Pinterest(ピンタレスト)とは?基本の使い方と企業活用事例7選
米国でスタートし、世界中で活用が広がっているPinterest。2021年6月には広告メニューがリリースされ、企業の注目度も上がっています。
そこで、「名前は知っているけれど、詳しくは知らない」という人に向け、Pinterestの基本的な使い方や企業の活用事例をまとめました。
Pinterestをどのように運用しようか迷っている方には、「業界別Pinterest企業アカウント事例集」がおすすめです。
美容、ファッション、インテリアなど、さまざまな分野の事例が業界別でまとまっていますので、これらを参考に、自社の投稿を考えてみてください。
Pinterestとは?
Pinterestは、画像や動画を検索し、そこから生活のあらゆるシーンのアイデアを発見できる「ビジュアル探索型」のプラットフォームです。過去の出来事を共有するInstagramや、現在の出来事を共有するTwitterとも異なり、“今後の計画を立てる”など、「これからの未来」に役立つアイデアを見つけることに特化しています。
ユーザーは、WebサイトやSNS上で公開されている画像やアップロードした画像を自らのボードにまとめて共有することができます。イメージとしては、自分の好きなものをまとめたコラージュブックのようなものが近いかもしれません。こうしてつくられた様々なボードから、グルメやファッション、インテリア、ビューティなど、いろいろなジャンルについてのアイデアが見つかるようになっています。
2010年3月に米国でスタートし、現在は世界中で利用されてるPinterest。2021年6月からはPinterestのユーザーに広告配信ができる「Pinterest広告」をリリースし、企業からの注目度も高まっています。
Pinterestのユーザー数・特徴
Pinterestの月間アクティブユーザー数(MAU)は、以下のようになっています。
- 世界でのMAU:4億6,300万人(2023年3月時点)
- 国内でのMAU:870万人(2020年12月時点)
国内のユーザー層としては、Z世代やミレニアル世代が多く、購買力の高いユーザーの利用が多いと発表されています。女性ユーザーが57%となっており、子どもを持つ親が多いのも特徴です。(2022年6月 Pinterest媒体資料より)
参考:Pinterest Announces First Quarter 2023 Results
特徴:未来のアイデアを得る = 画像表示に特化
画像検索に特化しているため、ユーザー同士のコミュニケーションよりも、検索した画像からアイデアやインスピレーションを得る場として活用されています。
ホームフィードには、そのユーザーの興味に基づいた画像がランダムで表示され、一つの画像を閲覧すると、その画像に類似した画像がさらに表示されていく仕組みです。そのため、Google画像検索やInstagramと比較してもアイデアが見つけやすくなっているのが特徴です。気になった情報はまとめることができ、アイデア集めに向いているプラットフォームとなっています。
企業がPinterestを活用するメリット
Pinterestは、「これからの未来」を探すメディアであるとご説明しました。
ユーザーは、検索キーワードや閲覧した画像に紐づいて表示される画像を次々に辿りながらアイデアを探すため、その中でいろいろな画像や商品、ブランドに出会います。そうした中で、気になるものは手元に保存してまとめておくことが可能なのがPinterestの特徴です。気になる画像から商品やブランドを見つけ、想起→購買につながることも多いでしょう。ボードにまとめたコンテンツは、そのまま他者へのシェアも容易に行うことができます。
また、Pinterestの検索上位の97%が非指名検索となっており、大小さまざまなブランドが現れるようになっています。そのため、現在の知名度と関係なく、あらゆるアカウントにチャンスがあるSNSになっています。
「Pinterestの活用は、まだこれから」という企業が多いので、他SNSと同様に活用していくようにしましょう。
Pinterestでビジネスアカウントを作成する方法
