2025年は、TikTokが単なるエンタメアプリから、購買と経済を動かす「プラットフォーム」へと進化した1年でした。 マーケティング担当者が押さえておくべき、3つの変化を振り返ります。
11月の発表で、日本国内の月間アクティブユーザー数(MAU)が4,200万人を突破したことが明らかになりました。
ユーザー層は全世代に拡大し、国内の広告出稿企業は48万社超に。もはや「若者向け」という認識は捨て、「生活者の主要タッチポイント」として捉える必要がありそうです。
経済効果を示すレポートでは、TikTokを通じた消費額は2,375億円、国内名目GDPへの貢献は4,855億円に達すると試算されています。
参考:
参考記事:【データで読み解く】TikTok Shop参入のメリット・デメリット〜TikTokが示すECの未来とは〜
参考記事:【ショート動画 × 購買行動】 TikTok・Instagram・YouTubeユーザーの意識データ|600名調査レポート(2025)
6月、アプリ内で商品発見から購入まで完結する「TikTok Shop」がついに日本でも提供開始されました。
これまでの「TikTokで見て、Amazonで買う」という流れから、動画を見てその場で買う「ディスカバリーEコマース」へ。特にコスメ・アパレル・家電カテゴリでの成果が顕著です。
動画の再生数だけでなく、「いかに商品を魅力的に見せ、スムーズに購入へ繋げるか」というコマース視点のクリエイティブが求められるようになりました。
参考記事:【2025年6月開始】TikTok Shopとは?スタートダッシュを決める始め方・使い方・導入手順を解説!
8月、コミュニティガイドラインが大幅に刷新され、AI生成コンテンツの明示や、商業コンテンツ(PR)の透明性が厳格化されました。
💡 編集部コメント:
2025年のTikTokは、ユーザー数とEC機能の両輪が揃い、企業にとって「参入しないリスク」の方が高いメディアに変化してきました。コムニコでもアカウント運用や制作、キャンペーンなどTikTok運用支援を行っています。
この記事でTikTokの成功事例をピックアップした、株式会社コムニコについて簡単にご紹介します。
株式会社コムニコは、大手企業を中心に2,600件以上(2024年10月時点)のSNSマーケティングを支援してきました。Facebookがサービス開始した2008年に創業し、拡散もリスク対策も、トレンドに合わせたさまざまな提案を行いSNSマーケティングの成果達成をサポートしてきました。コムニコでは、社員全員がSNSエキスパート検定上級を取得し、企業団体の規模・業界を問わず、安定したSNS運用体制構築や目的達成につながる支援、ツール提供などを行っています。
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この記事では、企業のSNS運用支援を行う中で、さまざまなアカウントの投稿を見てきたコムニコ社員が選んだTikTokの成功事例から一部をご紹介します。トレンド傾向とあわせてご確認ください。
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2025年は、動画制作のリソース不足に悩んでいた企業が、この「フォトモード」を活用してTikTok参入に成功するケースが急増しました。
TikTok上で、複数枚の静止画をスライドショー形式で投稿できる機能のこと。
音楽に合わせて自動で切り替わるだけでなく、ユーザーが自分のペースで左右にスワイプして閲覧できるのが最大の特徴です。
施策概要:
動画プラットフォームであるTikTokで、あえて静止画(フォトモード)を使い、メニューやカスタマイズ一覧をスライドショー形式で紹介。
なぜ反応を得たか:
動画だと流れてしまう情報を、ユーザーが自分のペースでスワイプして読めるため、「注文時の参考になる」として保存数が伸びました。
示唆:
情報量が多いコンテンツ(メニュー、スペック表など)は、動画にするよりも静止画のほうがユーザーフレンドリーであり、滞在時間も長くなる傾向があります。
施策概要:
カラーコンタクトの装着イメージや色味の比較を、高画質なフォトモードで紹介。
なぜ反応を得たか:
動画では画質が落ちたり一瞬で過ぎ去ってしまう細かなニュアンスも、静止画なら鮮明に確認でき、スワイプで比較検討しやすいため、購入前のカタログとして機能しました。
示唆:
コスメやアパレルなど「色・質感」が購買の決め手になる商材は、動画よりも高画質なフォトモードの方が相性が良い場合があります。
「TikTok SEO」とは、TikTokアルゴリズムを理解した運用でGoogle検索のように活用していくこと。ここでは、検索として活用されやすい、比較検討に使えるカタログ型の動画を紹介します。
施策概要:
「〇〇な人におすすめ」といった具体的なターゲットや利用シーンを設定し、商品をカタログのような動画形式で紹介。
なぜ反応を得たか:
漠然とした商品紹介ではなく、検索ニーズ(悩み)に寄り添ったテーマ設定が共感を呼び、「これ欲しい!」というコメントや保存を誘発しました。
