>>調査を行ったコムニコとは?サービス資料をダウンロードする
本記事は、株式会社コムニコが実施した以下の調査結果に基づき作成されています。
▶︎調査結果ダウンロード:ショート動画視聴と購買行動に関する意識調査
まずは、今回の調査対象である3つのショート動画媒体(TikTok/Instagramリール/YouTubeショート)の特徴を整理します。
ショート動画とは、一般的に15秒〜60秒程度の縦型動画フォーマットを指します。
TikTokやInstagramリール、YouTubeショートなどさまざまなSNSプラットフォーム提供社が導入しています。ここで、主なショート動画について概要を紹介します。媒体ごとのユーザー数や特徴、主なユーザー数、動画のトーンをまとめました。以下の表はアンケート結果ではなく、媒体ごとの特徴となっています。
| ショート動画名 | 国内ユーザー数・特徴 | 主なユーザー層・傾向 | 動画のトーン・特徴 |
| TikTok |
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Z世代を中心に人気。 若年層の視聴頻度が特に高い。 |
テンポが速く、トレンド音源やエフェクトを活用したカジュアルな内容。 初期・小規模アカウントでバズる(認知を得る)ことも可能。 |
| Instagram Reels(リール) |
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若年層(Z世代)から20〜40代女性まで幅広い。 ブランドの世界観や統一感を重視。 |
世界観やデザインにこだわって表現。 ユーザーは流し見よりも興味のあるものをじっくり見る傾向がある。 |
| YouTube Shorts |
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全年齢層に広く浸透。 動画検索エンジンとしても利用される。 |
教育・解説・レビューなどの情報提供型コンテンツと相性が抜群。 検索して見つかる動画を作ることが重要。古い動画も見られることがある。 |
ここからは、調査資料から見えてきたデータを一部抜粋してご紹介します。
視聴目的を聞くと「暇つぶし」が約80%で最多という結果になりました。これは、ユーザーがショート動画を「手軽な暇つぶしツール」として無意識に消費していることですが、調査結果によると、「広告であっても最後まで見る」コンテンツの特徴も見えてきました。
暇つぶしや流行情報の収集に使うユーザーが大半ですが、企業やブランドのショート動画を見て購買につながるポジティブな影響を受けたユーザーは40%。「ショート動画活用をまだ進めていない」企業も多い中、この数字は驚異ともとれます。
ショート動画を通じて、商品やサービスを認知したことがあるユーザーに対して、どのような投稿を信頼するか聞いてみました。1位は企業やブランドアカウント自身の投稿で、続いておすすめに流れてきた知らない人(フォロー外)の投稿、インフルエンサーの投稿、友人知人の投稿となっています。
企業のマーケターが気になるのは「広告効果がどのくらいあるか」という点。企業公式アカウント運用はコストがかかりそう、というイメージをお持ちの方も多いようです。
広告とわかっても最後まで見ることはありますかという質問に対し、肯定的な回答の合計は約52%で過半数を超えました。広告として認識されたとしても、動画の冒頭でユーザーを惹きつけ、「内容の面白さ」が伴えば、広告であっても視聴を継続してもらえる可能性が高いことを示しています。
「最後まで見続けたい」というショート動画の内容についても聞いています。アカウントのターゲット・ペルソナが興味関心をひく内容である、ということが視聴継続の鍵となっています。
商品やサービスをどんな人に届けるか、そのためにショート動画をどう活用していくか、ということを考えてみましょう。
2025年7月、TikTok Shopが日本で公開され、EC直結の仕組みにより企業活用が進んでいます。日本におけるTikTok Shopについて、利用状況を調査しました。
TikTok Shopの認知度はまだ低く、「TikTok Shopを見たことがない」が約73%を占め、最多となりました。本格的な普及はこれからとなりそうです。
また、非利用者層の利用意向が低い理由の半数以上が「知らなかった」という認知不足となっています。
実際にTikTok Shopで購入に至ったユーザー(N=17)は、「知っているインフルエンサーが紹介していた」ことを購入理由の最多(約70%)に挙げています。
