
企業のSNS運用担当者が気をつけておきたい「画像の権利」に関する基礎知識。
投稿画像や動画の「著作権・肖像権」は、炎上やアカウント凍結、さらには数千万円の訴訟リスクに直結する重要な問題です。
本記事は、2008年より3,000件以上(2026年3月末時点)のSNS支援実績を持つコムニコが、最新の法改正とAIや店舗での撮影トラブルなどのトレンドを踏まえ、絶対に守るべき画像利用の安全ルールを完全解説します。

※本記事は2008年より企業のSNS運用を支援してきた株式会社コムニコが監修しています。
企業のSNS担当者が知っておくべき画像の権利
企業のSNS運用において、基本的な画像の権利である著作権や肖像権の侵害は「知らなかった」では済まされない重大なリスクとなります。単なる炎上だけでなく、アカウント停止や損害賠償請求などの法的トラブルに発展する可能性があるからです。
まず、多くの企業担当者が混同しがちな「著作権」「肖像権」「商標権」の違いを明確にし、その上で「SNSで画像を安全に利用するための方法」を解説します。
著作権・著作者人格権
創作的な表現物(写真、イラスト、文章、動画など)を保護するための権利です。著作権は、著作物を創作した著作者に認められる、複製・公衆送信などの利用を許諾または禁止できる権利です。
また、著作者人格権は、公表するかどうか、名前を表示するか、著作物を意に反して改変されないかといった著作者の人格的利益を守る権利です。
企業のSNS運用では、他社が作成した画像、イラスト、文章、動画などの無断利用が主なリスクになります。
肖像権・パブリシティ権

肖像権は、誰もが自分の顔や姿を無断で公表されない権利(プライバシー権の一部)です。自己の容貌等をみだりに撮影・公表されない人格的利益として、判例上認められている権利です。撮影や利用が常に違法となるわけではなく、公開目的や利用方法、撮影場所などの状況を踏まえて判断されます。
人物を撮影・利用する場合は、撮影だけでなく、その後の利用目的や範囲についても適切な同意を得ることが重要です。イベントなどでは、チケット購入時の規約や会場案内で、写真撮影や撮影した写真の利用目的について明示している場合があります。
一方、パブリシティ権は、著名人(芸能人、スポーツ選手など)が持つ、その氏名や肖像が持つ経済的な価値(集客力)を独占する権利です。企業が有名人の画像・写真を無断で宣伝目的に利用した場合、主にこのパブリシティ権を侵害するリスクがあります。
街頭風景や観光地など人が多い場所で撮影した写真では、第三者が写り込むことがあります。写り込んだ人物については、個人が特定できるか、その人物が写真の中心的な対象となっているかなどを踏まえ、肖像権上の問題が判断されます。背景の一部として偶然写り込んだだけで、個人を識別できない程度であれば問題にならない場合もあります。企業SNSで利用する場合は、必要に応じて顔や個人を特定できる部分を加工するなど、トラブル防止を検討しましょう。
また、ポスターやキャラクターなど他者の著作物が写り込む場合は、著作権上の「写り込み」に関する規定が関係することがあります。
商標権