Pinterestには、個人アカウントとビジネスアカウントの2種類が存在します。どちらも投稿ツールから画像や動画のシェアをできるのは同じですが、ビジネスアカウントの場合は、広告を管理できる「アドマネージャー」や分析管理ができる「インサイトとアナリティクス」、プロモーションなどの特典を受ける「クレジットとオファー」を利用することができます。どちらも無料で利用することが可能です。
ここでは、企業がビジネスアカウントを作成する方法を紹介します。
1. Pinterestにアクセスする
まずは、こちらからPinterestにアクセスします。もしくは PinterestのTOPページ右上の「無料登録」から登録しましょう。
2. アカウントの登録方法を選ぶ
企業がビジネスアカウントを作成する場合は、「無料のビジネスアカウントを作成する」から作成しましょう。
企業アカウントの場合は担当一人のメールアドレスではなく、チームで利用しているアドレスなどアクセスしやすいメールアドレスを設定しておくとよいでしょう。
Pinterestは13歳以上で使えるサービスなので、ブランドの誕生日などに設定すると利用できなくなる恐れがあります。年齢は設定しなくても問題ありませんので、設定せずに登録を進めます。
すでにアカウントを持っていて、ビジネスアカウントへ変更する場合は、「ビジネスアカウントに切り替える」から切り替えることができます。
3. ビジネスアカウントのプロフィールを作成する
ビジネスアカウントの場合は、社名/ブランド名をプロフィール名として設定することが可能です。また、ウェブサイトを持っている場合はここで登録します。ウェブサイトなどの情報は、ログイン画面>プロフィールを編集からいつでも変更することができます。
4. 商材カテゴリと運用目的を設定する
プロフィールの設定後、「貴社について」という設問に答えます。取り扱っている主な商材や運用目的を設定することで適切なおすすめを受け取ることが可能となります。
【選択できる商材カテゴリ】
- 美容
- ファッション
- ホーム
- 旅行
- 食べ物・飲み物
- DIY・ハンドメイド
- 健康・フィットネス
- 教育関連
- デザイン・アート
- イベント
- その他
【目的(3つまで選択)】
- 商品の売上を伸ばす
- 見込み客を増やす
- サイトへのトラフィックを増やす
- Pinterestでコンテンツを作成してオーディエンスを拡大する
- ブランド認知度を高める
- 未定
5.業種を選択する
次に、ビジネスに合った業種を選択します。これもおすすめを受け取るためのものでいつでも変更可能です。
【業種】
- わからない
- ブロガー
- 消費財・商品・サービス
- フリーランス・サービスプロバイダー
- クリエイター・インフルエンサー・著名人・芸能人
- 小売店・ショップ・サービス
- オンラインショップ・オンラインモール
- 出版社・メディア
- その他
業種を選択した後、「Pinterestで広告掲載を検討されていますか?」というアンケートに答えて登録完了です。
Pinterestの基本的な使い方:企業編
Pinterestは、お気に入りのアイデアを「ピン」と呼ばれる画像ブックマークで集めていくサービスです。ピンの形式は、画像/動画/商品となっており、Pinterestやほかのウェブサイトなどから自分のアカウントに保存して集めていくことができます。
しかし、企業としてPinterestを活用する場合はその用法が異なってきます。たとえば、権利上の関係から他者が作成した画像などを集めるには注意が必要です。たとえば、SNSの投稿キャンペーンなどを行って得られたUGCをピンとしてまとめて保存するといった使い方は良いでしょう。ビジネス利用の場合は、外部からアイデアを集めるために利用するのではなく、Pinterestに商品などの画像を集めたカタログのような使い方やオウンドメディアのピンをまとめるといった使い方が良いでしょう。自社が持つ資産(商品写真やサービスの説明など)をPinterestを使ってまとめ、ユーザーにアイデアの素として見せることを意識していきましょう。では、企業がPinterestをどう使っていくかを解説します。
■コンテンツを作成する
ビジネス用プロフィールでは、公開コンテンツと保存コンテンツの2種類が公開されます。
公開コンテンツ:Pinterest で作成したすべてのコンテンツ、または認証済みウェブサイトから保存したコンテンツ
