8億人を超えるユーザーが利用するInstagram。企業が運用するアカウントも増えています。こうした中で注目を集めているのが、人気のインスタグラマーやタレント、アーティストとタイアップした「インフルエンサーマーケティング」という手法です。
インフルエンサーマーケティングでは、多くのフォロワーを抱えるなど、影響力のあるユーザーに、商品やブランドの写真/動画をInstagramにアップしてもらいます。ユーザーは、フォローしているアカウントから、製品やサービスの情報を得ることになります。
投稿にあたって、企業からユーザーに商品を提供したり、報酬を支払う場合は、スポンサードコンテンツ(広告・PR)であることを明示しなければいけません。フォロワーや他の人がそのコンテンツを見た時に、スポンサードコンテンツとして判別できないと、ステルスマーケティング(ステマ、広告であることを隠されたコンテンツ)になってしまいます。
ユーザーが、そのコンテンツがタイアップなのか、そうでないのか、簡単にわかるように用意された仕組みが今回紹介する「企業とのタイアップ投稿タグ」です。なお、この機能を使うには、企業はビジネスプロフィールを利用している必要があります。
ビジネスプロフィールの設定に関しては「Instagramを分析する方法まとめ。ビジネスプロフィールの使い方とインサイト、Instagram広告を基礎から解説!」を参考ください。
タイアップ投稿タグ
Instagramが、新しく導入した「タイアップ投稿タグ」を利用することで、企業、ブランド(ビジネスパートナー)とインフルエンサー、クリエイターの間に提携関係があることを示すことができます。
以下の例ではユーザー名の下に「タイアップ投稿:acnestudios」という文字があります。また、投稿文に「@acnestudios」が含まれています。
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パートナーの承認
企業、ブランド(ビジネスパートナー)は、自社のブランドに関する投稿ができるユーザーをパートナーとして承認することができます。承認していないユーザーは、タイアップ投稿タグを使えないので、ブランドセーフティを確保することができます。
ブランドコンテンツへのタグ付けは必須
タイアップ投稿タグを使うことは、Facebook、Instagramのブランドコンテンツポリシーに準拠することとなります。
ブランドコンテンツとは、Instagramでは以下のように定義しています。(https://www.facebook.com/help/instagram/116947042301556/?helpref=hc_fnav)
クリエイターやパブリッシャーがビジネスパートナーの価値を広めるべく、その商品やブランドなどを直接的、間接的に取り上げたコンテンツ(ビジネスパートナーがクリエイターやパブリッシャーに対価を支払っている場合など)
ブランドコンテンツについては、ビジネスパートナーのタグ付けが必要となっています。
クリエイターやパブリッシャーとビジネスパートナーの間で価値の交換が行われた場合、ポリシーでは、クリエイターやパブリッシャーはブランドコンテンツ投稿内でビジネスパートナーにタグ付けする必要があります。
インサイトの利用が可能に
ブランドコンテンツタグを使うと、ビジネスパートナー、インフルエンサー、クリエイター、それぞれがその投稿のインサイトを確認できます。
ビジネスパートナーは、Facebookページインサイトから、インフルエンサーが自社をタグ付けした投稿のリーチやエンゲージメント(「いいね!、コメント数など)を確認できます。投稿が、Instagram Storiesの場合は、14日間分の指標(リーチ、次へのタップ、前へのタップ、返信、ストーリーズからの移動)を確認できます。
インフルエンサー、クリエイターはInstagramアプリのインサイトで指標を確認できます。
パートナーを承認するには(ビジネスパートナー向け)
デフォルトでは、パートナーの承認はオフになっており、誰でもビジネスやブランドをタグ付けて投稿することができます。
パートナーの承認は、「設定」→「オプション」の「ビジネス設定」の「ブランドコンテンツの承認」をタップして、「承認が必要」をオンにします。次に「承認済みアカウント」をタップしてユーザーを指定します。指定できるユーザーは、一部のユーザーに限られています。(順次拡大されていく予定とのこと)
ビジネス、ブランドをタグ付けするには(インフルエンサー、パブリッシャー、クリエイター向け)
フィード投稿する時、「詳細設定」、またはストリーズ投稿をするときにリンクボタンをタップします。「ビジネスパートナーをタグ付け」をタップして、ビジネスの名前を検索してタップします。
ビジネスが検索結果に表示されているのにタグ付けできない場合は、パートナーの承認を依頼します。
タグを追加すると、ビジネスパートナーにタグ付けのお知らせがFacebook、Instagram、Instagram Direct (Storiesへのブランドコンテンツ投稿の場合)経由で通知されます。
タグを削除するには(ビジネスパートナー向け)
ビジネスパートナーは、タグ付けされたコンテンツから、タグを削除することができます。
タグの削除は、Facebookページ、またはビジネスマネージャーから行うか、Instagramアプリから投稿を表示して削除できます。
インサイトを確認するには
ビジネスパートナーは、Facebookページインサイトの「ブランドコンテンツタブ」から確認することができます。
インフルエンサーは、アプリからインサイトを確認できます。
まとめ:インフルエンサーを活用しよう
今回紹介したブランドコンテンツのタグ付けについては、まだ一部のユーザーのみしか使えない機能も含まれていますが、企業がInstagram上でキャンペーンを行う際には、便利な機能です。これからInstagramの運用をするにあたって欠かせない機能になっていくでしょう。
さらに、インフルエンサー側の投稿についてインサイトを利用できるようになったので、効果測定がしやすくなります。
コムニコでは、インフルエンサーを使った施策もご提案いたします。Instagram広告はもちろん、運営、投稿写真撮影などのご相談も承っております。SNSマーケティングに関するお悩み・ご相談がある方はお問合せください。

株式会社深谷歩事務所代表取締役。ソーシャルメディアやブロクを活用したコンテンツマーケティング支援を行う。Webメディア、雑誌の執筆に加え、講演活動、動画制作も行う。またフェレット用品を扱うオンラインショップ「Ferretoys」も運営。
著書
『自社のブランド力を上げる! オウンドメディア制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さなお店のLINE@集客・販促ガイド』(翔泳社)
『SNS活用→集客のオキテ』(ソシム)
『小さな会社のFacebookページ制作・運用ガイド』(翔泳社)
『小さな会社のFacebookページ集客・販促ガイド』(翔泳社)