SNS運用を成功に導くためには、SNSレポート作成や分析が欠かせません。また、企業は認知や購買など何らかの目的をもってSNS運用をしているため、その目的に対する進捗の報告として、SNS運用の成果をレポートにまとめ、社内へ示す必要もあります。
しかし、SNS運用を始めて間もないときなどは、レポートフォーマットをイチから作らなければならない場合もあり、どこからはじめていいかがわからず戸惑うこともあるでしょう。この記事では、SNSレポート作成の考え方や「コムニコ マーケティングスイート」を使ったレポートの作り方をまとめました。ツール利用で簡単に使えるX(Twitter)、Instagram、Facebookレポートのパワーポイント(.pptx)テンプレートもダウンロードできます。
SNS運用レポートとは
SNS運用レポートとは、SNSアカウントの運用の様子や成果をまとめたもので、日頃の運用を振り返り、その改善や成果の向上につなげるために重要な役割を果たします。企業アカウントの場合は、SNSの運用成果を社内へ示すためにも必須です。
レポートの作成は、毎月行うのが一般的です。自ら設定したKGIとKPIをもとに、進捗を見ながら成果を分析していきます。月次レポートに掲載する項目は、たとえば以下のようなものが挙げられます。
月次SNS運用レポートに必要な項目例
- KPI進捗(自社のKPIに対する進捗)
- フォロワー数の推移
- 主要数値の推移(インプレッション数やURLクリック数、「いいね」数、コメント数など)
- 投稿一覧
- エンゲージメント率の良かった投稿
- エンゲージメント率の良くなかった投稿
- 投稿カテゴリ別分析(挨拶、商品紹介、キャンペーンなど)
- 投稿タイプ別分析(テキスト、画像、動画)
- 競合比較 - 主要指標
- 競合比較 - 反応の良い投稿
- まとめ&次月のアクション
【無料】パワーポイント形式のレポートフォーマットをダウンロード
必要な項目をどのようにレポート化すればいいかわからない、という場合もあると思います。
コムニコでは、SNSごとにパワーポイント形式のレポートフォーマットを提供しています。レポートに必要な基本項目が知りたい方、レポートフォーマットにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
Instagram:https://www.comnico.jp/instagram_reporttemplate
X(Twitter):https://www.comnico.jp/twitter_reporttemplate
Facebook:https://www.comnico.jp/facebook_reporttemplate
このレポートフォーマットは、後述する「コムニコ マーケティングスイート」と合わせて使うことでテンプレートとして便利に活用いただけます!
SNS運用のKGI・KPIとは
KGIは、SNS活用の最終目的となる指標のこと。
KPIは、最終的なゴールであるKGI達成までの過程を評価する指標のことです。
KGIとなる指標は、「認知度」「売上」「購入意向」など様々あり、SNS運用を行う企業やサービスにおける課題やフェーズに合わせて決定します。
たとえば、そもそも自社サービスの認知度が低い場合は「認知度の向上」、認知度は高いけれど売上が伴わないという場合は「購入意向の向上」などをKGIとして設定します。ほかにも、中期経営計画などから、自社の将来に向けてSNSが貢献できる領域を探してKGIとするという方法もあります。
KGIの設定で重要なポイントは、数値で表せる目標にすること。認知度であれば、何%から何%に上がったのか、全体の認知経路の何%をSNSが占めるのかなど、誰が見ても明らかな指標にしましょう。
KPIには、KGI達成までの中間指標となる数値を設定します。つまり、KGIの内容に沿ってKPIも変化します。また、KPIは定期的にウォッチして評価できるように、各SNSのインサイトや分析ツールなどですぐに計測できる数値を選びましょう。
たとえば、KGIが「ブランド好意度の向上」であれば、いいね数やコメント数、リツイート数、商品に関するユーザー投稿数など、投稿やブランドに対する共感や支持が分かるユーザーの行動をKPIとするのがいいでしょう。
より詳しいKGI・KPIの設定方法は、以下でも解説しています。
参考記事:https://www.comnico.jp/we-love-social/socialmedia-goal
KPIで見るべき指標
