BeRealは、2020年にリリースされ、Z世代をはじめとする若者の間で利用が拡大している画像共有SNSです。
特徴は、BeRealのアプリから1日1回ランダムな時間に通知が届き、2分以内にスマートフォンの内カメラと外カメラの両方で自分と周囲の様子を同時撮影して、投稿すること。2分以内に撮影というルールからもわかるように、時間をかけて工夫した「映え写真」ではなく、その瞬間の「リアルな写真」を共有することが、Instagramなどの既存SNSとは異なります。
2分を過ぎても撮影・投稿は可能です(何分経過したかが表示されます)が、編集やフィルターといった機能もなく、すでに撮影や編集を行っている画像を投稿することもできない仕様になっているため、いずれにせよありのままの様子を投稿することになります。
投稿が24時間で消えることもあって、映えや見られ方を意識する必要がないため、気軽に投稿し、友人同士で日常を共有できることが人気の理由です。
| BeReal | TikTok | ||
| 投稿内容の傾向 | 日常 | 憧れ・理想 | エンタメ・音楽 |
| 主な投稿形式 | 画像 | 画像・動画 | 動画 |
| 投稿コンテンツの加工・編集 | しない(できない) | フィルターやフレームなどで 加工する場合が多い |
音楽を付けたり、動画のテンポや面白さを意識したカット割りにしたりと、編集する場合が多い |
| ユーザーの 利用傾向 |
リアルの友人同士で |
憧れの人物や生活をフォロー、 日常の素敵な瞬間を切り取って共有 |
アプリのおすすめ動画や 好きなジャンルの動画を視聴 |
なお、2026年5月13日にはInstagramの新機能「Instants(インスタント)」のローンチが発表されました。BeRealに近い“ありのままの瞬間をシェア"する動きも見られています。
2024年2月、BeRealは企業やブランドに向けた公式アカウント機能「RealBrands」をリリースしました。この機能の登場により、企業やブランドは「中の人」のリアルを届けやすく、ユーザーとのコミュニケーションもとりやすくなりました。
「RealBrands」でも、公式アカウントは、一般のユーザーと同様にアプリから通知が届いたタイミングで写真を撮影して投稿します。一方一般ユーザーは、公式アカウントをフォローし、タグ付けやリアクションなどを通して関わり続けると、「RealFan」になります。RealFanになると、一般ユーザーはRealBrandsの投稿へコメントできるようになり、企業やブランドからは限定コンテンツの発信ができるようになります。
また、一般ユーザーが公式アカウントをタグ付けして投稿すると、公式アカウント側からも一般ユーザーの投稿を見ることができるようになります。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000133515.html
実際にBeRealを活用し、ユーザーとの関係構築や好意度形成に成功している企業事例を紹介します。
ロート製薬は、普段は見ることのできないSNS撮影の裏側やイベントの様子や、商品紹介などを発信。多くの人が知るSNSやイベントの裏側を見せるという限定感を演出し、親しみや透明性を感じてもらうことで、ファンとの距離を縮めています。
よみうりランドは、そのとき開催しているイベントを紹介したり、キャラクターの様子を撮影したりと、リアルな日常の風景を発信しています。添えられているテキストもラフな表現が多く、ユーザーに親近感を与える内容となっています。
また、BeReal開設時には開設キャンペーンを実施し、InstagramやX(Twitter)、FacebookなどのSNSで広く告知。BeReal公式アカウントのフォローや、BeRealでの投稿内容に関するクイズへの回答を条件に応募できるキャンペーンにすることで、フォロワーの増加を図りました。
ホラー映画の『ドールハウス』の公式アカウントでは、作中に登場する人形である「アヤ人形」の様子を発信。リアルな日常を共有するBeRealに、作中のキャラクターが現れるという「日常×非日常」の面白さを届けています。また、キャラクターが「本当にそこに存在している」という感覚が得られ、自分が映画の世界にいるようなドキドキ感も味わえるようになっています。
https://bere.al/dollhouse_movie
