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<2025/7/1時点:サービス提供開始を受けて更新>
TikTok Shopとは、縦型短尺動画プラットフォーム「TikTok」のEC機能。TikTok Shopは、日本でも2025年6月30日に提供開始されました。これによって、TikTok上で商品の認知拡大から興味喚起、そして購入までの一連の購買プロセスを完結できるようになります。TikTokは「発見から購入までをアプリ内で完結し、新たな購買体験となる「ディスカバリーEコマース」を実現する」と発表しています。
TikTok Shopは、15の国と地域(2025年3月時点)で利用されており、大手ブランドから中小企業、スタートアップまで企業規模や商材に関係なく、世界中のあらゆるセラーが利用しています。
TikTok Shopは、通常のフィードを流れるショート動画やライブ配信、ショーケースタブと連携しており、いずれのコンテンツからも直接商品の購入が可能です。ショーケースとは、一般ユーザーが企業やクリエイターのアカウントから直接買い物できる機能のこと。ユーザーは、企業やクリエイターのアカウントのプロフィールページに表示されたショッピングバッグのアイコンから商品一覧ページにアクセスし、商品を選んで購入することができます。
SNSから外部EC連携と異なり、TikTok ShopはTikTokが提供するECシステムとなっています。そのためユーザーは数回のステップで購入まで完了でき、企業やクリエイターは効果測定や分析まで同システム上で行えることが特徴です。
また、TikTok Shopから商品を購入したユーザーが感想や使用感などをTikTokにコンテンツとして投稿すれば、さらに他ユーザーの認知や興味喚起につながるといった循環が生まれることも期待できます。
そもそも、TikTokが日本における社会的影響度はどのくらいなのか、ご存知でしょうか?
2024年の調査結果によると、TikTokによって生まれた推定消費額は1772億円となっています。この消費額をもとにした国内名目GDP(国内総生産)への貢献額は4741億円でした。中小企業に対してのGDP貢献額は600億円以上で、規模の大小に関わらず多くの企業や自治体などの公的セクターで、強力なマーケティングツールとして活用されています。
日本はGDP世界4位の経済圏となっています。そして、eコマースの市場規模に関しても世界4位となっている一方、BtoCのEC化率は9.38%(2024年9月経済産業省発表)と低いのが現状です。
見方を変えると、EC化率9.38%とまだまだ低水準でありながら、eコマース市場世界4位となっているポテンシャルの高いマーケットが日本である、ともいえます。ヨーロッパではEC化率30%以上となっていますから、日本において、TikTok Shopは黒船とも言える存在になってくるのではないでしょうか。
なお、現在においてもTikTokを利用している人の30.5%が、TikTokのコンテンツを見て何かしら商品やサービスを購入したと回答(2024年TikTok発表)しています。
「TikTok売れ」とも呼ばれる購買行動への影響度がさらに高まることになりそうです。ビジネスの売上を拡大するために、TikTokを見逃すことはできなくなってきている、ということでもあります。
記事更新時点で日本におけるTikTok Shopは利用できませんが、登録を進めることは可能です。
TikTok Shopを始めるには、まず次のようなものが必要です。
準備ができたら、TikTok Shopの設定をしていきましょう。
※TikTok Seller Centerの登録から商品販売設定については、記事公開時点(2025/05/28)では日本でのTikTok Shopが開始されていないため、他国での設定を参考に紹介しています。
承認が下りたら、購入代金の受け取りや返金手続きに必要な銀行口座をショップに紐づけます。
参考:TikTok Seller CenterでTikTok Shopを設定する方法
以上の手続きをすべて完了すると、ショップに商品が追加できるようになります。
ショップの開設には審査が必要なため、数日~数週間ほど猶予を見て登録するようにしましょう。
販売開始までの期間には、TikTokのガイドラインやプライバシーポリシーなどをしっかりと確認し、ショップの運営方法や顧客情報の管理方法を確立していくことが大切です。
