商品紹介などフォロワーとコミュニケーション手法として多くの企業がライブ配信(ライブコマース)を行うようになりました。
中でも、Instagramで利用できるインスタライブ(Instagramライブ)は、気軽に配信ができ、企業公式アカウントでの利用も活発です。
そこで今回は、インスタライブの基礎知識やインスタライブのやり方、企業の成功事例などをご紹介します。
インスタライブとは
インスタライブ(Instagramライブ)とは、Instagramアプリ内から配信できるライブ動画で、アカウントさえ持っていれば、誰でも配信することができます。ライブ配信中に視聴者からコメントを受け付けることで、視聴者とのコミュニケーションも図ることができます。
人気インスタグラマーやタレントなどの有名人が配信しているライブを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
アパレルショップや飲食店をはじめとする企業公式アカウントでも、リアルの接点の創出が厳しくなったコロナ禍以降、インスタライブを活用してライブ上でのコミュニケーションを実践する事例が増えました。
今ではフォロワーとコミュニケーションするだけでなく、ライブで商品紹介を行い、ECサイトに誘導して購買につなげている事例も多く見られます。ライブ配信を通じて商品を販売する手法を「ライブコマース」といいますが、ライブコマースに使える機能もあり、たとえば商品に付けられたショッピングタグから商品詳細ページへの誘導やECサイトへの送客などがスムーズにできるようになっています。
インスタライブのやり方・手順
インスタライブは、次の手順で簡単に利用できます。
1.Instagramアプリから「ライブ」を選択
Instagramのアプリ上で、ホーム画面下部の中央にある「+」をタップします。画面右下の文字を左にスワイプし、「ライブ」を選択します。
または、自分のアイコンをタップしてプロフィール画面から「+」をタップして「ライブ」を選択します。
2.ライブ配信設定を行う
必要に応じて、オーディエンス(配信対象者)、ライブのタイトル、フィルター、ライブのアーカイブ保存の有無などを設定します。設定できる項目やその設定例を以下に説明します。
・オーディエンスの設定方法
インスタライブを配信する相手を選択できます。配信対象を限定しない場合は「すべての人」になっていればOKです。配信対象を指定したい場合は「親しい友達」を選択してください。また、「練習」を選択すると、オーディエンスなしでライブの練習ができます。練習のライブ動画は、アーカイブに保存して後から見直すこともできます(保存の仕方は後述)。
・ライブタイトルの設定
画面左のアイコンから、インスタライブのタイトルを付けることができます。
・フィルターをかける
画面下部の画像をスワイプしてフィルターを選ぶと、ライブの配信画面に映る画像にエフェクトをかけることができます。
・ライブをアーカイブに保存する
画面右上のアイコンから、ライブ動画をアーカイブに保存するかどうかを設定することができます。
・ライブの予定を設定する
事前にライブ配信の日時を指定することも可能です。そうすることで、フォロワーが事前にライブの詳細を確認したり、配信開始前にリマインダーを受け取ったりすることができるようになります。
3.ライブ配信開始
画面下部中央にあるボタンを押し、ライブ配信をスタートします。
企業がインスタライブを活用するメリット・デメリット
企業がインスタライブを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
- フォロワーとのコミュニケーション
企業公式アカウントのフォロワーとコミュニケーションを深めることができます。ライブ上でのコミュニケーションは、投稿へのいいねやコメントを通じたコミュニケーションよりも、リアルタイムで人間らしい温度感のあるものだと言えます。 - エンゲージメント増
リアルタイムで人間らしい温度感のあるコミュニケーションによって、エンゲージメントの向上が見込めます。 - 購買数増
ライブ配信による商品紹介では、通常の投稿よりも商品やサービスの詳細がわかりやすく、購買につながる情報を伝えることができます。また、話し方の工夫で商品をより魅力的に伝えることができれば、さらに購買につなげやすくなります。 - フォロワーインサイト、顧客理解
直接コメントをもらうなどコミュニケーションを行うことで、フォロワーが施策や商品についてどう感じているのかを知り、顧客理解に役立てることができます。 - 配信後のコンテンツ活用
ライブ動画は、配信後リールとしてシェアすることもできます。通常のリールは3分以内の投稿となるため、活用の際はダウンロードして編集するのがおすすめです。ライブ動画はそのままシェアすることもできますが、編集することでリールや広告クリエイティブへも活用できるため、コンテンツ素材として考えるとよいでしょう。
一方で、インスタライブの開催においては、以下のような点がデメリットだと言えるかもしれません。
- 演者や台本作成、機材の用意が必要
ライブ配信には出演者が必要となります。また、滞りなく進行するための台本作成や、商品をきれいに映すための照明などの機材も、場合によっては用意する必要があるでしょう。 - コメント対応やアフターフォローを行うための人員の確保
ライブ中のコメントやライブ配信後などに、視聴者から質問や意見が寄せられることがあります。人員の不足でそうした質問や意見の対応が後回しになってしまえば、企業のイメージダウンにもつながりかねません。反対に、質問や意見に真摯に対応することで、エンゲージメントの強化につなげることもできます。
「autou」などDM自動返信ツールを活用することも検討してみましょう。 - 不用意な発言によるイメージダウン
ライブ配信は通常リアルタイムで行われるため、発言を編集したり取り消したりすることはできません。不用意な発言で視聴者を傷つけたりすることがないよう、台本を準備する、リハーサルを行うなど十分な注意が必要です。
ライブ配信前に準備しておくべきこと
ライブ配信はリアルタイム、生放送で行われるため、あとから修正したり、気軽に中断したりすることはできません。配信直前や配信中に慌てないために、配信の内容や全体の流れ、配信環境の整備、質疑応答の想定問答集など、事前準備をしっかりとする必要があります。
たとえば以下のようなチェック表を作成し、事前準備やリハーサルの上で進めるようにしましょう。
よくある質問と回答
Q:インスタライブはどうやって見るの?
