企業のキャラクターアカウント運用のメリットとは?X(Twitter)・Instagram・TikTok事例紹介
X(Twitter)やInstagramなどのSNSで、オリジナルキャラクターの名前やアイコンを使った「キャラクターアカウント」を運用する企業やブランドが増えています。
キャラクターを活用したマーケティングは、ファンを増やしたり、キャラクターを起点に企業やブランドに興味を持ってもらったりと、認知度やブランド好意度の向上に非常に有効です。また、キャラクターの人気が高まれば、グッズ発売などのIPビジネスに発展する可能性もあります。
様々な興味関心・背景をもつ消費者と接点を持ちやすいSNSは、キャラクターマーケティングに適しているのではないでしょうか。そこでこの記事では、キャラクターアカウントの運用方法や事例をご紹介します。
キャラクターアカウントとは
キャラクターの名前やアイコンで運用される公式SNSアカウントのこと。主に、キャラクター自体の周知やブランディング、そのキャラクターに関する告知、そのキャラクターが広告塔を務めるブランドや商品の周知などを目的としています。
キャラクターアカウント運用の方向性は、大きく以下の2つに分けられます。
- 作者やスタッフ(中の人)による運用
- キャラクターによる運用
運用の方向性別に事例を見ていきましょう。
作者やスタッフ(中の人)が運用するアカウント例
キャラクターの作者が運用するキャラクターアカウントは、そのキャラクターを用いたイラストやマンガといった作品の投稿、キャラクターに関する告知、キャラクター自身の独り言などの投稿がよく行われます。
スタッフが運営するアカウントは、キャラクターをアカウントの象徴として据えながらも、投稿内容はキャラクターに関することよりも、商品や作品の告知がメインとなる場合が多いです。
アカウントそのものにキャラクターのイメージをつけることで、親近感を持たせています。
■ちいかわ💫アニメ火金
「ちいかわ」のキャラクターアカウント。マンガやイラストの投稿のほか、アニメやイベントの告知なども行っています。フォロワーは300万人以上で、幅広い世代から人気を集めています。
■アニメ『夜は猫といっしょ』公式🐾
猫アニメ『夜は猫といっしょ』の情報アカウント。作品に登場する猫のアイコンで、アニメの公開情報やグッズ情報、イベント情報などを発信しています。
■わかさ生活 広報部
わかさ生活の広報部が運用するアカウントです。しかし、企業の堅い印象はなく、アイコンであるわかさ生活のオリジナルキャラクターに加え、投稿写真に写る“中の人”も馬のお面を被るなど、全体的にユニークにキャラクタライズされている印象を受けます。また、他社に訪問した際には、相手企業の担当者も巻き込んでおもしろ投稿を行っており、万単位の“いいね”が付くこともしばしば見られるなど、ユーザーに広く受け入れられています。
キャラクター自身が運用するアカウント例
キャラクター自身が投稿を行い、運用しているように見せているアカウントです。口調や投稿内容により、そのキャラクターの個性が表現できます。ユーザーにキャラクター自体を好きになってもらうことで、そこから企業や商品への興味につなげることができます。
■三井住友銀行 公式(ミドすけ)
三井住友銀行のオリジナルキャラクター「ミドすけ」がくだけた口調で投稿を行うことで、銀行のお堅いイメージを払拭し、ユーザーに親しみを持たせています。投稿内容はサービスやキャンペーンに関するものが多いですが、そうしたものをキャラクターが紹介することで、ビジネスっぽさを薄めています。
■チキンラーメン ひよこちゃん
日清が展開するチキンラーメンのキャラクターが運営しているアカウントです。可愛いというよりも、シュール、面白いといった印象の投稿を行っています。時折商品に関する投稿も見られますが、普段はキャラクターをメインにしたインパクトの強い画像と、それを引き立てるテキストで、“いいね”が10万以上になることもしばしば。投稿を楽しみにしているファンが一定以上付いていることが予想されます。
■お〜いお茶くん【公式】
伊藤園の「お~いお茶」のキャラクターが運営するアカウント。プロフィール欄に性格や口癖が書かれており、多くの投稿が口癖の「お~い」から始まるなど、しっかりとキャラづけが行われています。語り口は丁寧な敬語で、幅広い年代のユーザーに受け入れられそうです。
キャラクターアカウント運用のメリット・デメリット