TikTok Shopを利用するユーザーは、どのような購買体験をするのでしょうか。
TikTokから商品を購入するルートは、主に4通りあります。フォローまたはおすすめのフィードを流れる動画、ライブ配信、ショーケース、ショップタブです。
フォロー中またはおすすめのフィードを流れる動画であれば、動画内の商品タグをタップすると、商品詳細ページに遷移し、アプリ内で購入、決済まで済ませることができます。
おすすめフィードに動画が掲載される可能性もあり、フォロワーに限らず多くのユーザーの目に触れることになります。ユーザーがそこで商品に興味を持てば、そのまま数ステップですぐに購入まで進むことができるのです。
ライブ配信を活用すれば、ユーザーとリアルタイムでコミュニケーションを取りながら、商品を詳しく紹介することができます。その中で商品が気になったユーザーは、動画内にピン留めされた商品をタップするか、ショッピングカートのアイコンをタップすることで、配信から直接買い物ができます。
ユーザーは企業やクリエイターのプロフィールページを開き、ショッピングバッグのアイコンから商品一覧ページにアクセスし、買い物ができます。
ショップタブは、TikTok Shopで展開されている商品を発見できるタブのこと。ユーザーは、そこから気になる商品を発見して購入することができます。ショップタブでは、一人ひとりのユーザーの興味関心に合わせて商品がレコメンドされます。
前項で述べたように、TikTokから商品を購入するルートは複数あります。その中でも、ライブ配信・ショーケース・ショップタブについて、それぞれの特徴や向いているカテゴリーをまとめました。
フィード上を流れるショート動画は、フォロワーを含むさまざまなTikTok ユーザーに届けることができ、ライブ配信は視聴者と直接的なコミュニケーションを行いながら商品を訴求することができます。そこで、ショート動画は認知の拡大、ライブ配信は販促といったように、役割を分ける意識でコンテンツを制作するのがおすすめです。
リアルタイムでユーザーとコミュニケーションできることが一番の特徴です。ユーザーの反応を見たり、質問に答えたりしながら、商品の魅力を訴求することができます。語り手の思いや熱量も伝わりやすく、視聴者の気持ちを爆発的に高めて即時購入を狙いやすいことも特徴です。
ライブコマースはInstagramなどでも盛んに行われており、そうした実績を鑑みると、ファッション系の商品はライブ配信による販売に非常に向いていると言えるでしょう。
取り扱っている商品を並べて一覧として表示できます。ユーザーは、フィード上などで見かけた商品も含めていろいろな商品を閲覧し、商品詳細ページに遷移して比較検討したり、購入したりすることができます。ブランドや商品への安定導線になるため、ユーザーがフィードで商品を見かけたタイミングだけでなく、のちに商品を思い出したときや、他の商品も見ながらじっくり検討したいといったときにも役立ちます。
家具や家電などの検討や購入に時間を要する商品や、種類やカラーの多い商品を取り扱っている場合に、特に利用をおすすめしたい機能です。
ユーザーの興味関心に合わせて、商品が表示されることが特徴です。フィードに流れてくる商品は受動的に閲覧しますが、このタブを開いたユーザーは少なくとも能動的に商品を閲覧しようという姿勢があります。また、企業やクリエイターにとっては、フォロワーではないユーザーにも商品を知ってもらうことができます。
どのようなカテゴリーの商品にもおすすめの機能ですが、特に注目商品に活用することで、成果の最大化が期待できます。
マクロミルの調査(Scape調査2023.10)によると、「TikTokの動画を見たあとに、商品を検索したことがある」と回答した人は、75.2%にのぼったといいます。また、どこかで興味を持った商品をTikTok上で検索し、情報収集するといった行動もよく見られています。
TikTok Shopを開設してTikTokアプリ内で購入までできるようにすることで、SNS投稿と商品販売をシームレスに結び付けられるようになるのはもちろん、他のSNSなどで気になった商品をTikTokで検索したといった場合にも、シームレスに購入につなげられるようになります。