KPIで追うべき指標は、SNSの運用目標によって異なります。そこで、運用目標別に、KPIの設定例を挙げますので、参考にしてください。
KGIが「ブランド認知の向上」の場合
- フォロワー数
- リーチ/インプレッション数
- エンゲージメント率
KGIが「ブランド好意度の向上」の場合
- ユーザー投稿数(UGC発生数)※UGC=User Generated Content(ユーザー生成コンテンツ)
- いいね数
- コメント/リプライ数
- サイト誘導数
- ハッシュタグ利用数
KGIが「推奨意向の向上」の場合
- エンゲージメント数・率
- リツイート/シェア数
- サイト誘導数
- ハッシュタグ利用数
- ユーザー投稿数(UGC発生数)
KGIが「売上」の場合
- サイト誘導数
- コンバージョン数
- ショップタグ利用数
- クーポン利用数
SNSレポート作成時の注意点
SNSレポートを作成する際にはどのようなことに注意すべきでしょうか?2点ポイントをまとめました。
- 数字をまとめるだけにならないようにする
- データの集計は手動で行わない
SNSレポートでは「課題を明確にして改善策を出す」ところまで実施していくことでPDCAを回し、SNS運用を成功へ導くことになります。そのため、数字をまとめるだけのレポートにならないように注意が必要です。
また、データの集計はできるだけ自動化しましょう。大事なレポートなのに、手動入力や集計ミスで数字がズレてしまうと元も子もありません。そのため、この後説明するSNS管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」のようなツールを使うことをおすすめします。
複数のSNSや複数のアカウントを管理することが多い企業のSNS運用では、SNS運用管理ツールを活用してレポート作成の属人化を防ぎ、管理負担を減らすことで「次どうするか」を明確にすることができるのです。
「コムニコ マーケティングスイート」でSNS分析・レポート作成を効率化
この記事では、「コムニコ マーケティングスイート」を使ったSNS分析・レポートの方法をご紹介します。まずは、ツールを使ってレポートを作る習慣づけをしてみましょう!
SNS黎明期から、大手企業を中心に2,200件以上(2024年3月時点)のSNSアカウント運用支援を行ってきたコムニコが開発、提供している「コムニコ マーケティングスイート」。
コムニコ マーケティングスイートには、投稿企画の作成・承認フロー設定・投稿予約・分析など、企業の運用担当者が欲しいと思う機能を揃えています。その中でも、SNSレポートの作成と分析が簡単になる「カスタムレポートサマリ」機能を使ったレポート作成手法を解説します。
カスタムレポートサマリ機能とは
カスタムレポートサマリ機能とは、自社アカウントの目標に合わせて、画面に表示する指標や分析データを選ぶことで、誰でも一目見ただけで運用成果が分かるようにカスタムできる機能です。必要な指標や分析データのコンポーネントを、組み合わせて配置できます。定した目標値に対する現在値や達成率、投稿を任意の切り口でランキングしたもの、フォロワー数などの推移グラフ、複数の指標データをまとめた表など、様々なものを用意しています。
KGIやKPIに合わせてコンポーネントをカスタムすると、KPIの進捗が容易に確認できるようになります。また、必要な情報をカスタムしておけば、スクリーンショットを撮影して簡易レポートとして報告することも可能です。
以下に、「コムニコ マーケティングスイート」で使えるカスタム例を紹介します。
カスタム例①認知向上フェーズの場合
KGIを「認知度の向上」とし、KPIにフォロワー数やリーチ数、投稿の反応数を設定した場合は、たとえば次のようなコンポーネントを選択して表示します。
目標:フォロワー数(累計)・・・目標のフォロワー数と、目標に対する進捗状況が確認できる
集計:フォロワー数(累計)・・・指定期間内に獲得したフォロワー数の合計が確認できる
目標:インプレッション/リーチ(期間合計)・・・指定期間のインプレッション/リーチ(投稿が表示される回数)の目標値と、目標に対する進捗状況が確認できる。目標値は、過去の実績から定めます
集計:インプレッション/リーチ(期間合計)・・・指定期間内に投稿が表示された回数の合計が確認できる
グラフ:フォロワー数(累計)・・・フォロワー数の推移グラフ。どのタイミングでフォロワーが増えているかなどを確認できる