商標権は、商品やサービスに使用されるロゴ・名称などのブランドを保護する権利です。街中の看板や店舗ロゴが写真に偶然写り込んだだけで、直ちに問題になるわけではありません。
ただし、他社のロゴやブランドを企業投稿の訴求素材として利用したり、公式コラボや推奨関係があるように見せたりする場合は注意が必要です。
参考:いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について/文化庁
トラブル回避のためのAI生成画像使用の注意点
AI生成画像は、必ずしも自由に利用できる素材ではありません。AIの学習段階と生成物の利用段階では著作権上の論点が異なり、生成画像が既存作品と類似している場合などには、利用方法によって著作権侵害が問題となる可能性があります。
企業のSNSでAI生成画像を利用する場合、「著作権侵害の訴えが起こらない」とは断言できないのが実情です。ポイントとなるのは以下の3点。
- 利用するAIツールの利用規約を事前に必ず確認する。(特に商用利用、免責事項)
- AI生成時に、既存の著名なキャラクターや作品を強く想起させるプロンプトの利用は避ける。
- 万が一訴訟リスクに備えるため、利用したAIツールや生成プロンプトのログを記録・保管しておく。
生成AIの活用ルール・ガイドラインは企業ごとのルールに従うべきです。中には商用利用できないものや学習内容の活用について記載されているものもあるので、どのAIツールを活用するか、どう活用するかは慎重な議論が求められます。
また、特定の作品やキャラクターを連想させる生成画像を企業SNSや広告で利用する場合は、権利侵害や誤認を招く表現にならないか確認しましょう。生成AIを利用した場合は、使用したAIツールやプロンプトなどの記録を残しておくことをおすすめします。
タグ付けされたユーザー投稿画像は使ってもいい?
企業アカウントの場合、ユーザー投稿(UGC)の活用もあると思います。そのまま活用しても良さそうと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、タグ付けは単なるメンションであり、著作権や肖像権の譲渡や許諾を意味しません。
トラブルを防止するためにも、必ずDMなどで「企業アカウントでの二次利用の許諾」を個別に取るようにしましょう。
なお、インフルエンサーに依頼してPR投稿を行う場合は、画像の権利関係のほか、景品表示法における「ステルスマーケティング」に当たらないか確認する必要があります。ステマ対策のほか、Instagramの場合はブランドコンテンツツールを活用するなど、注意すべき範囲が広がります。以下の記事も確認しておくようにしましょう。
関連記事:ステルスマーケティング(ステマ)規制とは?インフルエンサー案件は要注意!
関連記事:Instagramのタイアップ投稿ってなに?ブランドコンテンツツールの使い方や分析方法
関連記事:SNS時代の「撮影ルール」設定ガイド|事例とトラブル予防策
本記事で解説した肖像権・パブリシティ権侵害に関連するトラブルとして、特に最近増えているのがスポーツイベントの撮影や店舗での撮影などに関するトラブルです。
プロ野球(NPB)や全日本大学バスケットボール連盟が観戦時の撮影・配信ルールを明文化し、話題になりました。個人が撮影したスポーツ観戦だけではなく、店舗やイベント会場など、「撮影される側」のルール整備が求められるようになっています。企業担当者にとって、こうした「オフライン・リアル」の場においてのルールやガイドライン作成でリスクを減らす活動も重要になっています。
関連記事:【店舗担当者向け】SNS時代の「撮影ルール」設定ガイド|事例とトラブル予防策を解説
まとめ:正しく理解して、適切な管理をしよう
今回は、企業のSNS投稿において注意すべき重要権利である、著作権、肖像権、商標権について解説しました。SNSでのトラブルを避けるために企業が厳守すべき基本は、次の2点です。
- 第三者の著作物や商標を、許可なく利用しない
- (写り込みを含む)人物にフォーカスした撮影を、個人の許可なく公開しない
権利侵害は、「知らなかった」では済まされない重大なリスクです。写り込みのぼかし加工や、判断に迷う場合の非公開といった予防策を徹底し、「守り」を固めた上で運用を進めましょう。
近年では、写真素材の無断転載事件や、インフルエンサーPRにおける広告主の連帯責任など、権利侵害のリスクは広がりを見せています。イメージダウンのリスクを低減するためには、知識を身につけるだけでなく、それを運用体制に反映させることが重要です。
We Love Socialを運営する株式会社コムニコでは、企業のSNS運用でマーケティング活用を促進させるだけではなく、リスク管理に関しても担い、安心安全の運用支援を行っています。安心して起用できるインフルエンサーの選定・起用から、炎上・アカウント凍結リスクへの対策まで、専門的な知見に基づいたご相談を承っております。
「自社のSNSガイドラインを確認したい」「最新の状況に合わせた運用をしたい」「権利問題がクリアなインフルエンサーを探したい」など、お気軽にお問い合わせください。
>>株式会社コムニコとは?サービス資料をダウンロード
>>コムニコにSNSガイドライン策定やSNS運用支援の相談をする

コンサルタントとして入社し業界問わず案件を担当。その後マーケティングチームに所属し様々なSNSアカウントの運用経験を活かしながら、記事執筆やセミナーの運営に従事している。

>>関連記事:SNS時代の「撮影ルール」設定ガイド<<





