【Metaに聞いた】Threads(スレッズ)運用、7つのコツ
テキスト特化型SNS「Threads(スレッズ)」は、Meta社のInstagramチームが開発した新しいSNSです。
画像や動画中心のInstagramとは異なり、会話やアイデアの共有に特化しているのが特徴です。
2023年7月のローンチ以来、Instagramとの連携機能を武器に急成長を遂げ、2025年現在では月間アクティブアカウント数が3.2億を超えるまでに拡大しています。
本記事では、Threadsの最新情報、運用のコツをMeta日本法人Instagram広報 市村怜子さんにお伺いしました。今だからこそ取り入れたい「Threads運用の7つのコツ」をご紹介します。
2025年、Threadsは3.2億人が活用する成長中のSNS
まずはじめに、ThreadsとはどんなSNSか教えていただきました。
「Threads(スレッズ)とは、テキストコミュニケーションを中心としたSNS。Meta Instagramチームが開発し、Instagramとの連携によって、同一のアカウント名で運用できるのが大きな特徴です」
(出典/Meta)
「直近のデータによると、Threadsの月間アクティブアカウント数は3.2億、デイリーアクティブアカウント数は1億に達しています。(ともに2025年1月時点)
特にアジア地域での利用が伸びており、日本、インド、台湾は注目エリア。その中でも日本は、プロダクト開発チームが頻繁に調査を行っている地域でもあります。実際にThreads広告などは米日のみで先行テストが行われていました。
日本の利用者の特徴として、グローバル平均よりも写真投稿が多いことが挙げられます。
特に、複数写真を含むカルーセル投稿が人気を集めています。トピックのタグ付け投稿も多いのが特徴です」
(出典/Meta)
トピック機能やトレンドランキングの実装も進み、ユーザーは興味関心を軸にした会話を楽しめるようになっています。
今後どうなる?プロダクト開発の3つの柱
Threadsの機能改善が今後どうなっていくか、プロダクト開発の柱を教えていただきました。
タイムリーな情報発見
「日本とアメリカでトレンドランキング機能を導入し、タイムリーな情報発見ができるようになりました。このランキングは非パーソナライズ型で全員同一表示となっています。タグ付けを活用しながら、トレンドにあわせた投稿で楽しむことがポイントとなりそうです」
ユーザーが安心して使える環境
「ミュート、ブロック、非表示ワード設定などでカスタマイズ可能なのもThreadsの特徴です。InstagramでブロックしたアカウントはThreadsでもブロックされる仕様となっており、ユーザーが見たい情報をおすすめできるようにしています」
クリエイター支援機能
Threadsではユーザーが見たい投稿が増えるよう、クリエイター支援も行っています。例えば、投稿ごとのインサイト機能を活用してより良いコンテンツ作りに役立ててもらっています。ほかに、クリエイター向けサイトで活用方法や成功事例の紹介もしています。
SNS担当者が押さえておきたいThreads運用のコツ7選
今なお成長を続けるSNSであり、グローバルでみても日本の活用は顕著です。企業のSNS運用担当者においても、「そろそろThreads運用を始めるべきか?」悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
ここでは、Meta日本法人Instagram広報 市村さんに教えていただいたThreadsをビジネスで活用するための実践的なヒント7つをまとめました。
1.Threadsのベストな投稿頻度は「週2〜5回」
「多くのSNS担当者が「投稿が多すぎると嫌がられるのでは」と懸念しがちですが、Threadsにおいてはその心配は少ないと言えます。むしろ、投稿数が多い方がエンゲージメントが高まる傾向にあり、1日1回以上の頻度でも問題はありません。
Threadsでは、投稿頻度が高い方がエンゲージメントにつながる傾向があります。週に2〜5回を目安に、無理のない頻度で継続投稿を心がけましょう。
さらに、傾向を見ていくと、返信などのコミュニケーションも含めて、ユーザーが会話に参加することが重視されているようです。Threadsでは、投稿だけではなく、返信まで全部を見ているユーザーが多いため、質の高い会話を重視してコメントが多くなるよう意識するのがおすすめです」
2.テキスト×画像・動画でのハイブリッド投稿が効果的
「多くのエンゲージメントを獲得しているクリエイターはテキストのみ、テキスト + 複数枚画像、投票、GIF、 音声投稿など色々なフォーマットを試している傾向があります。
Threads投稿の63%はテキストのみですが、画像・動画を加えた投稿も増加中。ビジュアルが補完されることで、視認性と理解度が高まります。画像・動画も活用して組み合わせた投稿を実施するとよいでしょう。
画像や動画のみの投稿ではなく必ずテキストを入れることをおすすめします。テキスト無しで画像や動画をシェアした投稿よりもテキスト有りの投稿が大幅にパフォーマンスが良い結果が出ています。
画像サイズは縦幅で自動調整されるため気にしすぎる必要はありません。色々試してみましょう」
不安な方はWe Love Social編集部でまとめた推奨サイズも確認してください。
参考記事:SNS投稿に最適な画像サイズ一覧!Instagram・X(Twitter)・TikTok・LINEなど-Threads画像サイズ
なお、現在のところ、コンテンツタイプによるアルゴリズム差はないようです。(2025年4月Instagram&Threads master class回答より)