フォローしているアカウントがインスタライブを開始すると、配信対象者に通知が送信されます。また、ライブ配信を行っているアカウントのアイコンには「LIVE」という表示が現れ、そのアイコンをタップすることでインスタライブを視聴することができます。
Q:インスタライブを配信するために必要なものは?
インスタライブを配信するには、出演者や台本、配信場所、機材などが必要です。機材であれば、人や商品をきれいに映す照明や、声をはっきり拾うためのマイク、途切れることなく接続できるネット環境などが挙げられます。また、必要に応じて配信の事前告知を行うことで、より多くの人に見に来てもらうことができます。
Q:アーカイブはダウンロードできる?
「インスタライブのやり方」の項で説明したように、事前にアーカイブを保存するよう設定することができます。保存期間は30日。その間にダウンロードするか、リールに投稿することでその後もアーカイブを残すことができます。
Q:コメントを表示させないようにすることはできる?
インスタライブの配信開始後、コメント入力欄の右側にある「…」をタップすると、コメントをオフにすることができます。
Q:ライブコメントに自動応答させることはできる?
ライブ配信中、コメントに対応するリソースがないという場合は、「autou」などの自動返信ツールを使用すれば可能です。「autou」は、インスタライブ配信中に指定のキーワードが含まれるコメントがあった場合に、InstagramDMを使って自動でメッセージを返信します。
企業のインスタライブ成功事例
企業アカウントが実施しているインスタライブの事例をいくつかご紹介します。
■COHINA -150cm前後の小柄女性向けブランド-
小柄女性向けのファッションアイテムを販売するCOHINA(コヒナ)は、ほぼ毎日と言っていいほど頻繁にインスタライブを実施しています。ライブはややくだけた親しみのある雰囲気で、雑談をしたりコメントを取り上げたりしながら進んでいきます。
基本的には、発売したばかりの商品や、発売の近い商品の紹介を行っており、スタッフが自分の言葉で商品の良さを紹介することから、商品に素直に興味を持てるような内容となっています。
■LOWYA(ロウヤ) | インテリア | 家具
家具やインテリアの販売を行うLOWYAは、1週間に1回のペースで商品などを紹介するインスタライブを開催しています。新作の商品はもちろん、全国にある実店舗から配信を行い、その店舗に展示してある商品を紹介したり、スタッフ宅のルームツアーをしながら家具を紹介したりと、いろいろな企画を行っています。
Instagramストーリーズで事前アンケートを取り、紹介する商品のラインナップの参考にしたりもしているようです。また、出演するスタッフがあだ名で自己紹介するなど、親しみを持ってもらう工夫も行っています。
■エトヴォス(ETVOS)
メイク・スキンケアブランドのエトヴォスは、月に1回ほどのペースでインスタライブを実施しています。内容にあわせて、メイクアップアーティストやモデルといったゲストを招いて配信を行っていることも集客につながっているようです。
また、自動返信ツールを活用し、毎回のライブごとに指定したキーワードをコメントしてもらうことで、商品の詳細がわかるDMを送付する仕組みにしています。視聴者が知りたい情報に簡単にたどり着けるよう工夫されています。
■ドン・キホーテ公式
タレントやインフルエンサーをゲストに迎えて、不定期でインスタライブを実施しています。タレントやインフルエンサーが登壇するリアルイベントの様子を配信する場合が多く、ドンキへの印象やイベントの感想などをインタビューしたり、商品の紹介を行ったりしています。
ドン・キホーテは、ライブ配信を利用してキャンペーンも実施しており、その効率化のためにInstagramDM自動返信ツールを活用。「autou」を導入して、配信の視聴者を対象に自動で当選者選定や当選通知のDM送信などを行っています。これによって、2〜3時間かかっていた作業が5分に短縮されるなど、大幅な手間の削減が実現しました。
導入事例:ドン・キホーテ(PPIH)様|作業工程が97%減!インスタライブ×チャットボットでキャンペーンの圧倒的効率化を実現
資料ダウンロード:DM自動送信ができるチャットボットツール「autou」とは?導入メリットをチェック
まとめ
インスタライブは、企業や商品の魅力を直接知ってもらったり、リアルタイムのコミュニケーションを通して親しみを持ってもらったりすることができる、非常に有効な手段です。事前準備にはある程度の手間をかける必要がありますが、通常の投稿やストーリーズよりも高いエンゲージメントが期待できます。通常投稿やストーリーズと並行して、ぜひ定期的に実施してみてください。
ライブ配信中のコメント返信や、DMを通じたさらなる情報の発信などには、Instagramチャットボットツールの活用が便利です。「autou」は、特定のキーワードを含むコメントに対してDMで自動返信を行うほか、Instagram上での即時抽選(インスタントウィン)キャンペーンなどにも活用できます。
「autou」は、これまで2,200件の運用支援実績のある株式会社コムニコのInstagram運用知見から、Metaによるサービス認証を受けて提供しているツールです。手作業を減らすことでミスなく、手間を減らしながら、コミュニケーション量を増やすことができます。フォロワーとのやり取りを増やすことでInstagramアルゴリズムにもプラスの効果があるので、ぜひ検討してみてください。
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2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。