Instagramは9月3日(米国時間)、iPad専用のアプリをローンチしたことを発表しました。
これまでもiPadでInstagramを見ることはでき、スマホ用アプリもしくはWeb版を利用する形となっていましたが、デザインに不満を持つユーザーが少なくなかったようです。
本アプリはiPadOS 15.1以降に対応しているiPadモデルで利用可能で、世界中のApp Storeから無料でダウンロードすることができます。すでに「Instagram」をダウンロード済みのiPadであれば、アップデートしてみましょう。
iPadに最適化された状態で使用開始できます。
>>App StoreからInstagramアプリをダウンロードする
Instagram iPad専用アプリは、モバイルより大きな画面を活かしたユーザー体験の良さが特徴となっており、Instagramを楽しめるようデザインが最適化されています。
ホーム画面はリールが表示され、左側にはDMやプロフィール、設定メニュータブが表示されます。少ないタップ数で様々な機能にアクセスできるようになっているとのことです。
なお、Androidのタブレット専用アプリも今後提供される予定です。
参考)Meta newsroom:https://about.fb.com/ja/news/2025/09/instagram-for-ipad/
スマホアプリとiPad版アプリではどのような違いがあるか解説していきます。
主要な変更点としては2つ。
iPad版のInstagramアプリは、ホームが「リール」となっています。
そのため、アプリを開くとまずリール動画が表示されます。
大画面を活かし、リール動画を再生しながらコメントを確認することもできます。
フォロー中のアカウントの投稿だけを時系列で表示できる「フォロー中」タブが新しく導入されました。フォロー中には、「すべて」「友達」「最新」の種別があります。
これらの変更は、Instagramの今後の方向性を読み解く上で非常に重要となるため、後述します。
Metaのリリースによると、リールの利用時間はInstagram全体の50%以上を占めており、1日の再シェア回数は45億回を超えているそうです。Metaはこうしたデータから、リールがユーザーにとって最も重要なコンテンツと判断し、よりユーザー体験を高めるためにiPadに最適化したアプリを提供したと考えられます。
そのため、iPadアプリでは、表示すると最初にリールが表示される設計になっています。
iPadのような大画面デバイスは、ユーザーがくつろぎながらコンテンツを楽しむ際に利用される傾向が強いため、エンターテインメントとしてのリール視聴体験を最大限に高めるための変化と捉えてよいのではないでしょうか。
iPadアプリに導入された新しい「フォロー中」タブは、SNS運用者にとって見過ごせない変更点です。このタブでは、フォローしているアカウントのコンテンツを、以下の3つの方法で表示できます。
ここで「友達」「最新」タブに注目してみましょう。
「友達」タブでは「フォローバックしている人」、つまり相互フォローである必要があります。
これを読んで、クリエイターや企業アカウントが「フォロワーをフォローバックしよう」と安易に考えて実行することはおすすめしません。一度に大量のアクションを行うことで、スパム認定されてしまい、アカウント制限がかかる可能性があります。そして、表示順のアルゴリズムには「親密度」が関わっていることに注意しましょう。
ただフォローバックしただけでは、相互のやりとりがないユーザーであるため上位表示は狙えません。
改めて、ユーザーとのコミュニケーション設計を見直すタイミングとも考えられます。
ユーザーとのコミュニケーションを積み重ねることで、Instagramのアルゴリズム上で優位に働き、より多くのユーザーに投稿が届きやすくなります。コミュニケーション施策については、We Love Socialを運営する株式会社コムニコでも支援しています。詳しくはお問い合わせください。
>>株式会社コムニコとは?Instagram運用代行・支援などサービス資料をダウンロード
「最新」タブの導入についても要望が多かった機能と考えられます。
これまでInstagramアルゴリズムによって表示順が決まっていたフィードを、ユーザーが自分の意志で時系列に戻せるようになりました。これにより、フォロワーの目に留まるには「投稿のタイミング」がより重要になる可能性があります。いつ投稿するべきか、というタイミングの分析方法は後述します。
iPadアプリの最適化は、リール以外にもあります。メッセージ画面では、画面の左側にやり取りしている人やグループの一覧、右側にメッセージ内容が表示されるため、一覧を見ながらスムーズに返信できます。
ストーリーズもiPadから投稿でき、使用できるスタンプなどの機能はスマホ版と同一です。これまでも投稿自体は可能でしたが、デザイン上使用しづらい面もありました。社用iPadから投稿したい場合などはより便利になっています。
これによって、フォロワーとのメッセージのやり取りが容易になり、親密度を高めていくこともできそうです。
これまで、InstagramをiPadで確認していた、という担当者はこのアップデートで便利になることは間違いありません。私用スマホを使わなくて良くなる、という方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。そうしたセキュリティ面の利点の他に、Instagramが重要視するものが明確になったアップデートでもあります。
「リールファースト」であり、「エンゲージメント重視」であることがより明確になりました。企業アカウント担当者は、この変化を好機と捉え、対応していくことが望ましいと考えます。
これらから見えてくるのは、①表示面が多いリールを活用すること②フォロワーとのコミュニケーションを行って親密度を高めること③最新情報をいつ投稿するかが重要になってくること。
特にリール面は、表示面が多いことから「まだフォロワーではない」人に届きやすいコンテンツ形式です。さらに、フォロワーとの関係構築により、フォロワーに情報を届ける面についても広がったと考えられます。
エンゲージメントを高め、Instagram成果を高めていくためにはまずフォロワーに届ける方法を考えることが重要です。
フォロワーがいつアクティブな時間であるかは、Instagramアプリのインサイトからでも曜日ごとの平均が確認できます。しかし、やや大雑把な数字となっており、正確な値が分かりづらいというデメリットもあります。
企業担当者などがより高度な分析として、フォロワーのオンラインの時間帯を確認したい場合は「コムニコ マーケティングスイート」などで確認するのがおすすめです。適切な時間帯を選び投稿できるよう、こうしたツールの利用も検討してみてください。
>>投稿時間分析:フォロワーのアクティブな時間がわかるツール「コムニコ マーケティングスイート」資料
今回のInstagramのiPad専用アプリは、単なるデバイス対応に留まらない、プラットフォームの今後の方向性を示す重要な一歩といえます。
リールの視聴体験を最大化するデザインや、フォロワーとの関係性を重視した「フォロー中」タブの導入は、
Instagramがより「リールファースト」かつ「フォロワーとの関連性重視」のプラットフォームとなったことを示唆しています。とくに、親密度が重要となってきそうです。
企業のSNS担当者やデジタルマーケティング担当者は、今回の変更を機に、エンターテインメント性の高いリール制作や、フォロワーとの密なコミュニケーション戦略などInstagram運用を見直すことが求められてくるでしょう。
We Love Socialを運営するコムニコでは、SNS黎明期から企業のSNS運用を支援してきました。今回の変更についても、企業がInstagramマーケティングのためにどう活用し成果につなげていくべきか、ご提案してまいります。
InstagramをはじめとしたSNS運用支援や運用代行、アカウントリニューアル、レポーティング、インフルエンサー施策、媒体をまたいだキャンペーン企画など、さまざまなご要望にお応えいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
>>コムニコにInstagram運用戦略・投稿代行・コンテンツ支援の相談をする
We Love Socialでは、今後もこうしたSNSの最新ニュースやアップデート情報を、正確に・わかりやすく伝えていきます。