3.「トピック」の付け方は重要、トレンドにのることも◎
「Threadsでは、投稿に一つだけ「トピック」を付けられます。「広すぎず、狭すぎず」「具体的にイメージできる」トピックを心がけましょう。ハッシュタグに近い役割となっており、付け方もハッシュタグ同様に考えて良いでしょう」
参考記事:Instagramのハッシュタグ選定で必要な考え方と活用事例
現在、Threadsのトピックは最大50文字まで入力可能で、投稿者名の横に表示されます。これにより、どんな内容かが視覚的にも分かりやすくなり、投稿の滞在時間が長くなったり、コメントのやり取りをみるきっかけになりそうです。
長すぎると省略されてしまうため端的な見出しのような形で使用してはどうでしょうか。
「トレンドランキング」は、日本と米国で展開されている機能。全ユーザー共通の非パーソナライズ型。そのため、同じ話題で多くのユーザーと会話しやすいという特徴があります。
なお、トレンドになっているキーワードが投稿テキストに含まれていると「⚡️トレンド中:キーワード」としてラベルが表示されています。
トレンドの更新頻度について、Metaは明確な公表をしていませんが、「関連性が薄れたら切り替わる」とのこと。場合によって数日間同じ話題が残ることもあるようです。記念日など予測できるトレンドはThreadsでも活用していきましょう。
4.積極的に返信して会話に参加する
「Threads利用者の多くが投稿だけでなく、興味深いと感じた返信を読むのに時間を費やしています。 実際にThreadsの閲覧数のほぼ半分を返信が占めている状態です。(出典/Threadsを利用しているグローバルのクリエイターについて2024年上半期の30日間に渡って分析した内部データより)
自分の投稿に返信があった場合、積極的に会話に参加して返信するようにしましょう。 会話を促す投稿は「おすすめ」される可能性が高くなるので他の利用者が自分の考えやアイディアを共有したくなるようなコンテンツを投稿していくのがおすすめです」
We Love Social編集部による検証:
コメントが多い投稿で閲覧数が増える傾向がありました。Threads活用の成功事例でもコメントによるコミュニケーションを繰り返すことで共感され、ファンづくりができているものが目立ちます。
5.ユーザー体験を整える機能を活用
「SNSプラットフォームをビジネスで活用してもらうためには、そのSNSにいる利用者が過ごしやすい環境である必要があります。
これは主に一般利用者向けの機能ですが、Threadsにはミュート、ブロック、非表示ワードの設定など、利用体験を整えるための機能が充実しています。安心して運用するためにも、アカウントの環境整備をしておくようにしましょう」
参考:Threadsの設定
Threads1周年を記念したイベントに登壇したゲストも、この機能を活用。自ら非表示設定を細かく設定することで自分にとって居心地のよい場所づくりをしているそうです。
参考記事:スレッズどう使う?1周年記念イベント開催レポート-Threads 1st Anniversary Master Class Report-
6.インサイトを活用して改善!PDCAサイクルを回す
「Threadsは投稿ごとのパフォーマンスを確認できる『インサイト機能』を提供。どの投稿が反応を得ているかを分析し、次回以降の改善につなげましょう」
「インサイトはPC/アプリ両方で確認することができます。閲覧数やインタラクション、トップ投稿のほか、地域、年齢、性別比率も確認できます。ぜひ役立ててください」
7.Instagramとの連携を活かす
「Threadsでの投稿はInstagramプロフィールに表示され、相互送客の起点にもなります。特に写真や動画を含めたビジュアルコンテンツとテキスト組み合わせることを意識すると、より効果的な運用が可能です。Instagramよりもコメントしやすい傾向もあるようです。ぜひコミュニケーションに活用してください」
We Love Social編集部による検証:
Threads投稿の閲覧数が増えて「バズ」状態になったとき、Instagramのプロフィール閲覧が増加しフォロワーが増えたことがありました。この時、Instagramの発信内容とThreads投稿は関連性のないものでしたが、ThreadsからInstagramへの流入につながり、結果としてInstagramの新規フォロワーが増えたと考えられます。
ThreadsとInstagramで一貫したコンテンツ発信を行っている場合はより高い成果が得られるのではないでしょうか。たとえば、Instagramでは作品を投稿し、Threadsではそのレシピや制作秘話を投稿するなど。連携方法は様々考えられそうです。
アルゴリズム解説:Threadsアカウントを成長させるヒント
Threadsのアルゴリズムでも、Instagram同様「シグナル」とよばれるアクションの積み重ねがおすすめ表示に関わってきます。
投稿に「いいね」するか
投稿からフォローするか
プロフィールを見るか
なお、おすすめフィードのアルゴリズムではユーザーが既にフォローしているアカウントの投稿をより優先するようになっています。そのためすでに利用していたユーザーの中でインサイトで「閲覧」を見ると11月中旬以降はフォロワーのリーチが増え、 フォロワー以外のリーチが減っている可能性あります。
先行者優位はまだある?Threadsを今こそ始めるべき理由
2023年7月にリリースされたThreads。
そろそろ新しいSNSから成熟したSNSへと向かっているように感じます。実際のところ、先行者優位というのは今でもあるのでしょうか?