さらに、これらの購買者は「商品・サービスをネット検索した」や「商品・サービスをTikTok以外のSNSで検索した」など、外部で確認してから購入する傾向があるようです。
現在のところ、TikTok Shopでの購買数は少ないと推測されますが、調査結果から傾向は見えてきました。
TikTok Shopでの施策を成功させるためには、インフルエンサーとの連携に加え、公式サイトの情報整備や口コミが発生する環境づくりといったネットマーケティング全体をフルファネルで設計が必要不可欠と株式会社コムニコでは考えています。
なお、TikTok Shopについては、以下の記事もご確認ください。
参考記事:【データで読み解く】TikTok Shop参入のメリット・デメリット〜TikTokが示すECの未来とは〜
調査を行った株式会社コムニコは、日本におけるSNS黎明期である2008年に創業。企業のSNSマーケティング支援の先駆けとして、これまで2,600件の運用支援実績(2024年10月時点)があります。
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今回の調査結果をもとに、企業が取り組むポイントをまとめました。
ショート動画を最後まで見てもらうには、視聴者が「興味がある」「関心がある」と感じる内容が必要です。今回の調査でも、視聴継続理由として最も多かったのは「内容に興味・関心があるもの」でした。また、購買行動の起点となる「信頼」は企業公式アカウントの投稿から生まれやすく、安心できる情報発信が求められます。
視聴継続の改善には、Instagramリールのリテンション分析(視聴の落ちるポイントがわかる前後グラフ)などのデータ活用も効果的です。コンテンツを作って終わりではなく、分析と改善を繰り返すことで、より高い効果が期待できます。
参考記事:Instagramインサイトの見方-リール分析
行動変容の中で最も多かったのは「商品・サービスを検索した」というもの。ショート動画で興味を持ったあと、ユーザーはSNS外の情報で最終確認を行っています。そのため、公式サイトやECページ、他SNSの情報整備は購買につながる重要なステップといえます。
コムニコには「デジタルマーケは長年やってきたがSNSは専門外」というご相談を多くいただきます。Webも重要、SNSも重要。動画が入口となる今だからこそ、SNS部分はプロに任せることで「検索に強い導線」を一緒に設計できます。
参考:SNSとWebを連動し話題化に成功したコムニコの支援実績
https://www.comnico.jp/clients/finetoday-plustomorrow
TikTok Shopの購買者(N=17)に限定すると、購入理由の最多は「知っているインフルエンサーが紹介していた」でした。さらに、TikTok外での検索や他SNSでの確認を経て購入を決定していることから、安心感を担保する導線設計が不可欠です。
TikTok Shopでは特にインフルエンサー選びが成功のポイントとなりますが、「自社のペルソナにはどのインフルエンサーが合うのか分からない」というご相談も多くいただきます。コムニコでは、インフルエンサーの選定からやり取り、成果レポートまでワンストップで支援することが可能です。
問い合わせ:インフルエンサー施策のご相談はこちら
https://www.comnico.jp/inquiry-consulting
今回の調査では、ショート動画が「暇つぶし」の枠を超え、ユーザーの購買行動に影響を与える存在へと変化していることが分かりました。このレポートで分かった3つのポイントをまとめておきます。
▶︎調査結果ダウンロード:ショート動画視聴と購買行動に関する意識調査
特に、TikTok Shopのような新しい購買チャネルでは、インフルエンサーの影響や、複数チャネルをまたいだ確認行動が顕著でした。ショート動画単体で完結するのではなく、検索・口コミ・公式サイトなど周辺チャネルと連動した設計がより求められています。
ショート動画の可能性は広がり続けていますが、「撮る」「投稿する」だけでは成果にはつながりません。ユーザーの行動を理解し、購買までの道筋をデザインすることが重要です。
本記事で紹介した内容は、調査結果の一部です。より詳細なデータはレポートでご覧いただけます。ショート動画活用やTikTok Shop施策のご相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。