マーケティング担当者が押さえておくべき、両プラットフォームの大きな変化を3つのポイントで振り返ります。
世界的に「SNSの安全性」が問われた2025年。オーストラリアなど各国で10代のSNS利用制限が議論される中、Metaはこれまでも他媒体に先駆けていち早く「安全性」と「透明性」を強化する動きを見せてきました。
これにより、Facebookは単なる交流サイトではなく、企業にとっても「安心して発信できるクリーンな場所」としての価値を高めています。
サービス開始20周年を迎えたYouTubeは、もはやスマホだけのメディアではありません。
「YouTube Impact Report 2024」によると、日本のGDPに4,600億円規模の経済効果をもたらしており、全世代を網羅する巨大な経済圏となっています。
両プラットフォームともに、AI活用と「個」の支援が加速しました。
💡 編集部コメント:
2025年の動きから見えるのは、「信頼できる場所(Meta)」と「生活に溶け込む場所(YouTube)」という、それぞれの強みの深化です。
次章からは、こうした巨大プラットフォームの中で、あえて「人間味」や「実益」で勝負し、ファンの信頼を勝ち取った企業の成功事例を紹介します。
この記事でFacebook・YouTubeの成功事例をピックアップした、株式会社コムニコについて簡単にご紹介します。
株式会社コムニコは、大手企業を中心に2,600件以上(2024年10月時点)のSNSマーケティングを支援してきました。Facebookがサービス開始した2008年に創業し、拡散もリスク対策も、トレンドに合わせたさまざまな提案を行いSNSマーケティングの成果達成をサポートしてきました。
コムニコでは、社員全員がSNSエキスパート検定上級を取得し、企業団体の規模・業界を問わず、安定したSNS運用体制構築や目的達成につながる支援、ツール提供などを行っています。
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この記事では、企業のSNS運用支援を行う中で、さまざまなアカウントの投稿を見てきたコムニコ社員が選んだ成功事例から一部をご紹介します。トレンド傾向とあわせてご確認ください。
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Facebookのメインユーザー層である30代〜50代以上に支持されているのは、企業の「中の人」の気配がする投稿や、社会的なメッセージ性のあるコンテンツです。
施策概要:
デジタルなタイムラインに、あえて「手書きの文字画像」を投稿。時候の挨拶や感謝の言葉を、温かみのある筆致で伝えています。
なぜ反応を得たか:
画一的なフォントが並ぶフィードの中で、手書き文字は異質な存在感を放ち、読み手の感情に訴えかけることで、中高年層を中心としたFacebookユーザーの心を掴みました。
示唆:
効率化が進む今だからこそ、あえて手間をかけた「アナログな表現」が信頼と差別化を生みます。
施策概要:
万博の閉幕後も、ミャクミャクの活動や想いを「日記のような長文」で投稿。感情に訴えるエモーショナルな文章が特徴です。
なぜ反応を得たか:
Facebookは長文を読む文化が根付いているため、しっかりと思いを綴ることで「応援したい」というファン心理を醸成。公式サイトへの誘導も自然に行えています。
示唆:
イベントが終わっても関係性は終わりません。Facebookでは「ストック型の読み物」として、ブランドの物語を語り続けることが重要です。
施策概要:
「膀胱がんの男女比は?」など、健康に関するクイズを画像で出題し、答えをテキスト(キャプション)で読ませる構成。
なぜ反応を得たか:
健康意識の高いFacebookのユーザー層に対し、「自分や家族に関係あるかも」と思わせるテーマ設定が秀逸。答えを知るために「もっと見る」を押させることで、滞在時間を伸ばしています。
示唆:
クイズはエンタメだけでなく、啓発活動にも有効です。画像で問いかけ、テキストで深い知識を提供するハイブリッドな構成がFacebookに適しています。
施策概要:
街づくりや環境保全などのCSR(企業の社会的責任)活動を、美しい写真とともに紹介。