「月間3.2億のユーザー数という数字はインパクトがありますが、Instagramなどと比べるとThreadsのビジネス利用率はまだ限定的です。
日本市場でも積極的に運用している企業はまだ限られており、少しずつ増えている印象ですが、Instagramの投稿をシェアするなどの方法で気軽に始められるためリソースが限られているローカル企業や中小ブランドにもおすすめです。今から取り組むことで目立つポジションを取れる可能性があります」
SNSの新しい波に乗ることは、単なる露出以上にブランドイメージの向上や、次世代ユーザーとの関係構築にもつながります。今後まだまだ利用者が増加していくことを考えると、Threadsの企業アカウントの参入は決して遅くないようです。
Meta広告が拡大!Threads広告がリリース!
ビジネスとしてThreadsを活用するポイントはもう一つあります。
2025年4月23日にThreads広告が全世界に公開されました。Threads広告については2025年1月から日米の一部広告主を対象としたテストが行われおり、それが正式にリリースされた形です。
他のMeta広告同様、インフィード型で馴染むように掲載されます。
すでにMeta広告を活用している場合は専用のクリエイティブや追加のリソースを必要とすることなく、広告マネージャで該当する項目をチェックするだけで利用開始できます。広告マネージャを通じて既存のMeta広告キャンペーンを拡張し、Threadsにも広告を掲載できるようになりました。
参考:https://about.fb.com/ja/news/2025/01/ads-for-threads/
Threads運用に関するよくある質問【Q&A】
ここで、Threads運用についてよくある質問をまとめました。回答はMeta日本法人Instagram広報 市村さんによるもの。
Q1:ThreadsとInstagramのおすすめ投稿は連動していますか?
「はい。Threadsのおすすめフィードには、ユーザーがInstagramで過去にエンゲージしたアカウントの投稿が表示されることもあります。
ただし、エンゲージメント履歴や投稿の新しさ・人気度などをもとにパーソナライズされているため、Instragramと同じ内容が表示されるとは限りません」
Q2:トピックの文字数制限はありますか?
「はい、最大50文字まで入力可能です。トピックは投稿者の名前の横に表示され、閲覧者にとっても「この投稿が何についてか」が一目で分かるようになっています」
Q3:ThreadsとInstagramを使い分けたい。ユーザーネームの変更は可能ですか?
「ThreadsとInstagramのユーザーネームは基本的に連動しており、ユーザーネームを変更することはできません。Instagramアカウントが複数ある場合はユーザーネームを変更しているように見えるかもしれません」
Q4:詳細検索の使い方は?
「Threadsアプリ上で、検索バーの右横にあるスライダーアイコンから詳細検索設定が可能です。キーワードに加えて、アカウント名や日付での絞り込みもできます。たとえば「@Mosseri 2025年1月1日以降の投稿」など、ピンポイント検索が可能です」
まとめ|Threadsは“人と人”の関係を育てるSNS
Threadsは、開発元や連携ができる点でInstagram、テキストSNSであることでX(Twitter)と比較されがちですが、本質的には「会話」「共感」「関係性」に軸足を置いたSNSです。
多くのユーザーが「参加したい」「コミュニケーションをしたい」と思うようなコンテンツが注目を集めることがお分かりいただけたのではないでしょうか。企業が一方的に情報を届けるのではなく、ユーザーとのやり取りの中で相互にコミュニケーションをとっていくことでブランド価値を築くことができるでしょう。
Threadsは、Instagramとの連携や、リプライによるコミュニケーションの蓄積というところで、企業やブランドのファン作りをしていくために活用したいSNSプラットフォームです。これからのマーケティング戦略においてThreadsは見逃せない存在となってきそうです。
企業・ブランドで活用を進めていく際に、「運用方針に悩んでしまう」「コメント返信のルールや想定問答集をどう作るかわからない」という場合もあるかもしれません。その際は、We Love Socialを運営する株式会社コムニコにご相談ください。
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2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。