本記事は、株式会社AKOMEYA TOKYOの柘野英樹氏、藤村奏美氏をお招きし、株式会社ジソウとコムニコ計3社で開催した「AKOMEYA TOKYOは1年間で何を変えたのか? Instagram運用を内製化する秘訣」セミナーレポートです。
AKOMEYA TOKYOの運用体制、投稿戦略、社内での成果の共有方法まで、Instagram運用を内製化するための秘訣を詳しくお話しいただきました。
AKOMEYA TOKYOとは
AKOMEYA TOKYOは、お米を中心に食品、食雑貨を扱うライフスタイルショップ。直営店を中心に25店舗、神楽坂にフラッグシップストアがあります。雑貨のほか、2店舗の食堂も展開しています。(記事公開時点)
Facebook、Instagram、X(Twitter)、LINE、4つのSNSを運用し、中でもInstagramは熱狂顧客層をメイン対象としたコミュニティとして積極的に運用しています。
AKOMEYA TOKYOでは、Instagramアカウント運用において、自社の温度感・表現で発信していきたいという想いがありました。そのため、運用の成果を高めながら内製化を目指すべく、コンテンツ制作はAKOMEYA TOKYOで行い、コンテンツの表現として、プロの意見やアドバイスを踏まえながら発信していくことを目指しました。初期構築・自走支援として株式会社ジソウから運用のアドバイスを、投稿を分析・管理する際にSNS投稿管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」の提供を株式会社コムニコという関わりで支援しました。
AKOMEYA TOKYOのInstagramの運用目的
AKOMEYA TOKYOでは、Instagram運用目的を開始当初から変更しました。はじめは、幅広い層へ情報発信するためのチャネルと定義してInstagram運用をしていましたが、その後、双方向での情報発信ができる場所というInstagramの特徴を活かした「AKOMEYA TOKYO好きの方々と繋がり共感し合える場」として、再定義しました。
目的を変えたことによって、確認する指標や考え方も変わりました。
確認するべき項目
AKOMEYA TOKYO好きの人たちとの情報交流の場という捉え方に位置付けた時に、愛着度を持っていただいている方々との接点を増やしたいということで、 KGIはフォロワー数の拡大と置き、下記の重要項目を作成しました。
- リーチ数:フォロワー数を拡大していくためには、多くのアカウントに情報が届かないといけない
- エンゲージメント率:親密度が高い状態にしていく
- インプレッション数:親密度が高いとアルゴリズム上、ホーム表示数や発見タブ表示数が拡大し多くのアカウントに投稿が表示がされる
- プロフィールチェック数:投稿からプロフィールへ遷移し興味を持つとフォロー
最終的なフォロワー数拡大に向けて、エンゲージメント率、 プロフィールチェック数がどれぐらいの推移で動いていくのかというのをKPIの指標として捉えながら、確認してきた考え方となっています。
内製化する上で社内でのSNS運用体制
AKOMEYA TOKYOのInstagram運用体制を整え、よりよい成果を上げていくためにジソウが伴走支援を行いました。定例会議で月々の投稿を振り返り、次月に向けて計画を立てる、そこから実行する、SNS運用の基本となるPDCAサイクルを構築しました。
ここで、定例会議の具体的な内容を一部紹介します。振り返りとして、KGI/KPI、投稿別数値、フォロワー数獲得企画の結果などを確認し、進捗状況などを確認。その後、次月に向けた改善やチャレンジポイントの計画など、投稿本数やジャンル構成に関わる部分を擦り合わせていました。
このサイクルが回り始めるようになったので、内製化した現在はマンスリービジネスレビューという全社の会議の中で、定例の振り返りを行っているような状況で進められています。
SNS運用で意識しているポイント
AKOMEYA TOKYOが意識しているポイントは、計画と振り返り(分析)。投稿カテゴリを分けて計画し、情報発信や分析に役立てたり、記念日などのトレンドを押さえた投稿実施のために、SNS投稿管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」を活用されています。
機能ごとに実際の活用方法を教えてもらいました。
投稿カテゴリの組み立て
運用する中で、どんな投稿が反応が良いか確認する際に、投稿ごとにカテゴリを分けており、「商品情報」「UGC」「レシピ」等カテゴリの割合を見ながら反応の良い投稿カテゴリを取り入れつつ、月の投稿本数を決めて運用しています。
「コムニコ マーケティングスイート」では、投稿ごとにカテゴリを分けて管理することができるため、分析時にも役立ちます。
時節に絡んだ投稿内容
