インスタライブ(Instagramライブ)とは、Instagramアプリ内からリアルタイムに動画を配信・視聴できる機能です。
ライブ配信中は、視聴者からのコメントをリアルタイムで受け付けることができ、双方向のコミュニケーションを図れる点が特徴です。なお、2025年時点でライブ配信を開始できるのは、フォロワー1,000人以上の公開アカウントのInstagramユーザーのみとなっています。
人気インスタグラマーやタレントなどの有名人が配信しているライブを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
アパレルショップや飲食店をはじめとする企業公式アカウントでも、リアルの接点の創出が厳しくなったコロナ禍以降、インスタライブを活用してライブ上でのコミュニケーションを実践する事例が増えました。
今ではフォロワーとコミュニケーションするだけでなく、ライブで商品紹介を行い、ECサイトに誘導して購買につなげている事例も多く見られます。ライブ配信を通じて商品を販売する手法を「ライブコマース」といいますが、ライブコマースに使える機能もあり、たとえば商品に付けられたショッピングタグから商品詳細ページへの誘導やECサイトへの送客などがスムーズにできるようになっています。
インスタライブは、次の手順で簡単に利用できます。
Instagramのアプリ上で、ホーム画面下部の中央にある「+」をタップします。画面右下の文字を左にスワイプし、「ライブ」を選択します。
または、自分のアイコンをタップしてプロフィール画面から「+」をタップして「ライブ」を選択します。
必要に応じて、オーディエンス(配信対象者)、ライブのタイトル、フィルター、ライブのアーカイブ保存の有無などを設定します。設定できる項目やその設定例を以下に説明します。
インスタライブを配信する相手を選択できます。配信対象を限定しない場合は「すべての人」になっていればOKです。配信対象を指定したい場合は「親しい友達」を選択してください。また、「練習」を選択すると、オーディエンスなしでライブの練習ができます。練習のライブ動画は、アーカイブに保存して後から見直すこともできます(保存の仕方は後述)。
画面左のアイコンから、インスタライブのタイトルを付けることができます。
画面下部の画像をスワイプしてフィルターを選ぶと、ライブの配信画面に映る画像にエフェクトをかけることができます。
画面右上のアイコンから、ライブ動画をアーカイブに保存するかどうかを設定することができます。
事前にライブ配信の日時を指定することも可能です。そうすることで、フォロワーが事前にライブの詳細を確認したり、配信開始前にリマインダーを受け取ったりすることができるようになります。
画面下部中央にあるボタンを押し、ライブ配信をスタートします。
企業がインスタライブを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
一方で、インスタライブの開催においては、以下のような点がデメリットだと言えるかもしれません。
ライブ配信はリアルタイム、生放送で行われるため、あとから修正したり、気軽に中断したりすることはできません。配信直前や配信中に慌てないために、配信の内容や全体の流れ、配信環境の整備、質疑応答の想定問答集など、事前準備をしっかりとする必要があります。
たとえば以下のようなチェック表を作成し、事前準備やリハーサルの上で進めるようにしましょう。
フォローしているアカウントがインスタライブを開始すると、配信対象者に通知が送信されます。また、ライブ配信を行っているアカウントのアイコンには「LIVE」という表示が現れ、そのアイコンをタップすることでインスタライブを視聴することができます。
インスタライブを配信するには、出演者や台本、配信場所、機材などが必要です。機材であれば、人や商品をきれいに映す照明や、声をはっきり拾うためのマイク、途切れることなく接続できるネット環境などが挙げられます。また、必要に応じて配信の事前告知を行うことで、より多くの人に見に来てもらうことができます。
「インスタライブのやり方」の項で説明したように、事前にアーカイブを保存するよう設定することができます。保存期間は30日。その間にダウンロードするか、リールに投稿することでその後もアーカイブを残すことができます。
インスタライブの配信開始後、コメント入力欄の右側にある「…」をタップすると、コメントをオフにすることができます。
企業アカウントが実施しているインスタライブの事例をいくつかご紹介します。
小柄女性向けのファッションアイテムを販売するCOHINA(コヒナ)は、ほぼ毎日と言っていいほど頻繁にインスタライブを実施しています。ライブはややくだけた親しみのある雰囲気で、雑談をしたりコメントを取り上げたりしながら進んでいきます。
基本的には、発売したばかりの商品や、発売の近い商品の紹介を行っており、スタッフが自分の言葉で商品の良さを紹介することから、商品に素直に興味を持てるような内容となっています。
家具やインテリアの販売を行うLOWYAは、1週間に1回のペースで商品などを紹介するインスタライブを開催しています。新作の商品はもちろん、全国にある実店舗から配信を行い、その店舗に展示してある商品を紹介したり、スタッフ宅のルームツアーをしながら家具を紹介したりと、いろいろな企画を行っています。
Instagramストーリーズで事前アンケートを取り、紹介する商品のラインナップの参考にしたりもしているようです。また、出演するスタッフがあだ名で自己紹介するなど、親しみを持ってもらう工夫も行っています。
メイク・スキンケアブランドの資生堂は、定期的にインスタライブを実施しています。タレントなどのゲストを招いた配信も行っており、話題性のある企画が集客につながっています。また、ライブ配信から1週間以内に商品を購入した方に豪華特典をプレゼントするなど、ライブ配信を見てもらうきっかけを上手に作り出しています。
資生堂オンラインストアでもライブ配信のスケジュールを公開することで、Instagramへの集客につなげています。
参考:https://www.shiseido.co.jp/sw/onlinestore/campaign/all/beautynight2021/index.html
インスタライブは、企業や商品の魅力を直接伝えられるだけでなく、リアルタイムのコミュニケーションを通じて、フォロワーに親しみや信頼感を持ってもらいやすい施策です。事前準備にはある程度の手間をかける必要がありますが、通常の投稿やストーリーズよりも高いエンゲージメントが期待できます。通常投稿やストーリーズと並行して、ぜひ定期的に実施してみてください。
これまで2,600件(2024年10月時点)の運用支援実績のある株式会社コムニコでは、インスタライブの企画・運用支援も行っています。インスタライブを通じてフォロワーとのコミュニケーションを活性化させることで、アカウント全体のエンゲージメント向上にもつながる可能性があります。ぜひ検討してみてください。