「コメントへの返信をするかどうか」は、企業でSNSの公式アカウントを運営している方なら一度は悩まれたことがあるのではないでしょうか。コメント返信をするかどうかは、運用ポリシーに関わることです。する/しないの正解はありません。
筆者は、SNS運用担当者と話をする機会が多くありますが、返信しているところ、していないところは、ほぼ半々くらいです。
コメント返信をしている企業は、ユーザーとのコミュニケーションを重視しており、積極的に返信することで、ユーザーもコメントしやすくなるので、エンゲージメントが高まりやすい傾向にあります。また、投票やアイデア募集など、ユーザーと一緒に考えるような企画がやりやすくなります。
運用ポリシーを決めるにあたって考慮する事項
なぜ、ソーシャルメディアを運用するのか?
ソーシャルメディアの運用の目的は何でしょうか。例えば、以下のような目的で運用しているのであれば、返信はしたほうがよいでしょう。
- ユーザーとのコミュニケーション・交流
- 親近感を持ってもらう
- ファンを作る
- ユーザーサポート
コメント返信の運用方法
- コメントへの返信は誰が担当するのか
- コメントの投稿前に、誰かの承認は必要か
- 1日どれくらいの時間をかけて対応するか
- 対応件数の上限は必要か。ユーザーとの距離感
- トンマナはどうするか
- 問題のあるコメントへの対応はどうするか
これらの質問の答えを、運用ポリシーとして明確にしてみましょう。その上で、運用の可・不可を考えます。不可の場合でも、運用方法の方針を見直すことで可能になる場合もあります。
例えば、個別ではなく、まとめて返信をする、返信が必要なコメントに絞って返信するといった運用にすることで、可能になることがあります。リソースが足りないなど、明らかに運用が不可能である場合は、無理にコメント返信する必要はありません。
コメントを返信しない場合の注意点
コメントを返信しない場合は、そのポリシーを明記しておきましょう。また、問い合わせなどが可能な窓口へのリンクを用意しておくことがおすすめです。
返信しない場合でも、ユーザーからのコメントは一通りチェックしましょう。ユーザーのコメントから得られる知見やアイデア、フィードバックは、今後の事業に活かせることも多いからです。
なお、コメントに返信しなくても、コメントに対して「いいね!」や「お気に入り」することで、ユーザーに「見ているよ」「ありがとう」の気持ちを伝えることができます。
コメントに返信する場合の注意点
コメントに返信する場合は、運用方法にしたがって返信できるような体制を整えます。苦情やお叱りのコメントについては、反論などはせずに素直に受け入れ、改善策を提示できるようにするのが理想です。
Twitterなどでは、一人のユーザーとやり取りが続いてしまうことがあります。「どこまで対応するか」は状況によって異なりますが、ある程度ルールを決めておくとよいでしょう。
質問などのサポートについて、すべて担当者が回答することは多くの場合不可能です。お問合わせの窓口を紹介する、あるいは確認する部署を決めておくなど、対応方法を決めておきましょう。
時に、政治的な発言、差別的な発言をする人もいます。そうしたコメントは対応せず、また他の人が見た時に不快に感じるので、非表示にしてもよいでしょう。
コメント返信のコツ
Facebookでは、コメントに返信するときは、返信のリンクからコメントをするようにしましょう。スレッド形式になり、どのコメントへの返信なのか、やり取りの流れがわかりやすくなります。

Twitterの場合は、ツイートへの返信であればそのまま返信としてコメントを返せます。

リツイートをした人へコメントすると、「元のツイートをした人」「リツイートした人」の両方が自動的に返信先として入力されます。これは「巻き込みリプ」と呼ばれ、嫌う人は非常に嫌うので、返信先についてはよく確認するようにしてください。
アクティブサポートをするには
Twitterでは、自社や自社のサービスについてツイートしている人を「検索」から探すことができます。発言をしている人を見つけたら、公式アカウントからリツイートしたり、話しかけていく「アクティブサポート」をしているアカウントもあります。話しかけなくても、ユーザーの声を傾聴することを「ソーシャルリスニング」とも呼びます。
ハンズどこだー!!! pic.twitter.com/MHXPadlyrY
— 夕海ソラ(旧:風沢ソラ)@ニコ生主 (@kikuhimereka) 2016年9月6日
その出口じゃないよ~
— 東急ハンズ@ハンズメッセ開催中 (@TokyuHands) 2016年9月6日
新南口が一番近いです。新宿タカシマヤさんの中です。先ほどの写真の場所からだとリンク先の地図のように向かっていただければ。 https://t.co/mdR6otu63q
— 東急ハンズ@ハンズメッセ開催中 (@TokyuHands) 2016年9月6日
いえ!今は新南口、という名前ではなく「新南改札」または「ミライナタワー改札」だと思います。ご来店お待ちしております~
— 東急ハンズ@ハンズメッセ開催中 (@TokyuHands) 2016年9月6日

株式会社深谷歩事務所代表取締役。ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援を行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、講演活動、動画制作も行う。またフェレット用品を扱うオンラインショップ「Ferretoys」も運営。
著書
『自社のブランド力を上げる! オウンドメディア制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さなお店のLINE@集客・販促ガイド』(翔泳社)
『SNS活用→集客のオキテ』(ソシム)
『小さな会社のFacebookページ制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さな会社のFacebookページ集客・販促ガイド』(翔泳社)