示唆:
「誰のための商品か」を定義することで、検索やおすすめ(レコメンド)で刺さる層に確実に届けることができます。
施策概要:
「予算3000円以内」「女友達へ」など、ユーザーが実際に検索しそうなキーワードを切り口に、商品をまとめて紹介。
なぜ反応を得たか:
ギフト選びの悩み(予算、相手)に直結する実用的なコンテンツであり、保存して後で見返したい需要(クリップ需要)を捉えました。
示唆:
ユーザーの悩み(検索クエリ)を先回りした「まとめ系」の企画は、SEO対策としても非常に有効です。
施策概要:
結婚式の引き出物や内祝いなどのギフト商品を、パッケージの可愛さや開封のワクワク感が伝わる洗練された映像で紹介。
なぜ反応を得たか:
雑誌の特集ページのような構成が「見ているだけで楽しい」という体験を提供し、ギフトを探している層以外の滞在時間も伸ばすことに成功しました。
示唆:
検索流入を狙いつつ、ビジュアルのクオリティで「なんとなく見ている層」も引き込む構成力(見せ方)が光る事例です。
施策概要:
不動産会社のリクルート用アカウント。過度な演出をせず、社員の一人称視点で出社から退勤までを淡々と見せるスタイル。
なぜ反応を得たか:
「キラキラした採用動画」ではなく、実際の業務の忙しさや雰囲気を包み隠さず見せることで、求職者に「信頼できる」と感じさせ、「働いてみたい」というコメントを獲得しました。
示唆:
採用広報においては、着飾った姿よりも「リアルな日常」のほうがZ世代の共感を得やすい傾向にあります。
施策概要:
県庁職員が出演し、行政情報を発信。お役所特有の堅苦しさを排除し、出演者の人柄が伝わるゆるい雰囲気を演出。
なぜ反応を得たか:
「役所の人も普通の人間なんだ」という親近感が、行政への心理的ハードルを下げ、県外のユーザーからも好意的に受け入れられました。
示唆:
組織の「中の人」をキャラクター化し、人間味を見せることは、組織全体のブランディングとして非常に有効です。
施策概要:
「美肌社員リレー」など、自社製品を愛用する社員が次々と登場する企画を実施。
なぜ反応を得たか:
実際に働いている社員の肌が綺麗であることは、どんな広告コピーよりも説得力のある「証拠」となり、製品への信頼度を高めました。
示唆:
社員インフルエンサー施策は、製品の信頼性担保と親近感醸成を同時に行える、メーカーならではの強みです。
施策概要:
TikTok Shopの開始に合わせてLIVE配信(ライブコマース)を導入し、ほぼ毎日配信を継続。
なぜ反応を得たか:
LIVE限定のクーポン配布など、視聴するメリットを用意しつつ、配信者とのリアルタイムな対話を通じて購買意欲を喚起させました。
参考:日本上陸TikTok Shopで快進撃―王子製薬が達成したROAS4.2倍、GMV45倍超
示唆:
TikTok Shopでの成功の鍵は、動画投稿だけでなく、LIVE配信による熱量の高いコミュニケーションと販売促進の掛け合わせ。コツコツとライブ配信をしてコミュニケーションをとることが購入意向を高めるポイントに。
施策概要:
ガストなどの店舗で使える「裏技」や「アレンジ」を長尺動画で丁寧に解説。
なぜ反応を得たか:
「知らなかった!」「今度やってみたい」という実益のある情報は、動画時間が長くても離脱されにくく、検索流入からの視聴も多く獲得しました。
示唆:
1分以上の長尺動画は敬遠されがちですが、ユーザーにとってメリットが明確な「ハウツー・裏技」系であれば、むしろ尺が長いほうが満足度が高まります。
施策概要:
専門的な知識や情報を、親しみやすいイラストを使ってわかりやすく解説。
なぜ反応を得たか:
テキストだけでは難しい内容も、視覚的なイラストと組み合わせることで理解しやすくなり、学びを求めるユーザー層からの信頼(フォロー)を獲得しました。
示唆:
企業の持つ専門知識は、TikTok上で貴重なコンテンツ資産になります。専門用語を使わず、視覚的に噛み砕いて伝える工夫が重要です。
施策概要:
インテリア商品を、テンポの良いカット割りと音楽に合わせて紹介。視聴者を飽きさせない構成を徹底しています。
なぜ反応を得たか:
「気がついたら最後まで見ていた」と思わせるリズム感と、商品の魅力を凝縮した編集技術が、高い視聴完了率を生み出しています。
示唆:
特に若年層向けには、冒頭の掴みとテンポ感が命。情報を詰め込みすぎず、リズミカルに見せる編集テクニックは必須スキルです。
施策概要:
食品紹介動画において、冒頭で強烈なシズル感(美味しそうな映像)を見せ、黒手袋を着用するなどYouTuber的な演出を取り入れました。
なぜ反応を得たか:
「ドンキにこんなの売ってるんだ!」という発見と、食欲をそそる映像が来店動機を喚起。コメント欄での「買ったよ」報告も活発です。
示唆:
商品紹介動画は、最初の1秒で「自分に関係ある(美味しそう、便利そう)」と思わせるインパクト勝負。クリエイターの手法を積極的に模倣するのが近道です。
施策概要:
TikTokでトレンドになっている楽曲やダンスに、自社商品を使って全力で乗っかる投稿を繰り返しているアカウント。
なぜ反応を得たか:
