
イベントや施設の運営において、SNSを通じたリアルタイムの情報発信は、来場促進にとても効果的です。
しかし、運用を「現場任せ」にしてしまっているがために、投稿ミスや炎上リスクの高い投稿が足を引っ張っていたり、KPI設定が曖昧でフォロワー数やインプレッションが伸びなかったりと、うまく効果につなげられていないケースも少なくありません。
本記事では、数多くのSNS運用支援実績を持つコムニコの知見をもとに、トラブルを防ぎつつ、効果を最大化する「現場発SNS」のSNS運用ノウハウを公開します。

イベント・施設のSNS運用は「目的設計」で決まる
SNS運用で成果を上げるためには、まず「目的設計」をしっかり行う必要があります。
目的やKGI・KPIを明確にしないまま、「とりあえず情報発信がしたいから」となんとなく投稿を始めると、企画の方向性や優先順位の基準が曖昧になり、円滑な進行が難しくなります。
目的には、SNS運用を通して最終的に目指すことを設定します。KGIとは、その目的を数値化した指標のこと。KPIとは、KGIの達成に向かう進捗状況を評価する指標のことで、KPIの内容は目的やKGIに応じて決めます。
イベント・施設のSNS運用における目的やKGI・KPIには、例として次のような指標が挙げられます。
【目的】
- イベントや施設の認知拡大
- チケットの購買促進
- 来場促進
- 現地情報のリアルタイム発信
- 参加者の声の可視化
- ルール遵守を促す など
【KGI】
- 来場者数 など
【KPI】
- 投稿のリーチ数
- 投稿の保存数
- プロフィールへのアクセス数 など
たとえば、SNS運用の目的を「イベントや施設の来場促進」としたとすると、それを数値化したKGIは「来場者数」となります。さらに、その進捗状況を評価するKPIには、「投稿のリーチ数」や「投稿の保存数」、「イベント・施設公式サイトへのアクセス数」などを設定するのがいいでしょう。
炎上リスクの抑制と、スピードを両立する「現場常駐型」の運用体制
投稿ミスや炎上といったリスクを防ぎつつ、リアルタイムでの発信を可能にするために、現場スタッフによる運用体制を構築しましょう。
そのために、運用メンバーで次の4つの役割分担を行います。
■現場ディレクター
運用進行管理、トラブル時の判断、関係者(イベント主催者や施設)との調整窓口を担当する。
■撮影担当
静止画・動画の撮影、被写体への許可取り、撮影動線の確保を行う。
■運用担当
素材選定、原稿作成、投稿作業、投稿後の反応モニタリングを行う。
■承認者
施設責任者または広報が就任。投稿内容をチェックし、投稿の最終判断を行う。
スピード感をもって発信できる体制にするために、「承認者」が不在のときでも投稿が行えるよう、別の人が承認者を代行する「代行ルール」も決めておきます。
これに加えて、撮影または運用担当者が不在のときに、サポートできる人員がいるといいでしょう。
何らかのミスやトラブル、炎上が起こってしまった場合に備えて、関係者ですばやく連携できるよう、緊急時連絡網も作成しておきましょう。その際、どのようなときに連絡するかというエスカレーション基準もあわせて明文化しておくことが重要です。

プロが実践する「投稿前チェックリスト」と必須機材
投稿を作成したら、トラブルのもととなる表現やクリエイティブ、ミスなどがないよう、投稿する前に必ず内容をチェックします。その際、チェックリストを使うと漏れなく確認することができます。
具体的には、以下の要素に注目してチェックするようにしましょう。
-
投稿時の設定:ハッシュタグは正しく機能しているか、(予約投稿の場合)投稿日時の設定は正しいか など
-
投稿内容の表現:誤字脱字はないか、主観ではなく事実に基づいているか、差別的な表現や誤解を招く表現はないか
- クリエイティブ:画像に写り込んでいる人物に許可は取れているか、未解禁情報が写り込んでいないか、ロゴの扱いはレギュレーションに沿っているか、他社ブランドのロゴは写り込んでいないか など