保存コンテンツ:Pinterest やあなたが所有していないウェブサイトから保存した、すべてのコンテンツ
※企業アカウントの場合は、著作権などを十分考慮してピンを保存するようにします。
①ピンを作成する
画像をアップロードしてコンテンツを作成し、タイトル、説明文、リンク先 URL を追加します。ユーザーのフィードで目立つよう、縦長で画質の良い画像が推奨されています。Pinterest推奨のアスペクト比は 2:3 (例:1000px × 1500px)となっています。
②RSS フィードをリンクする
ウェブサイトのRSSフィードをPinterestのビジネスアカウントにリンクすると、ウェブサイトのコンテンツから自動的にピンを作成します。
参考:https://help.pinterest.com/ja/business/article/auto-publish-pins-from-your-rss-feed
③アイデアピンを作成する
アイデアピンとは、複数の動画、画像、リストやカスタムテキストをまとめたピンのこと。他のピンと同じく、公開したアイデアピンはあなたのボードに保存されます。アイデアピンでは次のようなものをまとめることができます。
- 手順を説明するプロジェクトやレシピを作成する
- 説明文やテキストオーバーレイと一緒に、短い動画を複数アップロードする
- ピンの色やフォントをカスタマイズする
- トピックをタグ付けしてターゲティングを改善する
- 商品のコレクションを作成する
- 新しい方法でストーリーを共有する
参考:https://help.pinterest.com/ja/article/create-idea-pins
④オウンドメディアなどのウェブサイトからピンを表示する
Pinterestのビジネス用プロフィールにウェブサイトを追加すると、あなたのウェブサイトから保存されたピンがプロフィールに表示されます。
その他のピンを作成する
Pinterestには、画像ピンや動画ピンのほか、アイデアピンやリッチピンなどさまざまなピンを作成することが可能です。
たとえば、料理名、分量、調理時間、レシピの評価、食べ物の好み、材料の一覧を表示できる「レシピリッチピン」や最新の価格、在庫状況、商品の詳細が確認できる「プロダクトリッチピン」などがあります。
参考:https://help.pinterest.com/ja/business/topics/create-content
■ボードの作成
保存したピンは、ボードの上でまとめて整理することができます。ボードは、ピンを保存するとき、またはプロフィールから作成できます。
ピンを保存するときにボードを作成する場合は、ピンをクリックして拡大表示したあと、「保存」ボタンの左隣にあるプルダウンボタンをクリックします。出てきたメニューから、「新規ボードを作成する」を選択します。
ボードの名前を設定して、「作成」を押下します。どのようなピンを集めたのかが分かる名前にするといいでしょう。
プロフィールから作成する場合は、ホーム画面の右上にあるアイコンをクリックして、プロフィールを表示し、ページ右側にある「+」をクリックして、「ボード」を選択します。
そして、作成したいボードの名前を設定し、「作成」を押下します。そこに、気に入ったピンを追加していきましょう。
Pinterestで広告を出稿すると、ユーザーの属性や興味関心に合わせて、ホームフィードや関連ピン、検索結果などに広告が表示されます。そこから、ユーザーをピンの詳細やLPに遷移させることができます。また、広告フォーマットは5種類から選ぶことができます。
Pinterestの推奨画像サイズ・フォーマット
ビジネス利用の場合は、商品に焦点を当て、商品やサービスがピンの主役になるよう工夫しましょう。クリエイティブの作成のポイントは以下です。
- フィードで目立つよう縦長画像を使用する
- すべての画像にロゴを入れる
- 検索流入に影響するため、画像内には文字を入れる
- 抽象的な写真や、ブランドの魅力が伝わりにくいライフスタイルフォトの使用は避ける
Pinterestで扱うコンテンツの推奨サイズも参考にしてください。(2022年10月情報)
画像ピン |
推奨画像サイズ |
1,000px × 1,500px |
推奨アスペクト比 | 2:3(縦長画像) | |
