/lottritter2020/status/1643468317561331713
SmartHash:ハッシュタグ投稿収集キャンペーンシステム
SmartHashはハッシュタグ収集キャンペーンサポートツールで、指定したハッシュタグ投稿を収集し、投稿を選択してキャンペーンページに表示することができます。
一部機能終了のお知らせ:https://ww-system.com/data/983/news_dtl/
コムニコの対応
ここまで解説してきたとおり、Twitter APIの仕様変更や有料化によって様々なサービスやツールに影響が出ていますが、株式会社コムニコが開発・提供しているツールはこれまで通りご利用いただけます。
Twitter APIの切り替えを実施
- SNS運用管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」
Twitter投稿予約や分析が可能なツール。Twitter/Instagram/Facebookに対応。 - SNSキャンペーンツール「ATELU(アテル)」
フォロー&RTキャンペーンやTwitterのその場で当たるインスタントウィンキャンペーン実施、分析が可能なツール。
Twitter/Instagramに対応。
ツールを活用した詳しいTwitter運用効率化方法はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
この記事では、Twitter APIとはどういうものなのか、Twitterや各社からの発表をもとにTwitter API有料化による影響を解説してきました。
無料で利用できるTwitter APIや公的機関など、条件によっては無償で利用できることも明らかになっています。しかしながら、ツイート検索や分析データの収集件数に大幅な制限がかかり、これまで無料で提供されていたツールやサービスは継続できない状況となってしまいました。今後の動向にも注視していきましょう。
こうしたTwitterに関する詳細情報はコムニコなどのTwitter広告認定代理店のみに公開される場合もあります。そのためSNS動向や最新情報に詳しい外部パートナーの利用も検討することをおすすめします。
コムニコでは、ツールの提供だけではなくコンサルティングや運用代行など、課題に応じたサポートが可能です。
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2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。