なぜ反応を得たか:
Facebookにはビジネスパーソンが多く、企業の社会貢献活動に対して肯定的な反応(いいね・シェア)が集まりやすい傾向があります。
示唆:
XやTikTokではスルーされがちな「真面目な取り組み」こそ、Facebookで発信すべきです。企業のブランディングと信頼構築に直結します。
施策概要:
「オロナミン銭湯」というシリーズ企画を展開。キャラクターによる親しみやすい語り口で、読み応えのあるテキストと豊富な写真素材を投稿。
なぜ反応を得たか:
単なる商品紹介ではなく、キャラクターの世界観に浸れる「連載コンテンツ」としてファンを楽しませています。
示唆:
Facebookでも、しっかり作り込んだテキストと世界観は評価されます。「読む楽しさ」を提供することが、エンゲージメント維持の秘訣です。
施策概要:
レシピ紹介において、単に料理を見せるだけでなく「子育てママ目線」や「担当者のコメント」を加えることで、投稿に人格を持たせています。
なぜ反応を得たか:
「誰かが自分のためにおすすめしてくれている」という温度感が、無機質なレシピ情報に付加価値を与え、親近感を生みました。
示唆:
情報は「誰が発信するか」が重要です。担当者の顔が見えるような運用は、ユーザーとの心理的距離を縮めます。
2025年は「リール動画」がFacebook上でも高い再生数を記録する事例が増えました。
施策概要:
デフリンピック開催に向け、簡単な手話をクイズ形式のショート動画で紹介。
なぜ反応を得たか:
「へぇ、こうやるんだ」という学びがあり、数秒で完結するため、フィードを流し見しているユーザーの手を止めさせました。
示唆:
教育・啓発コンテンツとショート動画は相性抜群。クイズ形式にすることで「参加」を促し、記憶に残る投稿になります。
施策概要:
「機内の窓からの景色をきれいに撮る方法」など、搭乗時につい試したくなる裏技を15秒動画で紹介。
なぜ反応を得たか:
実用性が高く、かつ短尺で見やすい動画は、保存されやすく、旅行好きのコミュニティ内でシェアされました。
示唆:
Facebookのリールは、派手なエフェクトよりも「生活の知恵」「裏技」のような、大人にとってメリットのある情報が好まれます。
施策概要:
通販でおなじみの「夢グループ」とコラボ。独特の語り口で「えふでーえー」と連呼する動画を投稿。
なぜ反応を得たか:
Facebookのメインユーザー層と親和性の高いタレントを起用し、エンタメとして楽しみながら、認知度が課題だった社名を強烈に印象付けました。
示唆:
ターゲット層に刺さる「文脈(タレント選定)」を理解したコラボは、広告臭を消し、エンゲージメントを最大化します。
エンタメ系YouTuberとは異なり、企業公式YouTubeは「検索(SEO)」を意識した、息の長いコンテンツ作りが成功の鍵です。
施策概要:
人気スタイリストによる髪型のセット方法を丁寧に解説。シリーズ化して展開しています。
なぜ反応を得たか:
「センターパート 切り方」「メンズセット」などで検索するユーザーの悩みを解決する動画であり、広告色が薄いため、長く再生され続ける資産となりました。
示唆:
YouTubeは世界第2位の検索エンジンともいわれています。ユーザーの悩み(検索クエリ)に基づいたハウツー動画は、企業のYouTube運用の王道です。
施策概要:
食のインフルエンサーを起用し、ローソンのオリジナル商品を使った簡単アレンジレシピを紹介。
なぜ反応を得たか:
「コンビニで買えるもので、美味しく作りたい」という身近なニーズに応え、具体的な利用シーンを提案することで、来店・購買意欲を喚起しました。
示唆:
単なる商品紹介CMではなく、「どう使うか(Use Case)」を提案する動画は、視聴者にとっての実益となり、好意的に受け入れられます。
施策概要:
身近な製品ができあがるまでの「工場の製造工程」を、ナレーションと映像で淡々と、しかし詳細に見せる動画。
なぜ反応を得たか:
「ずっと見ていられる」没入感と、知的好奇心を満たす構成が人気。10分前後の長尺ですが、離脱されにくく、海外からのコメントも多く集まります。
示唆:
企業にとっては当たり前の「裏側」も、一般ユーザーにとっては新鮮なエンタメです。過度な演出をせず、リアルを見せるコンテンツはYouTubeで強く支持されます。
施策概要:
メインチャンネルとは違ったゆるい雰囲気で、JAL社員の素顔を伝えるサブチャンネルで1日密着。
なぜ反応を得たか:
国際線のフライト密着という「普段見ることができない」映像で、「将来の夢が決まった」などコメントが集まりました。
示唆:
すでにブランド認知のある企業であっても「裏側」を見せることで親近感の醸成や信頼感アップにつながりそうです。
施策概要:
書店員が知るコアな世界を伝えているチャンネル。
なぜ反応を得たか:
書店・本という2次元性と動画という多面性をテレビ番組風に企画。キャラクターと書店員が解説することで「知らなかったことを知れる」内容になっています。
示唆:
業界ならではの内容や「書店」が扱う商品の広さを、敢えてジャンルで絞らず企画性の高いメディア調でまとめている事例です。
施策概要:
アサイーボウル専門店が「アサイーをすくう音・作る音」と共にショートで質問回答でコミュニケーション。睡眠用の長尺ASMR動画を公開しています。
なぜ反応を得たか:
コミュニケーションの中で音に癒される人が多いことを知り、1時間のASMR動画を作成。その後、2時間・3時間と視聴者のニーズに応える形で長尺動画を公開したことで「要望を叶えてくれる、発信者とコミュニケーション」できるアカウントになっているから。
示唆:
発信だけではなく、視聴者とのコミュニケーションをすることでアカウントを育てていくことができそうです。
施策概要:
ジャンプ漫画やアニメを紹介するだけではなく、YouTubeの「投稿」機能も活用している事例。
なぜ反応を得たか:
元々の知名度が高いにも関わらず、投稿も活用してアンケートなどでコミュニケーションをとっています。
示唆:
動画は多く作れない、という場合でも「投稿」機能活用でコミュニケーションをとっていくことができそうです。
参考:http://youtube.com/post/UgkxSZoLwkWb6O_bhpTib7IeWFR7ufutFsW_?si=SHyXNwlU9l7CU_-D
日々、企業のSNS支援を行うコムニコ社員に、2026年の予測を聞いてみました。
共通するのは「信頼」と「検索」への回帰です。
若年層向けSNSのトレンド変化が激しい中、Facebookは「実名制に基づいた、信頼できるコミュニティ」としての価値を再確立します。 企業アカウントにおいても、一方的な宣伝ではなく、ファンと語り合う「グループ機能」の活用や、特定のファン層に向けたディープな情報発信が重要になるでしょう。
🗣️ 社員の声
テレビでのYouTube視聴時間が激増している今、スマホの小さい画面だけでなく、リビングの大画面で見られることを前提とした画作りや企画が求められます。 また、ショート動画で認知し、長尺動画で理解を深め、テレビ画面のQRコードから購入する、という「フルファネル」の導線設計が2026年のスタンダードになるでしょう。
🗣️ 社員の声
2025年の成功事例に共通していたのは、決して派手なバズり方ではありません。
Facebookでは手書き文字や長文で「誠実さ」を伝え、YouTubeでは詳細な解説や製造工程で「納得感」を与える。どちらも、ユーザーからの「信頼」を積み上げる運用でした。
Meta AIによる対話機能や、YouTubeのテレビショッピング機能など、テクノロジーは進化し続けますが、その中心にあるのは「信頼できる情報か?」「役に立つか?」という本質です。
2026年は、この原点に立ち返り、ターゲット層に合わせた「実益」と「対話」を提供できる企業が、SNSマーケティングを制するでしょう。
We Love Socialを運営するコムニコでは、FacebookやYouTubeを含む主要SNSの運用代行・コンサルティングを行っています。「Facebookのエンゲージメントが下がってきた」「YouTubeを始めたいがリソースがない」といった課題をお持ちの担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
トレンドを押さえた企画立案から、炎上リスクを考慮した安心の運用まで、トータルで支援いたします。