高知県が持つ自然、歴史、食などの資源を活かした観光の振興を総合的に推進することを目的とし、1994年から地域経済の活性化を図ってきた公益財団法人高知県観光コンベンション協会。
2019年7月からコムニコが全面的にSNS運用支援を開始。高知県観光のSNS施策としては初めてとなるTwitterインスタントウィン・キャンペーン「リョーマの休日 #一生忘れられない高知旅行 ぷち体験キャンペーン」を2019年7月8日(月)~7月17日(水)の10日間、実施した。
以下、公益財団法人高知県観光コンベンション協会 髙橋 順様(左)、高知県観光政策課 西森 大祐様(右)にお話をうかがいました。
これまで高知県では、食や歴史を押し出した観光キャンペーンを開催してきました。引き続いて2019年2月からは、食と歴史に並ぶ高知県の大きな魅力である「自然」をPRする「リョーマの休日~自然&体験キャンペーン~」がスタートしました。
今まではテレビや紙媒体でのPRを主体にしてきましたが、時代の流れにあわせてデジタル媒体を通じたプロモーションを強化。SNSによって、ユーザーによる話題化(拡散)と観光促進、高知県のファンを増やすことが狙いです。
当初は職員がSNSを運用していましたが、マンパワーも知識も不足気味でした。内容やスピードが重要だということは理解していても、職員のみでの対応には限界がありました。
そこで、SNS運用支援をしている5社でコンペを実施し、その提案の中からコムニコを採用しました。
決め手になったのは次の2点です。1点目はSNS運用専門のエージェンシーであること。SNSの知見が深く、過去の運用実績が豊富なことによる安心感がありました。
2点目は、目標への達成プロセスが単なる数値の積み重ねではなかったこと。ユーザーが高知県に興味関心を示しファンになってくれる仕組みとして、SNSを機能させている点に説得力がありました。
さらに、高知県に営業所があることも後押ししました。高知県の魅力をよく知っている方々が担当してくれるので、スムーズに話を進めることができています。
知る人ぞ知る秘境 #七ツ洞(ななつうど)で冒険体験!
— 高知の自然🏞️観光情報発信中 (@naturallykochi) September 20, 2019
高知の離島 #沖の島 の七ツ洞までシーカヤック🛶で行くアドベンチャーに挑戦✨
透明度約40mの美しい海を漕いでいくと、石造りの神殿のような青の洞窟が…😍
一生忘れられない体験、してみんかぇ?#高知でパワーチャージ pic.twitter.com/oBBY3X07wv
高知県の自然や体験の魅力をSNSを通じて多く人々に知ってもらいたいと思い、アカウントの運用を始めました。
SNS運用は主に私たち2人で行っていますが、知見の浅い部分が多くあるため、コムニコにはトータル的にサポートをしていただいています。いつも最善の策を考えて行動してくれる姿からは、やる気や前向きさが感じられ、信頼関係も日を追うごとに強くなっています。
「リョーマの休日 #一生忘れられない高知旅行 ぷち体験キャンペーン」は、高知県の自然をPRする施策の一環として行われたキャンペーンです。フォロー&リツイートで、合計100名様に「高知県産品が購入できるオンラインクーポン」がその場で当たる(インスタントウィン)という内容でした。
フォロワー数もキャンペーン開始3日間で1万人を超え、その後も順調に増加しキャンペーン終了時には1万8,000人と、当初の10倍以上という結果になりました。
Instagramアカウントも当初800人程度でしたが、1ヶ月で約2,000人まで増加しています。
話題になりそうなものをピックアップし、コンテンツ制作に活かすことはもちろん、投稿したら終わりではなく、最新のSNS動向を見極めての炎上対策など、リスクヘッジもはかってくれています。
我々は、投稿内容の確認に集中することができるので、負担は減りながらもクオリティーの高い運用が安心してできてます。
今回の「リョーマの休日 #一生忘れられない高知旅行 ぷち体験キャンペーン」後も「高知観光アンバサダー募集キャンペーン」や、フォトコンテストなど、次々にコンテンツ制作の提案をしてくれました。
長期的なファンを育てるために、キャンペーンの後もコンテンツを工夫し、高知県の魅力を発信し続けていることが、価値のあるアカウントの育成に繋がっています。
また、毎月開催されるイベントの一覧をストーリーズ投稿しハイライトにしておくことで、目立つ位置に情報が留まり、フォロワーが思い出したときに見返すことができる仕組みも取り入れています。