また別の調査*では、36.2%の人が「TikTokの動画を見たあとに、美容商品を購買したことがある」と回答しています。こうしたデータからもわかるように、TikTok Shopは特に美容系の商品との相性が良いと言えます。また、TikTokのメインユーザー層である若年層をターゲットにした商品や、自社で販売機能を持つD2Cとの相性もぴったりです。
*Beauty Survey 2021/7, n: 260, commissioned to Asmarq
ショート動画やライブ配信を活用することで、コンテンツで商品を訴求して販売につなげる“コンテンツドリブンなEC”が実現できます。一つのコンテンツを通して多くの人に訴求することができますし、ショート動画などのコンテンツは一度つくれば資産としてその後も活用できます。
TikTokは、それ自体のアルゴリズムがレコメンドに強く、ユーザーはフォローしているアカウント以外の動画を閲覧する機会も多くあります。そのため、フォロワーが少なくてもコンテンツがバズって大きく伸びることも珍しくありません。同じように、商品を紹介する動画のバズなどによって、突然売上が大きく伸びるといったことも考えられそうです。
TikTokで売上を拡大するためには、TikTokの機能や仕組みを使いこなすことが重要です。ショート動画は認知の拡大、ライブ配信は販促といったように分けて、コンテンツ作成をするのもひとつです。ほかにおすすめのポイントをご紹介します。
TikTok上のインフルエンサーとコラボすることで、インフルエンサーのファンをはじめ多くのユーザーに商品の情報を届けることができます。従来のインフルエンサー施策のように、企業が直接インフルエンサーに声を掛けてコラボする方法もありますが、アフィリエイトプログラムへの参加もおすすめです。
TikTokにおけるアフィリエイトプログラムは、TikTok上のクリエイターに商品をプロモーションするコンテンツを作成してもらう代わりに、一定の手数料を支払うモデルとなっています。
TikTokは、プラットフォームとしてタイムセールの割引やクーポンの発行などを行っています。そうしたキャンペーンに合わせて、フィード動画やライブ配信などのコンテンツを展開することも重要です。
TikTokでは、売上拡大の考え方として、ACEフレームワークを提唱しています。
ACEとは、Assortment(品揃え)・Content(コンテンツ)・Empowerment(注力)の略。商品数や商品情報をしっかりと揃え、フィード動画やライブ配信、インフルエンサーなどTikTok上の機能を活用してコンテンツを増やし、販促キャンペーンや広告を活用して訴求を強化するといった三つ巴の運用が効果的です。
東南アジアの地域において、資生堂 アネッサは、ライブ配信とTikTok Shopを組み合わせてユーザーとエンゲージメントを深め、GMV(流通取引総額)を27%向上。ライブ視聴のページビューも2倍に増加させました。
ベトナムにおいて、メイベリンは、ライブ配信やフィード動画、アフィリエイト、広告など、TikTok上のあらゆる機能を活用して、アカウントの立ち上げからわずか1カ月で成果を上げました。現在では、GMVが大きく拡大し、TikTok Shopの最高売上を達成。ベトナムにおけるTikTokのトップブランドとして先頭を走っています。
すでに世界のいくつかの国でサービス提供が始まっているTikTok Shopの情報をもとに、TikTok Shopの始め方や使い方を解説しました。
リアル店舗やECモールなどとは違い、TikTok Shopを開設して販売を始めること自体に大きな投資は必要ありません。そこで、まずはテスト販売として、1つの動画で1つの商品を訴求し、感覚や手応えを掴みましょう。最初から無理に商品数を増やすことはありません。
また、ライブ配信による訴求はハードルが高いと感じる場合は、ショート動画をTikTok Shopと連携させ、まずは商品の画像や動画からの購買導線を確保するようにしましょう。小さく始めて成果が出たら、キャンペーンや他SNSとの連携にもチャレンジするといったように、少しずつ手応えを得ながら展開を広げていくのがおすすめです。
TikTokや短尺動画は初めてでコンテンツのつくり方がわからない、ライブ配信をやってみたいけれどいきなりは不安といった場合は、株式会社コムニコにご相談ください。TikTokのアカウント運用やコンテンツ制作、広告運用などに実績のあるコムニコが支援いたします。