映画『私がビーバーになる時』の公開を記念してアプリ名をもじり、「私がビーバーになる時【BeaverReal.】」 と題したBeReal公式アカウントを開設して、BeReal上でのキャンペーンを開催しました。キャンペーンでは、BeRealの特徴である「加工なし」の機能と、映画のテーマである「リアルな動物の世界」を掛け合わせて、「あなたの周りの“リアル”な動物の世界」を題材とした投稿を募集。ユーザーに、ペットとの日常や日常で見かけた動物の写真を撮影してもらうことで、楽しみながら、作品の世界観を疑似体験してもらえる構造にしています。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000133515.html
「葛飾からJリーグへ」をスローガンに、関東サッカーリーグ1部で活動するサッカーチームの南葛SCは、地域リーグでは前例がなく、Jリーグでも事例が少なかったBeRealの運用を開始。選手の素顔や試合直後の選手の様子、地域活動、イベントの裏側など、マスメディアや試合本番だけでは見ることのできない「もう一つの物語」を届けています。チームの飾らない瞬間を共有することで、コアなファンとの絆の強化に役立てています。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000164653.html
Netflixは、『恋愛バトルロワイアル』のプロモーションにおいて、国内でもいち早くRealBrandsを活用。より多くのユーザーに届けられるようBeRealの広告機能も利用し、24時間で4900万のインプレッション、270万のユニークユーザーへのリーチ、6%のクリックを獲得するという成果を得ています。中でもクリック率は、他SNSではめったに得られない高水準となっています。
参考:https://www.wwdjapan.com/articles/1945428
BeRealでは、InstagramやTikTokなどの従来SNSとは異なる特性を持っています。そのため、BeRealならではのポイントを意識して運用する必要があります。
上記で挙げた事例からもわかるように、特に意識したいのは次の3つのポイントです。
「作り込みすぎない」姿勢:従来のSNSでは、ブランドや商品をよく見せられる画像の投稿を基本としていましたが、BeRealはむしろ、スマートフォンで撮影したそのままの雰囲気や、“素”の空気感がユーザーの信頼につながります。
個人情報や機密情報などが写り込まないよう細心の注意を払いながら、過度に演出しすぎない自然体の発信を意識しましょう。
限定感の演出:BeRealの加工できない、リアルタイムといった特性を活かし、公式HPやInstagramでは出すことのない「ここだけの裏側」で特別感をつくりましょう。
双方向のコミュニケーション:RealBrandsでは、ユーザーが公式アカウントをタグ付けした投稿を行うと、公式アカウント側からも投稿が見られるようになります。リアクション機能であるRealMojisなども活用しながら、ユーザーとリアクションを送り合い、双方向のコミュニケーションで距離を縮めましょう。
BeRealのリスク対策や基礎情報については以下の記事も参考にしてください。
参考記事:Z世代に人気の「BeReal.(ビーリアル)」って何?その特徴や使い方を解説
本記事では、BeRealを活用して若年層の心を掴んでいる企業の事例を紹介しました。
いずれの事例にも共通しているのは、映えではなく「ユーザーと同じ目線で、リアルを見せることを優先している点」です。そうすることで、企業やブランドに親近感を抱いてもらったり、エンタメ系であれば世界観に引き込んだりすることができます。
BeRealのユーザーも、相手が友人や企業に限らず、映えや広告めいた投稿ではなく、日常のありのままの瞬間を切り取った投稿が見たいと考えています。リアルを見せることでそうしたニーズに沿うことができ、企業やブランドを若年層に受け入れてもらうことにもつながります。
SNSの運用支援を行う株式会社コムニコでは、BeRealを含む最新SNSの戦略設計から実運用までを一貫してサポートしています。「BeRealを始めたいけれど、ブランドガイドラインとの兼ね合いが難しい」「具体的な投稿案が浮かばない」といった悩みをお持ちの担当者様がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。