通常の企業アカウントやブランドアカウントのほか、キャラクターアカウントを運用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。デメリットもあわせて、簡単にまとめました。
メリット
- 露出が増えやすい
- 独自性があり印象に残りやすい
- ブランディングにつながる
メリットは、キャラクターによって生まれるストーリー性やインパクトで、ユーザーの目に留まりやすく、好感度も高まりやすいこと。また、キャラクターごとに独自性も確立しやすく、企業やブランドのブランディングにもつながります。
デメリット
- キャラクター設計を行う必要がある
- 認知拡大のために適切な施策が必要
- キャラクターの好感度が会社のイメージに直結する
デメリットは、どのような口調でどのような絵文字を使って話すのかなど、事前トンマナやペルソナなどキャラクター設計をきちんと行う必要があり、手間がかかること。また、万が一キャラクターの発言が原因で炎上が起きた場合は、そのキャラクターだけでなく企業やブランドのイメージも低下してしまう恐れがあります。
キャラクター設計をきちんと行って独自性が出せれば、ユーザーの目に留まりやすくなる、好きになってもらいやすくなるという大きなメリットがあります。特にSNSでは、不特定多数のユーザーの目に触れたり、接点を増やしたりすることができるため、キャラクターを入り口に企業やブランドのファンを増やす手法として活用できそうです。自社のキャラクターが既にある場合は使ってみてはいかがでしょうか。
どのようにキャラクターアカウントを運用すべきかわからないという場合は、コムニコにご相談ください。キャラクターの設計やアカウントの運用実績がありますので、ぜひ一度ご相談ください。
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企業のキャラクターアカウント運用事例
キャラクターアカウントと一口に言っても、SNSが異なれば、訴求できる層や訴求に適した内容、期待される効果なども異なります。そこで、2つ以上のSNSで同じキャラクターのアカウントを開設している事例を、SNSごとの使い分けとともにご紹介します。
■ゼスプリキウイ -キャラクター運用
キウイブラザーズというキャラクターを展開するゼスプリキウイは、Instagram、X、TikTokの3つのSNSでキャラクターアカウントを運用しています。
訴求内容はそれぞれのSNSで異なり、Instagramでは実写の画像とともにゼスプリキウイを使ったレシピの投稿、Xではイラストとともにキウイにまつわる情報やキウイブラザーズの日常についての投稿、TikTokでは音楽を付けた動画の投稿と使い分けています。Instagramは画像メイン、Xはテキストメイン、TikTokは音楽メインと、SNSの特性に応じてコンテンツを変えていることがポイントです。
Instagram:https://www.instagram.com/zespri_jp/
X(Twitter):https://x.com/zespri_jp
見てるとちょっと涼しくな~~る~~🧊
— ゼスプリキウイ公式 (@zespri_jp) August 10, 2024
明日のおやつは
フローズンキウイなんてどうかな❓
📝キンッキンに冷やしてみてね!https://t.co/xlRDf90jGC pic.twitter.com/0faIP0hgGJ
TikTok:https://www.tiktok.com/@zespri_jp
@zespri_jp いくつ覚えた?10種の栄養素 #栄養素ダンス ♬ オリジナル楽曲 - ゼスプリ キウイ
■dポイントクラブ -中の人運用
dポイントクラブのキャラクターは、黄色いインコのポインコ兄弟。Xでは、ポインコ兄弟の静止画のイラストとともにキャンペーン情報を提供するほか、フォロワーに簡単な質問をしてリプライや引用リポストを通したコミュニケーションを試みています。一方、Instagramでは、一部が動くポインコ兄弟の画像を用いて、キャンペーン情報やサービス情報の紹介を行っています。また、クイズや型はめゲームなど、ゲーム要素を積極的に取り入れている様子も見られます。
Instagram:https://www.instagram.com/dpoint.official/
X(Twitter):https://x.com/dpoint_club
/
— dポイントクラブ (@dpoint_club) August 13, 2024
🗣突然ですが…クイズです!
dポイントが利用できる店舗は今何店舗あるでしょう❓
番号で答えてね!