何があっても滞りなく撮影や投稿が進められるよう、f使用する機材は、「撮れない・送れない」といった万が一のトラブルも想定したうえで揃えるようにします。
たとえば、撮影や投稿に使用するスマートフォンは2台用意しておく、外出する際はモバイルバッテリーを携帯する、撮影場所の明るさを調整できる小型LEDライトを持っていくなど、さまざまなシチュエーションを想像して備えましょう。
株式会社コムニコでは、撮影に必要な最低限の機材リストとして、次のような備えを行っています。

ここまでコムニコのSNS運用テクニックを紹介してきましたが、その知見をさらに詳しくまとめた「現場発SNS運用ガイド(全33ページ)」を無料で配布しています。現場でそのまま使えるチェックリストや運用フロー図も付いていますので、ぜひダウンロードしてご利用ください。
【成功事例】SNS発信で来場意欲を最大化した3つのケース
一口にSNSで情報発信を行うと言っても、さまざまな手法があります。ここでは、発信内容を工夫することで、来場意欲を向上させた実際の事例をご紹介します。
事例では、次のような施策が展開されています。
- 期間限定の特別展の来場促進:開催までのカウントダウン投稿や、来場者限定ノベルティの告知で、期待感を醸成。
- 著名人タイアップ:著名人をサポーターに起用し、著名人が出演するリール動画を投稿して話題を喚起。
- リアルタイム誘導:イベントや展示の会期中は、プラットフォームの特徴としてリアルタイム性の高い X(Twitter) で、リアルタイムに混雑状況を発信。加えて、InstagramのストーリーズでもXで混雑状況の確認ができることを案内し、クロスプラットフォームで情報を取得してもらえるよう誘導。
■日本館|Expo2025 大阪・関西万博
こちらは、大阪・関西万博の開幕1日前に行われた投稿。カウントダウン風の告知に加えて、日本館名誉館長の藤原紀香さんが出演するリール動画を投稿し、展示の内容を紹介しています。
こちらは、閉幕のカウントダウン投稿。閉幕までの数字を画像で大きく表現し、わかりやすく伝えています。投稿を通して、展示を振り返りつつ、残り期間での来場を促しています。
■【公式】大絶滅展―生命史のビッグファイブ
こちらは、特別展の前日に投稿された告知。キービジュアルを見せつつ、来場者にはノベルティがプレゼントされることを伝え、期待感の醸成や来場の促進を図っています。
■ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
こちらは、大阪・東京・名古屋で開催されたゴッホ展のInstagramアカウント。ストーリーズにて、Xアカウントでリアルタイムの混雑状況を発信していることを伝え、Xへの誘導を図っています。
https://www.instagram.com/gogh2025_26/

まとめ:継続的な改善が「愛される施設」をつくる
目的の設計や運用体制の構築、必要機材やチェックリストの準備ができたら、戦略や企画を練って投稿を始めましょう!
SNS運用は、投稿して終わりではなく、レポートによる振り返りと改善が不可欠です。KPIで進捗を評価しながら振り返りを行い、次の戦略や企画に活かすことで、最初に立てた目的を遂行していきましょう。
株式会社コムニコでは、SNS運用の戦略策定から現場運用、効果検証まで、ワンストップでサポートが可能です。また、目的設計や運用体制の構築などの準備からリスク管理まで、SNS運用に関することであれば何でも相談を承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。
-1.jpg?width=90&height=90&name=S__14540804%20(1)-1.jpg)
フリーランス編集者として大手出版社の雑誌・書籍を担当後、コムニコへ。SNSコンテンツクリエイターとして、高知県観光のSNS支援では9ヶ月でフォロワーを約15倍に拡大など、さまざまな業種のアカウント支援を担当。「We Love Social」では、編集長として100以上の記事を執筆し、メディアを月間最大37万PVに成長させた。本質的な信頼を育む「ラバブルマーケティング」を実践する、SNSエキスパート協会認定講師(SNSエキスパート検定上級資格保有)。