ファイルタイプ(拡張子) | PNGまたはJPEG | |
最大ファイルサイズ | デスクトップ 20MB アプリ内 32MB |
|
動画ピン | アスペクト比 |
スダンダード動画の要件: 1:2(幅:高さ)以下、1.91 : 1(幅:高さ)以上 ワイド動画の要件:正方形(1:1)またはワイドスクリーン(16:9) |
動画の長さ | 4 秒~ 15 分 動画アドの推奨の長さ:6~15 秒 |
|
ファイルタイプ(拡張子) | .mp4、.mov または .m4v | |
エンコード | H.264 または H.265 | |
最大ファイルサイズ | 最大2GB |
Pinterestの企業活用事例
ここからは、Pinterestに公式アカウントを開設し、運用している企業の事例をいくつかご紹介します。
HIS Japan
https://www.pinterest.jp/hisjapan/
旅行会社であるHISの公式アカウントです。オウンドメディアのコンテンツから、旅先の風景やイベントの様子、いろいろな国の料理などの画像をピンとして掲載しています。画像のURLをクリックすると、その画像が入った記事に遷移することができます。
この景色を見たい、この料理を食べたいという視覚情報からも興味を持つことが多い旅行は、画像からインスピレーションを得るPinterestとの親和性が高いと言えます。
山崎実業株式会社
https://www.pinterest.jp/yamajitsu/
インテリア・雑貨・キッチン用品などの商品を販売する山崎実業。主に動画を使い、商品やその使い方を簡単に紹介しています。便利でありながら、生活の中に自然に溶け込むようなおしゃれ雑貨を探している人の目に留まりそうなピンです。
Sony Music
https://www.pinterest.jp/sonymusic/
様々なアーティストを抱える音楽レーベルのSony Music。Pinterestでは、様々なアーティストのグラフィックを公開しています。音楽だけでなく、デザインやイメージのアイデアのインスピレーションにも役立ちそうです。
Sanrio
https://www.pinterest.jp/sanrio/
商品の紹介やイラストの掲載、Instagramに投稿したコンテンツの紹介などに利用しています。ビジュアルで訴求するPinterestは、サンリオのようなキャラクター事業とも親和性が高いといえます。
Gap JPN
https://www.pinterest.jp/gapjpn/
アパレルブランドのGapは、商品を紹介しています。Gapが作成しているボードはコレクションごとに分類されていて、カタログのように見られるのもユニークです。
Le Creuset Japon
https://www.pinterest.jp/lecreusetjapon/
キッチン用品などを扱うル・クルーゼは、商品をおしゃれに並べて紹介したり、商品を使ったレシピを紹介したりする形で活用しています。メニューを探しているときや、食卓をおしゃれにするアイデアを探しているときなどに興味を引かれるピンです。
カメラのキタムラ(Kitamura Co., Ltd.)
https://www.pinterest.jp/camerakitamura/
商品の紹介やオウンドメディアの記事から抜粋した画像の掲載、フォトコンテストの応募作品の紹介など、幅広い活用を行っています。画像がメインのPinterestとカメラは相性が良いのがわかります。
他業界の事例も確認したいという方は、「業界別Pinterest企業アカウント事例集」をぜひダウンロードしてください。
まとめ
Pinterestは、ビジュアルに特化して検索できるプラットフォームで、そこから未来に役立つアイデアを得られることが特徴です。また、リリースされて間もない広告サービスにも注目が集まっています。
ビジュアルに訴求力のある商品やサービスとは親和性が高く、広告も好意的に受け入れられる可能性が高いため、今後、ビジネス活用での広がりが見込まれます。
Pinterestの運用や広告の運用に興味がある場合は、ぜひコムニコにご相談ください。
2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。