それら施策の結果やKPIの進捗状況は、毎月のレポートで可視化してくれるので、SNSに詳しくない職員に対しても分かりやすいものになっています。
「先日合格した初級SNSエキスパート検定で『コラボ企画』のことを知りました。高知県観光と他企業でコラボ企画などができたら面白いかなと考えています。引き続き、高知県を盛り上げていくためのSNS運用を行っていきたいです。
また、今は国内向けの情報がメインですが、インバウンド向けの情報も今後考えていけたらいいですね。」
(公益財団法人高知県観光コンベンション協会 髙橋 順様)
「多くのフォロワーを持つSNSアカウントとして育てることで、影響力を持つ情報発信ツールとして、高知県観光情報を発信できるようにしていけたらと思います。SNSアカウントが継続的な資産になるように、今後も力を入れていきます。」
(高知県観光政策課 西森 大祐様)
宣伝投稿が敬遠されるSNSでは、ユーザーにとって魅力的なコンセプト設計が成否を分かつポイントです。「ブランドのオリジナリティ(選ばれる理由)」と「ユーザーベネフィット(ユーザーの人生をどう豊かにするのか)」を掛け合わせて、エッジの効いたコンセプトを設計し貫くことで、ファン獲得単価も、エンゲージメントも大きく変わってきます。
高知観光では、海も川も山も星も楽しめる、手付かずの大自然という「高知観光のオリジナリティ」を活かして、「一生忘れられない、“特別な体験”をプロデュース」というコンセプトを設計しました。「こんな場所あるよ」というjust informationではなく、例えばドライブスポットなら「人生最高のドライブ体験」など、ユーザーの各思い出カテゴリの中でNo.1になれるような「一生モノ体験」提案として見せていくことにこだわっています。それによって、まだ高知観光を考えていない潜在顧客にも「次の楽しみが見つかるかも、大自然の楽しみ方って興味ある」とフォローしてもらい、つながりを作っていきます。
例えば「フォロワー数の1%が毎月観光に訪れる」など、掛け捨ての広告プロモーションではなく、運用を継続するほど(フォロワーが増えるほど)費用対効果が高まる「累積型の集客エンジン」を築くことを目指しています。
日々の投稿を通じて観光意欲を高めるため、高知県ならではの「一生モノ体験」を提案する投稿の中で、「行ってみたい」と思ったら、コメント(Instagram)やリツイート(Twitter)をしてもらうことで、アンバサダーとしてお得に高知旅ができるアンバサダーキャンペーンを通年開催しています。心が動いたタイミングで、小さなアクションをしてもらうことで、投稿を記憶に残し観光意欲を高める狙いです。実際、行ったことのある方から具体的な感想・賞賛コメントが寄せられたり、「絶対行きたい」「誰と行きたい」など観光意欲が高まっていると見られる投稿が多く寄せられ手応えを感じています。
高知県庁様の方で実施されている「観光客入込調査」の中で、SNSがきっかけとなった誘客数についても効果測定を行い、PDCAを回していきます。
(担当コンサルタント:木下 優子)
高知県への観光客を増やすためのアカウントなので、「行った気分になって満足」ではなく、投稿を見た後にユーザーが「行ってみたい」気持ちを掻き立てられるような言葉や切り口を選ぶよう心がけています。投稿文では、その場所で体感できる世界観の共有と場所情報のバランスを考えて作成しています。
Instagramストーリーズでイベントを紹介する際も、ただ情報を載せるだけではなく、フォロワーが興味を引くだろうものを中心に据えて訴求しています。「スクリーンショットを撮って保存している人も多い」と伺っています。
SNSで話題になっているスポットの紹介は、時に思わぬ反応が得られます。ユーザーの投稿からそういったスポットを見つけることが多く、お写真をUGC(User Generated Content)活用という形で投稿利用させていただいています。1ユーザーを起点に人気スポットになることも多いので、隠れたスポットを紹介すると、特にInstagramでは反応が良いようです。
(担当クリエイター:山本 春華)
法人名 | 公益財団法人高知県観光コンベンション協会 |
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公式アカウント |
https://twitter.com/naturallykochi |
業種 | 地域観光振興 |
事業内容 |
国内外の観光客及びコンベンションの誘致及び受入に関する事業 |
URL | https://www.attaka.or.jp/ |