フォロワーから愛される森永製菓R姉さんのTwitterコミュニケーション

フォロワーから愛される森永製菓R姉さんのTwitterコミュニケーション

フォロワーから愛される森永製菓R姉さんのTwitterコミュニケーション

手作り感が親近感に!森永製菓のSNSコツコツ運用術」でコムニコのミニセミナーに登壇いただいた森永製菓さん。

この時のセミナーはコーポレートコミュニケーション部として企業全体の運用管理や情報発信がテーマだった。3月23日のコムニコミニセミナーでは、同社の中でアイスの公式アカウントを運用するマーケティング本部冷菓マーケティング部の寺内理恵氏に、「アイスに特化した公式アカウント R姉(現在はティック&Y氏)」の運用についてお話をいただいた。今回はその様子をレポートする。

広告予算が少ない中で、無料でできるユーザーとのコミュニケーション施策に着目

「日本のアイスクリーム市場で一番売れている商品は『チョコモナカジャンボ』」と寺内氏。しかし森永製菓が取り扱う商品は、お菓子を中心に食品、栄養補給剤など幅広く、その中で冷菓は同社の中では小さめの部門だ。そのため、広告予算も限られており、2000年代よりアイスblogを使って情報発信をするなど、お金をかけずにお客さまとコミュニケーションするための施策を模索していた。

そして2011年「広告やリリースでは発信できないようなアイスの話題を伝えていこう」との思いから、業務とは別に自発的にTwitterの運用を開始した。アカウントは、運用する寺内氏の名前をとって「R姉」と名付け、同社のアイスの情報をつぶやきはじめた。その後、後輩のY子も加わり、ベテランのR姉、新人のY子が2人でマーケティング施策を考える、という体で運用をすることになった。

ファンとの関係を強くするフォロワー参加型企画、ファンを増やし定着させるキャンペーン企画

2人で考えたマーケティング施策の第一弾としては、2012年に行った「新作プチ発表会」がある。フォロワーに「森永製菓のオフィスに新作アイスを食べに来ませんか?」と呼びかけ、応募者の中から抽選で会社に招待し、新作のプレゼン、アレンジレシピの試食などを行ってもらった。

「初めての時は、どんな人が来るかわからないので不安もあった」と寺内氏。当選者を選ぶには、その人のツイートを読み込み慎重に決定した。当日は、不安は杞憂に終わり、アイスが大好きな人が集まり大成功だったという。

こうしたフォロワー参加型企画は、参加のハードルが高いため応募数もそれほど多くないが、コアなファンとの関係を強めるのに有効だと寺内氏は分析する。さらに、プレゼントキャンペーンなど、気軽に参加できるキャンペーンも実施し、フォロワー増加、離反防止として役立てている。

身近な感じを出すための日々のコミュニケーションは「配慮と冒険」

R姉のアカウントでは、リプライに返事をするだけでなく、アイスが好きな人や商品についてツイートしている人に積極的に話しかけにいくこともある。Twitterでのコミュニケーションで寺内氏が意識しているのが「配慮と冒険」だ。地域による天気の違い、職業による休日の違い、さらにお金を払って購入していること、食べ過ぎると太るといったネガティブな面も配慮した上で、「怖がらずにいろいろな人に話しかける」という冒険をしている。

「自分から話しかける時は、最初はぐいぐい話しかけるのではなく、商品を購入したとツイートしている人にお礼の気持を伝えるくらい」と寺内氏は公式アカウントからの絡み方のコツを伝授。それに返信が来たら徐々にコミュニケーションを深めていく。アイスという柔らかい商品の特性もあるが、概ね受け入れてもらいやすく、それをきっかけに常連になっていくフォロワーも多い。

寺内氏はTwitterアカウントを通して「ダイレクト営業マン」になれるという。「アイスを買おうかな」とツイートしている人がいれば「絵文字でチョコジャンボモナカどうぞ!と伝えてみるなど、柔らかいコミュニケーションを通して背中をひと押しできる」と寺内氏。

R姉というアカウントの特性上、運用している中の人も普通の人間であることを前面に出し、間違えたことがあれば認めて謝り、忙しくてツイートが減る時はその旨をツイートするというように、人間らしさを出すようにしている。

R姉のアカウントは、返信を含めるとかなりツイートが多いように見られるが、実際は本来の業務の合間にツイートすることが多い。例えば、お昼に行くタイミング、休憩時間などの隙間時間で運用している。なお、Twitterにしばしば登場するクマのぬいぐるみは、「チーズスティック」のクマのキャラクター「ティック」だが、寺内氏は常にこのぬいぐるみを持ち歩き、よい風景などがあれば一緒に撮影している。「クリスマスの時に、このクマのぬいぐるみの写真のツイートリーチが100万を超えた」と寺内氏。

効果測定は必須ではないので、運用の参考程度に

このTwitter公式アカウントは業務とは別に自発的に始めたために、効果測定は必須ではないという。ただ、森永製菓の公式アカウント担当者が参考として毎月効果測定レポートを共有してくれるので、情報発信度(リーチ、ファン数)、共感度(RT、返信、キャンペーン応募数、イベント集客数)、情報受信度(テキストマイニング)による評価を行っている。

フォロワー数については今期中に2万にするといった目標もあったが、目標達成のためにはキャンペーンを頼りにしてしまいがちだ。キャンペーンをたくさん実施するとフォロワーは一時的に増えるが、維持するのが大変なので、無理に増やすことはしないことにした。

送られてくる数値は運用の参考にしているが、効果測定には限界も感じていると寺内氏。例えばクリスマスのクマの反応が良かったのは、タイミングが良かったからユーザーの共感を誘ったのであり、必ずしも他の投稿にも当てはまるものでものないという。さらに、Twitterから実際の売上の向上を期待するのもハードルが高いと感じている。だからといって運用する意味が無いのではなく、コミュニケーションを取る中で、R姉のファンが増え、森永製菓に関心をもってもらうことで、売り場に行ったときについでに買った、あるいは買った商品を写真でアップするといった行動につなげられると寺内氏。

Twitterの運用の根本にあるのは「ありがとう」の気持ち

Twitterの運用で大切にしていることは「感謝の気持」だという。フォローしてくれてありがとう、時間を使ってツイートしてくれてありがとう、購入してくれてありがとうという気持ちを持って日々運用しているという。

しかし、寺内氏は4月で異動が決まり、新任の担当者に運用を引き継ぐことになった。Twitterで異動を発表すると、TwitterにはR姉の異動を惜しむ声に加えてR姉への感謝の気持ちが多数寄せられている。


この声の多さが寺内氏が4年間をかけて培ったユーザーとの信頼関係を如実に表しているといえよう。

New Call-to-action