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1⃣110,228店舗
2⃣42,109店舗
3⃣108,522店舗#dポイント がたまる・つかえるお店は続々増加中!😆 pic.twitter.com/8vvgWfi8om
■ざっくぅ(J:COM) -キャラクター運用とサービスアカウントを併用
J:COMが運営するケーブルインターネットZAQのキャラクターであるざっくぅは、Instagramでは壁紙の配布や、過去のイラストの紹介を行うなど、画像を楽しんでもらうことに注力しています。一方X(Twitter)では、「ざっくぅ」の名にちなんで午後3時9分をお知らせしたり、記念日にちなんだ投稿や高校野球などの時事ネタを取り入れた投稿を行ったりと、Xのリアルタイム性を生かした運用が見られます。
また、J:COMではキャラクター運用のほかだけサービスや番組コンテンツ等について発信するアカウントも運用しており、双方を効果的に活用されています。
Instagram:https://www.instagram.com/zaq_official/
X(Twitter):https://x.com/zaq_official
/#ざっくぅ が午後3時9分をお知らせ📢
— ざっくぅ【公式】 (@zaq_official) August 15, 2024
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時には、の〜んびり過ごすことも大切だよね💛#JCOM pic.twitter.com/h1rclmiWVv
■三井住友銀行 -媒体によって使い分け
SMBCの場合、同社のキャラクターであるミドすけが運営するアカウントはXの方のみですが、Instagramでもアイコンにはキャラクターが用いられています。
Instagramでは、自社のサービス情報やお金にまつわる豆知識などのコンテンツの中に、ミドすけが踊っている動画も上がっています。一方Xは、ミドすけ自身が情報を発信。自社のリリース情報のほか、記念日にまつわる投稿など、リアルタイム性を生かした投稿を行っています。また、語り口は友達口調で、銀行にありがちな堅いイメージよりも、親しみのある印象を与えています。
Instagram:https://www.instagram.com/smbc_official/
X(Twitter):https://x.com/smbc_midosuke
8月15日は #親に会いにいこうの日 なんだって!
— 三井住友銀行 公式(ミドすけ) (@smbc_midosuke) August 15, 2024
帰省のタイミングで、大切なお金について家族で話す人も多いみたい。
そうそう、いつもの銀行で、相続の相談もできるらしいよ。
・・・っていうかおじいちゃんたち、こんなところに住んでたっけ?#ミドすけ #帰省https://t.co/EJvgk2dfCd pic.twitter.com/nOsqKrJJX0
■チキンラーメン ひよこちゃん -キャラクター運用
日清食品が提供するチキンラーメンのキャラクターであるひよこちゃんは、InstagramとXで基本的に同じ内容のコンテンツを投稿。テキストの一言と画像のどちらにも強いインパクトがあるため、どちらのSNSにも応用が利いています。Xよりも拡散性の劣るInstagramでは、Xよりもハッシュタグを多く付けることで、検索性を高めていることがポイントです。
Instagram:https://www.instagram.com/chickenramen_hiyoko/
X(Twitter):https://x.com/nissin_hiyoko
寂しくて眠れないのでお邪魔します#不眠の日 pic.twitter.com/kQqrnoAqCi
— チキンラーメン ひよこちゃん (@nissin_hiyoko) July 23, 2024
まとめ
SNSでキャラクターアカウントを運用することは、インプレッションやリーチの獲得に有効です。また、キャラクターのファンになってもらうことによって、企業やブランドへの興味喚起や好意度向上なども見込めます。「推し活」などがブームになっている今、キャラクターの活用はマーケティングの有効な手段のひとつではないでしょうか。
しかし、「自社のキャラクターはいるけど活用できていない」「キャラクターアカウントを運用してみたいけれど、何から手を付けていいかわからない」などノウハウがない場合は、ぜひコムニコにご相談ください。キャラクターを創り出すところから対応できますし、SNSではこのように運用しよう、という計画を立てることも可能です。
これまでの豊富な実績から、キャラクターの設計やアカウントの運用まで、しっかりとサポートいたします。
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2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。