グラフ:インプレッション数(期間合計)・・・・いつ、何回投稿が表示されたかを確認できる
投稿ランキング:反応数(BEST/WORST)・・・反応が良い、または反応が悪い投稿を確認できる
カスタム例②フォロワー数の分析
フォロワー数について詳細に分析し、フォロワー数の向上に役立てたいという場合は、フォロワー数の現状や、フォロワーがどのようなタイミングで増減したか、前月と比較してどうかといったことが分かるカスタム画面が作成できます。
目標:フォロワー数(累計)・・・目標のフォロワー数と、目標に対する進捗状況の確認
集計:フォロワー数(累計)・・・指定期間内に獲得したフォロワー数の合計の確認
集計:フォロワー数(増減)・・・指定期間内のフォロワー数の増減が確認できる
グラフ:フォロワー数(日々増減)・・・日次でフォロワー数の増減が直感的に確認できる
グラフ:フォロワー数(累計)・・・フォロワー数の推移が直感的に確認できる
表:フォロワー数(累計)・フォロワー数(増減)・ツイート数・リスト数(累計)・・・複数指標をまとめたテーブルで、前月との差分が確認できる
カスタム例③:自社サイトへの誘導数の分析
SNSからどれほど自社サイトに誘導できているかを詳細に分析したい場合は、URLクリック数に関するコンポーネントを集めたカスタム画面が作成できます。ここで、目標のURLクリック数を設定し、URLクリックが多い投稿や日次のクリック数増減などをチェックすることで、運用の改善につなげることができます。
目標:URLクリック数(合計)・・・目標のURLクリック数が設定でき、目標に対する進捗状況が確認できる
集計:URLクリック数(合計)・・・URLクリック数の合計が確認できる
集計:URLクリック数(1投稿あたり)・・・1投稿あたりのURLクリック数の平均が確認できる
ランキング:URLクリック数BEST5・・・月ごとにURLクリック数が多かった投稿のランキングを確認できる(Xの場合)
グラフ:URLクリック数(日次合計)・・・日次でURLクリック数の増減が直感的に確認できる
グラフ:URLクリック数(月次合計)・・・月次でURLクリック数の増減が直感的に確認できる
カスタム例④好意度形成のため、エンゲージメント数を確認したい場合
KGIを「好意度の形成」とし、KPIに投稿の保存数や「いいね!」数、コメント数などのエンゲージメント指標を設定した場合は、それらを集めたカスタム画面が作成できます。目標のコンポーネントをうまく活用しながら、運用の改善を目指していきましょう。
目標:保存数(期間合計)・・・保存数は、投稿がユーザーに保存された数のこと。目標の保存数が設定でき、目標に対する進捗状況が確認できる
目標:いいね!数(期間合計)・・・目標のいいね!数が設定でき、目標に対する進捗状況が確認できる
目標:コメント数(期間合計)・・・目標のコメント数が設定でき、目標に対する進捗状況が確認できる
グラフ:インプレッション数(期間合計)・・・日次でインプレッション数の増減が確認できる
グラフ:エンゲージメント数(期間合計)・・・日次でエンゲージメント数の増減が確認できる。インプレッション数とエンゲージメント数のグラフを比較しながら、インプレッション数とエンゲージメント数に乖離が見られたときに、その理由を分析して次の投稿作成に役立てることができます
ランキング:エンゲージメント率BEST5・・・月ごとにエンゲージメント率が高かった投稿のランキングを確認できる
まとめ
企業のSNS運用を成功させるには、明確な目標設定が必要なことや、KGI・KPIにあわせたレポート作成が重要なことをお伝えしました。
レポート作成の際は、コムニコ マーケティングスイートのようなSNS運用管理ツールを活用することで、SNSの企画や投稿予約の管理だけではなく、分析やレポート作成も容易になります。
また、月次のSNSレポートをパワーポイントで作成する場合は、分析コンポーネントのキャプチャを貼り付けると、視覚的にも分かりやすくなります。自動的にレポートとして表示されるため、当記事内でご紹介したように表示する指標をカスタムしておけば、コムニコ マーケティングスイートを確認するだけで、簡単な分析をすることができます。
ブランドごと、支店ごとにSNS運用をしている場合は、本社で一括分析を行うこともできるため、時短とリスク管理を同時に行えることもポイントです。
企業のSNS運用をより効果的に、効率的に行っていくためにも、SNS運用管理ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。