「公式がまた暴走している」「仕事選んで」といったツッコミを誘うことで、企業の堅いイメージを払拭し、若年層コミュニティの仲間として受け入れられました。
示唆:
その場の「ノリ」に全力で合わせる姿勢が、TikTok上での好感度(エンゲージメント)に繋がります。ブランディングイメージや自社で定めたSNSガイドラインに合わせて検討してみましょう。
施策概要:
わずか6秒という短さに、10カット以上の映像を詰め込んだハイテンポな動画を投稿。
なぜ反応を得たか:
一瞬で終わるため「何が映っていた?」と気になり、自然とループ再生(視聴維持率向上)される構成になっています。
示唆:
長尺が流行る一方で、極端に短い動画もアルゴリズム的に有利になる場合があります。視聴者の時間を奪わない工夫も重要です。
施策概要:
「〇〇をやってみた」というチャレンジ形式の動画を投稿。
なぜ反応を得たか:
成功するか失敗するか気になる構成は、視聴者を最後まで繋ぎ止める力が強く、結果として視聴完了率を高めました。
示唆:
「プロセスを見せる」ことは動画コンテンツの基本。結果がわからないドキドキ感を演出することで、離脱を防げます。
施策概要:
動画内で動体視力テストなどのミニゲームを実施。
なぜ反応を得たか:
「できた!」「難しすぎる」といった結果報告コメントが殺到。TikTokはコメントに画像も貼れるため、コミュニケーションが盛り上がりました。
示唆:
見るだけでなく「参加する」動画はエンゲージメントを高めるポイントとなります。コメント欄を掲示板のように使う設計が効果的ではないでしょうか。
施策概要:
沖縄のカフェアカウントが、当時流行していた音源 に便乗して投稿。
なぜ反応を得たか:
広告色を一切出さず、純粋にエンタメとして楽しめる動画だったため、視聴者の好感度が上がり、結果としてお店の認知拡大に繋がりました。
示唆:
中小企業や店舗アカウントこそ、予算をかけた広告よりも、アイデアとフットワークで勝負できるミーム活用が最大の武器になります。
日々、たくさんの事例収集、提案、コンテンツ制作、企画を行うコムニコ社員に2026年の予想を聞いてみました。
そこから共通するポイントを3つまとめて紹介します。
「TikTokで検索する」行動は、若年層だけでなく全世代に広がりつつあります。
2026年は、ハッシュタグだけではなく、動画内の音声(自動字幕)やテロップ、キャプションに含まれるキーワードがより厳密に検索アルゴリズムに影響するようになるのではないでしょうか。
この記事で紹介した事例にも裏技的な紹介が多く見られました。「検索意図(悩みや疑問)に対するアンサー動画」が企業のブランド資産として評価される時代になりそうです。
🗣️ 社員の声
作り込まれた広告クリエイティブへの警戒心が高まる一方で、加工の少ない「リアルな映像」への信頼感が増しています。 採用広報や企業ブランディングにおいて、かっこいいPVを作るよりも、社員がスマホで撮影したような「ありのままの日常」や「失敗談」のほうが、結果としてエンゲージメント(共感)を生む傾向は2026年も続きそうです。
🗣️ 社員の声
TikTok Shopの日本上陸により、動画を見てその場で買う導線が完成しました。
2025年にコムニコが行った調査からはまだ普及途中の様子が見られましたが、2026年は、単発の動画投稿だけでなく、LIVE配信(ライブコマース)を定期的に行い、リアルタイムで視聴者の質問に答えながら商品を販売するスタイルが、EC事業者のスタンダードになっていきそうです。
🗣️ 社員の声
2025年のTikTok成功事例を見ると、「フォトモード(静止画カルーセル機能活用)」「検索(SEO)」「リアルな人間味」という3つのキーワードが浮かび上がってきました。
かつての「ダンス動画アプリ」というイメージは完全に過去のものとなり、2026年のTikTokはGoogleやAmazonのような「検索・購買のインフラ」としての側面を強めていきそうです。
企業がTikTokで成果を出すためには、流行の音源に乗る瞬発力だけでなく、「ユーザーが何を知りたがっているか(検索意図)」や「どうすれば買いたくなるか(購買動線)」を設計するマーケティング視点が不可欠です。
まずは自社の商材が「どう検索されているか」を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
We Love Socialを運営するコムニコでは、TikTokアカウントの開設から、トレンドを押さえたショート動画制作、TikTok Shopの運用支援までトータルでサポートしています。「自社商品とTikTokの相性がわからない」「動画を作るリソースがない」といった課題をお持ちの担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、TikTokだけでなく、InstagramリールやYouTubeショートなど、縦型ショート動画全体の活用戦略についても提案可能です。
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