投稿のカテゴリを組んだ上で、何を投稿するか悩む日は、「コムニコ マーケティングスイート」の機能で記念日を確認し、投稿を当て込んで投稿内容を考えているそうです。
例えば、「お茶漬けの日」に合わせてフリーズドライのお茶漬けの商品を紹介したりと、「◯◯の日」を参考にされています。
投稿後の分析
ジソウ支援も経て、内製化した現在は1つひとつの投稿に対して、数値に一喜一憂せず、的確な振り返りができるようになったそうです。
数値の上がり下がりを確認することはもちろんですが、投稿に対して想定通りか、どこがどう良くて改善点はどこにあるかを分析し、日々の投稿に役立てているとのことです。
例えば、SNSで話題となっている商品紹介時に「使ってみたい方はおにぎりの絵文字をコメントしてね」と投稿したことで、アクションしやすくなりました。その結果、すでに商品を持っている方から使い方の質問をされ、活発なコミュニケーション訴求のきっかけになりました。
一方で、エンゲージメント率が想定以上に伸びなかった投稿では、「保存数」が少ない傾向であることがわかったため、「保存して見返す」ことを促す一文を加えた方がよかったのではないかという仮説を立て、改善していくことができています。
社内でのSNS運用成果は「共有・巻き込み」
SNS運用成果や重要性の社内理解を深めるために、他部署にも共有しています。運用目的や投稿の意図、結果、そこからどんな改善をしているか、ということを社内を巻き込んでいけるように3つの取り組みを行っています。
1.全社月次会議
社長以下店舗を支援する全部署が集まる会議でSNS運用の実績や今後の計画を報告。社内を巻き込んだ振り返りと今後の施策予定を共有しています。2.店舗参加企画
毎月当番制で各店舗から投稿案を募集。自社商品を使ったレシピ投稿を店舗に考案してもらうことで他部署を巻き込んだSNS運用が可能に。
3.全店店長会議
月次店長会で活動実績や今後の予定を共有。実際にお客さんとコミュニケーションをとっている店舗スタッフからのリアルな意見をコンテンツに反映した結果を報告。
このように、全社月次会議や店舗参加企画、全店店長会議を通じて、実績の共有と計画の報告を行い、他部署を巻き込んだコンテンツも作成できる体制となっています。
投稿の分析や投稿ネタも見つけられるSNS管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」とは
AKOMEYA TOKYOのInstagram運用で、日々活用されているSNS運用管理ツールをご紹介します。「コムニコ マーケティングスイート」は、SNSの投稿作成・分析・コメント管理機能があるクラウドツールです。
全投稿の数値が画面に表示され、初心者にもわかりやすい画面になっています。月次レポートの自動作成機能もあり、分析にかかる手間を大幅に削減することができます。
投稿スケジュールをカレンダーで可視化することはもちろん、過去同日に、X(Twitter)でトレンド入りしていたキーワードを確認することができます。話題になりそうなキーワード、自社と親和性の高いキーワードを探し投稿コンテンツ作りにも活用できます。
また、リスクのある日にアラートを表示し、投稿を予定している日にリスクがないか、事前に確認することができます。
「コムニコ マーケティングスイート」は、大手企業に多くのSNS運用支援を行ってきた株式会社コムニコが開発・提供するSNSアカウントの管理ツールです。これまで4,000アカウント以上(2023年9月時点)に利用されています。X(Twitter)、Instagram、Facebook、TikTokに対応しています。詳細は、資料をダウンロードしてご確認ください。
>>SNS投稿管理ツール「コムニコ マーケティングスイート」資料請求・お問い合わせ
まとめ:内製化するために押さえておきたい3つのポイント
本レポートでは、「AKOMEYA TOKYOは1年間で何を変えたのか? Instagram運用を内製化する秘訣」と題したセミナーの内容を抜粋してご紹介しました。ポイントをまとめます。
Instagram運用を内製化するための3つのポイント
- SNS運用体制の構築
・内製化に向けた体制整備と月々の投稿振り返りを行い、次月の計画と実行をサポートする基本設計の確立 - 投稿戦略の計画と分析
・カテゴリの整理と投稿スケジュールの組み立て、時節に応じた投稿内容の工夫
・投稿後の分析を行い、PDCAサイクルを回して改善を続ける - 社内での成果共有と巻き込み
・SNS運用の意図や結果、改善策を他部署と共有し、社内全体での理解と協力を促進
・店舗スタッフを巻き込み、顧客とのリアルなコミュニケーションをコンテンツに反映させる体制作り
コンサルタントとして入社し業界問わず案件を担当。その後マーケティングチームに所属し様々なSNSアカウントの運用経験を活かしながら、記事執筆やセミナーの運営に従事している。